卒業研究テーマ・内容

卒業研究では、指導教員と相談しながら研究計画を立て、テーマの決定、データの収集などを通して、様々なことを学びます。

文学部   
 

文学

太宰治『お伽草紙』論 「お爺さん」=聖、「おばあさん」=俗というステロタイプを脱し、「お爺さん」たちが己の自己執着から自由になり、この世界で「愛」を生きるに至るプロセスを解明する。
物語を生み出す少年
―リトル・アリョーヒン―
小川洋子『猫を抱いて象と泳ぐ』論。人生を、生きることを通して作り上げる物語と捉え、最も美しい棋譜(物語)を作るチェスの名手アリョーヒン少年の生涯を論じる。
『源氏物語』研究 紫式部の『源氏物語』における光源氏論。光源氏の人物像に関して、一条天皇と藤原彰子の関係性、紫式部の『源氏物語』執筆の意図など、背景的な情報から読み解く。
 

哲学

「夢」についての一考察 「夢」という現象に注目することで、人間の身体と意識や精神との結びつきの問題に光を当て、人間そのものの不思議さを考察したもの。
ハイデガー『存在と時間』における「不安」について 不安という人間が抱える根源的な問題が、人間の真なる在り方へつながる可能性を開くことを論じたもの。
グローバリゼーションとナショナリズム 世界を呑み込もうとするグローバリゼーションの動きが、各国のナショナリズムと、深いところで通じ合っていることを論じたもの。
 

歴史学・地理学

初期社会主義者はどのように「女性」を議論したのか 明治時代、弾圧に抗しながら社会の不平等を変革しようとした人々は、男女の不平等にも敏感だったのか。明治時代社会主義者の独自性と限界を、幸徳秋水と堺利彦の女性論から検討した。
契丹族における耶律阿保機の功績 現在の内モンゴルにおいて遊牧を生業としていた契丹族が、10世紀遼を建国した。その中心人物である耶律阿保機の功績を確認し、更に、彼の死後の同国の動向を探ってみた。
生活圏と行政合併に関する検証
~高松市を例として~
いわゆる平成の大合併により現在の市町村となった。そうした行政体がはたして地理的地域と一致するのか否か、即ち、実際の生活圏域が適格な行政体となっているのか、を検証した。
 

英語

有名演説を用いて英語力を磨く 歴史的に知られた有名な英語の演説の原文を徹底的に読み込んで、それを言語的・歴史的・文化的に理解した上で暗記し、演説者になりきって暗唱する。
英語版日本昔話集 日本の昔話を数点選び、ネイティブ教員の指導のもとで英訳して冊子を作成することを通し、英文作成能力を中心とした総合的な英語の運用能力の向上を目指す。
英語ドラマの書き取り 英語のテレビドラマの数回分を選び、徹底的な書き取りを行うことによって、単に聴く力だけでなく、英語の単語力・文法力・表現力等を向上させる。
 

平和学

日本の死刑制度の在り方について 日本の死刑制度は、まるで秘密のベールに包まれているかのように、国民には知らされていない。日本が国連から何度も停止勧告を受けていることも含めて、このような状態について考察した。
フォークソングにみる社会背景
― ボブ・ディランのノーベル賞受賞
彼が2016年に受賞したのはノーベル文学賞であり、世界が驚いた。彼は、その時々を彼がどう感じたかを、詩人として歌ってきたが、逆に彼の歌詞から社会の不条理と不安定さが透けて見えてくる。
激戦地、ペリリュー島
― 島に眠る、祖国への想い
天皇陛下の慰問訪問で、戦時中の激戦地の悲惨さが注目を集めることとなった。いわば、日本の戦時の不合理さと無慈悲さの中で、無力な兵士達がどのような結末に至ったのか、原因等を考察した。
 

学校教育

学校外教育の一考察 日本における学校外教育の歴史的変遷について論究。
学校統廃合の研究 人口減少にともなう学校統廃合の現状についての一考察。
学校現場における発達障害児に対する教員の支援の在り方についての一考察 発達障害についての整理を踏まえて、学校教員の支援あり方に関する論究。

 

社会福祉学部   
 

社会福祉学

空き家の再活用
~福祉施設、居場所として再利用することは可能であるのか~
空き家の現状、まちづくりとしての利用事例の分析、地域福祉としての利用事例の分析などを行い、社会問題となっている空き家を福祉的に活用する可能性を考察した。
社会的孤立の傾向とその対策 現在の日本では人のつながりが弱体化し、社会的孤立が大きな問題となっている。若者・現役・高齢者それぞれの世代における社会的孤立の現状と要因、およびその解決策を探る。
外国人技能実習生に対する大学生の意識と今後の課題 外国人技能実習生に対する意識に関するアンケート調査を大学生に実施した。また、外国人技能実習生に関する成功事例と今後検討が必要な事例を取り上げ総合的に考察した。
 

心理学・カウンセリング

「自閉症者」と避難所の課題 自然災害下の住民の安全確保は自治体の課題であり、避難所生活の質が注目されている。一方、ASDを含む発達障害等については殆ど触れられて来なかった。本論文はストレスが掛かる状態でその対応や解決に向けた試案を記した。
『ゲド戦記-影との戦い-』から見る影との付き合い方 ユング心理学、特に「元型」論を踏まえ、「影との戦い」を主人公の「影」の元型の自覚から、影との対決、統合のプロセスとして論じ、ゲドの自己実現のプロセスを考察した。
思春期の同性友人関係がその後の同性友人関係に及ぼす影響 特に女子の同性友人関係に焦点を当て、思春期以降の自立の過程の各段階における同性友人関係の在り方の特徴とその意義、および成人後の人間関係への影響を考察した。
 

地域社会と福祉実践

高齢者の孤独死の現状と対策 少子高齢化によって発生する高齢化率の上昇と、それに伴う一人暮らし高齢者の孤独死の現状を把握し、高齢期の社会問題としてとらえる視点から、今後求められる取り組みについて提言した。
虐待から子どもを守るための官民一体の取り組みへの展望 近年の我が国の児童虐待の実態について事例を挙げながら紹介し、その防止に向けて法制度や行政の取り組み課題を明らかにした。
 

精神保健と福祉

医療機関による権利侵害の課題
~虐待の発生要因に焦点をあてて~
医療機関における精神障害者に対する権利侵害の抑止は、可視化と透明性による閉鎖性からの脱却である。
PSWがこだわる援助関係の質
―援助関係構築のプロセスに焦点をあてて―
良質な援助には、PSWとクライエントの間での「適切な援助関係」が必須であり、かつPSW特有の価値観である「かかわり」が必要不可欠である。
精神障害者の主体的な地域生活の構築
~セルフ・スティグマに焦点を当てて~
セルフ・スティグマを抱く精神障害者の地域生活の構築には、つながりを維持することのできる多様性を受け入れる社会が鍵となる。
 

子ども福祉

児童自立支援施設における発達障害を有する児童への支援 児童自立支援施設に入所する児童の中で発達障害を有するケース事例があった。卒業研究では、児童自立支援、施設のケア方針、発達障害について明らかにすることを通じて、非行と発達障害との関連性について明らかにした。結論としては、職員同士のチームワークの重要性と児童について対しては、価値観や考え方を否定しない等の対応が不可欠であることが明らかになった。
DV家庭の子どもの影響と支援のあり方 増加傾向にあるDV家庭とDVがある家庭環境の中で生活してきた、母と子が受ける影響について明らかにするために、母子生活支援施設でのサポート受ける中でどのような支援ニーズや課題があるのについて調査を行った。結果としては、母親支援ではDVによる後遺症がひどいことが明らかになった。また子どもに対する支援では、子ども自身の自己肯定感が低いため、他者との信頼関係を築くための支援が重要であることが明らかになった。
「放課後児童支援における指導員の専門性と課題」 保育所待機児童対策が叫ばれる今日であるが、就学後の放課後児童クラブへの入所もまた大きな社会問題となっている。そうした中で、放課後支援のニーズが高まる中、指導員を取り巻く課題と専門性の在り方について検討した。
 

スクールソーシャルワーク

ケース会議の在り方
~スクールソーシャルワーカーの役割を中心に~
ケース会議に保護者、本人が参加することの必要性を考察した上で、在り方について提言した。その中で、スクールソーシャルワーカーの役割について考察した。

 

社会学部   
 

社会学

地方都市における“伝統”の役割と機能
―宇多津町宇夫階神社例祭の事例より―
瀬戸内海沿岸の地方小都市の例祭に対するフィールドワークをもとに、地域社会における“伝統”の今日的役割と機能について、マートンの機能分析を援用しつつ論考した。
若者とコミュニケーション 近年問題視されている「若者のコミュニケーション能力低下」現象について、多方面からのエビデンスにもとづいて反証し、なぜそうした言説が巷間流布しているのか、その社会的背景を探った。
墓ビジネス
―ニーズの多様化と将来の展望―
多死社会を迎えた近年、「散骨」「樹木葬」といった従来の「家の墓」にかわる新しい墓の在り方が、人びとの関心を集めるようになった。1990年代を境に台頭してきた墓に関する新しいサービスを「墓ビジネス」としてとりあげ、家族観や諸々の社会状況の変化にともなう人びとのニーズの多様化と関連させつつその発生と展開、および可能性について考察した。
 

メディア&サブカルチャー研究

ゴジラシリーズ研究 ゴジラシリーズで、核がどのように描かれているか、反戦・反核のメッセージ性について考察し、被爆国である日本にとって核とはどのような存在か、ゴジラシリーズから読み取った。
宝塚歌劇団における「男役」 宝塚歌劇団の独特な存在である「男役」について、『宝塚GRAPH』と『歌劇』の2誌を中心に、「男役」に関する記述について分析し、劇団員が考える男役について考察した。
プレイスタイルからみるコンシューマゲーム ファミコンなどの家庭用ゲーム機「コンシューマゲーム」について、その変容からユーザーのプレイスタイルに着目し、ゲームと社会との関係性について考察した。
 

観光学

直島の瀬戸内国際芸術祭の魅力 2019年度開催の直島での瀬戸内国際芸術祭について現地調査を行い、なぜ欧米人にも人気があるのかを考察し、あわせてインバウンド観光客が活用できる直島の魅力満載のリーフレットを作成した。
韓国木浦市のスタディ・ツアー研究 韓国南西部の木浦市を訪問し、木浦市の歴史遺産、人物、食をはじめ、日本の高知市との関わり等についても調査し、木浦市のスタディ・ツアーのリーフレットの作成も行った。
日本における観光旅行のスタイルの変化
~家族旅行を中心にして~
1980年代以降、日本の観光旅行はマスツーリズムから小グループや個人旅行へと変化して行く過程を調査しながら、特に家族旅行のスタイルの変化を中心に考察した。
 

身体表現と舞台芸術

衣装・作品創作 卒業公演にて作品を上演。出演者の人生経験や、今思っている事等を聞いて衣装を作成。そのお話と衣装をもとに、演劇・ダンス、そしてファッションショーの要素を取り入れ作品を創作した。
本番前の身体と精神 本番前にどのようなことを考えているのか、行動しているのかを総勢約20名にインタビューし、書き起こした。学生、教員だけでなくプロの       俳優の青年団の山内健司さんや、兵藤公美さんからもお話を聞くことができた。そこから、舞台関係者が本番からうける身体や精神の変化について考察した。
香川県における芸術・文化の存在 善通寺周辺を中心に香川県における芸術や文化に対する意識を地域住民に聞き取り調査し、結果によって芸術等に求められる事を探ることで今後の地方における芸術・文化のあり方を考える。
 

国 際 文 化 マネジメント

日韓の美容について 韓国のコスメ事情に関心をもちはじめて調査し、美容に関する日本と韓国の相違点について研究をした。
海外でのうどんの受容
~5か国対象口コミ500件から見たうどん~
さぬきうどんは海外でどのように受けとめられているのかをテーマにして、海外5か国での口コミ500件を調査し、その成果をまとめた。
日本の聴覚障害者と外国の聴覚障害者の環境の比較 日本の聴覚障害者がおかれている環境を調査し、さらに、米国の聴覚障害者の環境を体験している方々にもインタビューし、日米の聴覚障害者の環境比較をした。
 

情報加工学

世界の国歌の情報収集と分析 世界196ヵ国すべての国の国歌を日本語に訳し、その傾向を分析した。
香川・岡山エリアのローカル番組における「グルメ情報」発信のデータ収集と傾向分析 7月~9月の夏季3ヵ月間、香川・岡山の民放5局とNHKのローカル制作番組で紹介されたグルメ店を全てチェックし、ローカル局の店選び等の傾向を徹底分析する。
世界の紙幣に描かれている「ビジュアル」の網羅的情報収集と分析 国連加盟193カ国の全ての紙幣の裏表のビジュアル情報を徹底収集し、そこに描かれている場所、建造物、人物、動植物等々をデータベース化して傾向等を分析する。
 

ベースボール科学

日本の野球と海外の野球の指導法の違い 日本の野球と海外の野球では、その環境や文化が違うため、指導法も違っていると言われている。そこで、日本と諸外国で野球が盛んな国々の指導法を比較・分析し、考察を進める。
各国野球リーグの比較 WBC2017出場各国の、国内野球リーグの形式やチーム数、選手の平均年俸、観客動員数、競技レベルなどを調査、比較、検討する。またそのデータをもとに、日本プロ野球機構(NPB)における現状と課題を研究する。
プロとアマチュアのポジション別フィジカルの違い プロ野球選手の、ポジション別の身長・体重、等を調査し、さらにアマチュア野球については、大学野球選手の同データを調べる。そして両者の数値を比較することによって、プロ選手とアマチュア選手のフィジカルの違いを考察する。
 

健康・スポーツ科学

アウトドアスポーツ:これからのキャンプ用に求められるものとは? 国内には多くのキャンプ場が存在し、アウトドアスポーツの基盤施設となっている。キャンプ場利用者に対してアンケート調査を実施し、利用者の視点から、過去・現在・将来へのキャンプ場の存在意義について考察した。
プロ野球における観客動員数の決定要因は何か? 野球場の試合観客動員数は、プロ野球球団にとって、重要な経営指標のひとつである。ある球団の過去数年間の観客動員数と様々な環境要因の関連性を解析し、観客動員数の決定要因について考察した。
子どもの体力と運動遊びの形態との関係 小児生活習慣病問題も含めて、子どもの体力の低下が社会問題となっている。子どもを取り巻く生活環境のなかで、日ごろ子どもたちが体験する運動遊びの形態と、子どもの体力の関連について考察した。