『介護福祉士はヒーロー』(介護福祉士/社会福祉学×歴史学)

社会福祉学部 社会福祉学メジャー/歴史学・地理学メジャー 岡本康平さん
香川中央高等学校出身。
本学で社会福祉学メジャーと歴史学・地理学メジャーを専攻しながら、介護福祉士取得を目指して四国学院大学専門学校でも学んでいる岡本さん。
どのようなことを学び、経験しているのでしょうか。
介護福祉士を目指そうと思ったきっかけを教えてください。
自分の祖父母が高齢で認知症なのですが、接していた時間が長かったので、その経験を仕事に活かせるかなと思ったのと、資格の技術や学んだ知識を祖父母や親、自分にも応用できるかもしれないと考えたのがきっかけです。
また介護という職も、自分の好きなウルトラマンが相手の特性に合わせて対処するように、その人その人に合わせてその対応の仕方を変えていくことが似ていると感じたのも興味を引きました。
本学への入学を決めた理由は何ですか?
大学には行きたいとずっと考えていて、歴史にも元々関心があったため、歴史が学べる大学を探していました。岡山大学や就実大学、広島大学など、いろいろな大学があった中で四国学院大学を見つけました。歴史も学べるし、なにより大学が善通寺市にあって、偕行社など各所に歴史が感じられるなと思い、四国学院大学を選びました。善通寺市は、歴史が好きな人にとってはテーマパークだと思っています。
四国学院大学専門学校ではどんなことを学んでいますか?
8月末に、デイサービスの中でも通所と認知症対応型共同生活介護のところへ実習に行く機会がありました。比較的自立度が高い利用者さんが多かったので、直接に介護をする場面はありませんでしたが、リハビリのイメージが変わりました。これまでリハビリは厳しいトレーニングのようなイメージがあって、高齢者の方には負担なのではないのかなと思っていました。足を動かすマシンを使うリハビリも自ら利用しにいったり、利用者さんがとても積極的だったのが印象的でした。
社会福祉と歴史学を学ぶことで面白い発見はありましたか?
歴史というと、やはり昔というイメージもあると思うのですが、当時の人にとってはその事例が当時のリアルタイムっていうところがおもしろいところだと思っています。過去の文献で記録に残されているもので、いろいろ研究されていたり論文が書かれていたりして絵や文章にされていても、切り取られている一場面なので、昔の人と今の自分と違うところや似ているところがどこにあるのかなど、想像したり考察したりするのが興味深いです。
社会福祉分野の授業では、社会的包摂というか合理的配慮に関することなど福祉だけではなく社会全般に関係することも多く、社会福祉分野の授業だけではなく一般教養として知っておいた方がよいと感じる授業も多くありました。
福祉の中でも歴史で学ぶ部分があったり、歴史の方でも高度経済成長期の裏で失業者や公害など社会福祉関係の問題が起こっていたりするなど相互作用のある事象が多いと感じました。
大学に入って自分が成長できたと思うところを教えてください。
歴史と福祉のように「繋げてみる」という考えができるようになったのが大きいと思います。専門学校のテキストで高齢者のことを扱っている話があったのですが、ウルトラマンの話とリンクするところが多いことに気づいて、またその発見もあって介護福祉士の道に行こうと思いました。
そして、大学の授業の中で、メディア・リテラシーの授業について「情報に関してなぜ学ぶのだろう」と思っていたのですが、歴史の資料で批判的にみる必要があるということを知ってから、物事を多角的にみることの重要性を再度知ることができました。
本学での学びをこれからの将来にどう活かしていきたいですか。
俯瞰的な見方でみることを心掛けていきたいです。
認知症の方に対して「何もできない」と決めつけるのではなく、高齢者の立場に立って考えられることが介護にとっても重要なことの一つだと感じています。「介護」と「多角的にみること」は切り離せないものです。このことを十分理解して役立てていきたいです。
介護福祉士を目指す高校生へメッセージやアドバイスがあればお願いします。
どんなスターでも最終的には歳をとり、高齢者となります。そうなってくると絶対介護者は必要不可欠な存在です。障害をもつ、病気になる、怪我をする……そうなったとき、命を繋げるのも介護福祉士の役割です。介護福祉士は、全日本人の命を預かる陰の立役者でありヒーローだと考えています。
どんな人でも仕事を失ったり、急な事情により退職したりなど合理的配慮が必要となる場合はあります。福祉に関する知識は、自分が困ったときに必要な法律や制度をいち早く探し出せる糸口となります。自分が困ったときの武器となるよう、福祉に関して興味を持ち、学んでもらえたら嬉しいです。