『映像の面白さ』(演劇)

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2017.02.06 演劇

社会学部(演劇コース)2017年度卒業 逢坂涼介さん

撮影期間:5月27日(金)~5月29日(日)
場所:四国学院大学
活動内容:『君と100回目の恋』撮影スタッフの手伝い

撮影にスタッフとして参加しようと思ったのは何故ですか。

―演劇コースに入って、最初は役者として頑張っていこうと思っていたんですけど、途中で映像を作る側の面白さに気付きました。役者だけではなく、スタッフも演劇コースではやるんですけど、そこでカメラで撮るということがあって、自分でカメラを回してみると意外と楽しくて、編集も楽しくて、こっちの方が役者やってる時より楽しいなと感じるようになりました。ノトスは舞台がメインなので音響と照明はあるんですけど、映像のポジションはなくて、誰もいないなら自分がやろう!と思って2年生のはじめ頃から映像をやり始めました。それから、映画監督の本広克行さん(本学客員教授)が四国学院大学のCMを撮ることになって、でも本広監督は忙しいので若手の監督2人に任せる、となった時に、最近映像をやり始めているから、ということで西村先生に推していただいて、2人の監督さんに関わることになりました。CM撮影に関わっていたこともあり、今回、大学が映画『君と100回目の恋』のロケ地となるということで、良い経験になるのではないか、と職員の方に撮影の手伝いをする機会をいただきました。舞台に特化している大学なので映像は学べない、というところがあったので、映画の現場を学ぶならここしかない!と思って参加を決めました。

具体的にどのように撮影に関わりましたか。

―舞台の現場だったら動ける部分もありますが、映画の撮影では僕は素人なので、助監督の方に「何をすればいいですか?」と最初に聞きました。映画でクレーンとかを組んだりする特機班に関わることになって、物を運んだり、カメラをつるす機材を組んだり、といった手伝いをさせてもらいました。撮影の3日間、重機とか特機の方の手伝いをしていました。

今まで経験していた舞台と、今回の映像(映画)ではどのような違いを感じましたか。

―使っている物、テープ類とかは舞台と同じだったので、すぐに対応はできたんですけど、動き方とか役職も全然違っていました。舞台は、本番の掛け声がありません。ずっと稽古して、演出家さんが「ここもっとこうして」と指示を出したりして、稽古中スタッフはじっと座って見ている感じなんですけど、映画の現場は「よーい、スタート!」の本番の掛け声で、みんながピシっと止まりますし、「カット!」の掛け声で一斉に動き始めます。場面転換や衣装の人、カメラマンの人が一斉に動いて、本番になるとまたピタッと止まって、という動きにすごく新鮮さを感じました。3日間通して、これがプロか、これが映画の現場なんだな、と驚くことばかりで、舞台と全く違うなと感じました。
舞台は一貫通して起承転結全部きれいに通していくんですけど、映画はシーンがあってバラバラに撮影していました。キスシーンの後にすごく必死なシーンを撮っていたり、その演技の瞬発力というか、すぐにその演技が出せるのはドラマとか映画の俳優さんしかできない演技なのかなと思いました。気持ちの切り替えがすごいなと思いました。また、演出に関しても、舞台は台詞の言い方とか人間の動きが重要で、映像は目の開き具合、目の動きとか細かい演出が入ってくるので、演出の仕方もまた変わってきます。演技ではハテナマークとかビックリマークがつく表情をやるのが難しいと言われていて、僕も役者をやっている時に表情が硬いと言われていました。それに注目して演技を見ていたら、役者さんはすぐに表情をつくっていたのでプロはすごいなと思いました。

映像について、どんなことを学びましたか。

―将来はこういう映像の仕事に就きたいということを話すと、スタッフの方が機材の説明をしてくれて勉強になりました。それに、監督がカット割のミーティングをする、と言った時に瞬時にスタッフが集まって「ここで1カット、ここで2カット・・・・・・」とすごくテキパキと臨機応変に決められていたので、こういう判断力を求められるのだなと感じました。やっぱり舞台はお客さんが全体を見ているんですけど、カメラは四角い部分しか映せないので、その四角の中でどれだけ監督が演出してるのか、ということがすごく学びになりました。カメラマンさんの動きとかも見ていて、カメラを動かすローラーがあるんですけど、「あ、そう動かして撮るんだ」とか「ここから顔を映して撮るんだ」という発見もありました。
僕は将来、監督か演出をやりたいと思っています。監督は監督の仕事があってすごいなと思ったんですけど、一番すごいなと思ったのは助監督の方で、十数人いたエキストラの名前を一瞬で覚えていたんです。監督は役者との演技を固める話し合いをしているので、助監督がスタッフを集めて「ここのシーンはこうだからこういう風に動いてください」と指示を出したり、遠くにいるエキストラに指示を出したりしていて、その周りを見て管理できる能力というのはその監督や助監督から学びました。授業で映像の授業はあるんですけど、自分でテーマを決めて作品を撮る、独学に近いものだったので、今回は新しく学ぶことばかりでした。

これからの将来にどう活かしていきたいですか。

―今回、映画の撮影に関わらせてもらったことで、映像への知識や興味がさらに深まりました。将来は、テレビの映像や映画撮影などの現場にいけたらいいなと思っています。今はまた本広監督の撮影の下でお手伝いをされている方の手伝いをさせてもらっています。最近、舞台の方で僕が一眼レフのカメラを持っているので、写真を撮ってくれと言われています。これからも舞台や映像に関わっていく中で、今回、舞台とドラマ、映画での撮り方の違いなどを学ぶことができたのは大きいです。そして、今はノトスラボVol.10『ChamPle』の舞台監督をしています。これからも大学では舞台に関わりながら、隙あらば本広監督の下で映像も学んでいきたいと思います。そして、将来はみんなが足を運ぶ映画館で自分の作品を上演したいです。また、舞台でやっているお芝居とかの映像化が少ないと感じているので、映像にしたらどうなるんだろうという興味があります。

映像作品に関わろうと思っている後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。

―動かないと何も始まらないですし、芸能界とか演劇とか芸術をやる人は動いた方が結果にはなるので、とりあえず行ってみた方がいいと思います。行ってみて違っていたらやめればいいし、とにかくその場所に行って体験して欲しいです。感じないと分からないので、合ってなければやめて、これだ!と思ったらまた色んなところに行けばいいと思います。実行してほしいです。
動けっっ!!