『魅力を撮る楽しさ』(マグノリア・カフェ)
文学部 歴史学・地理学メジャー 髙石 紗奈さん
三島高等学校出身。
写真部部長。
瀬戸内国際芸術祭2022の作品展示を鑑賞し、ヴァーチャルな視覚表現と実在するモノとのパラドックスを「問う」マグノリア・カフェ“瀬戸芸2022カフェ”。
前回の瀬戸内国際芸術祭が開催された2019年、「次の機会があるなら3年後」だと担当の井上先生に言われていた髙石さん。
3年後の今回、瀬戸芸カフェに参加した感想などについて話を聞いてみました。
マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」ではどのようなことをしていますか。
――瀬戸内国際芸術祭は春・秋・冬の3会期あるので、瀬戸芸カフェで3回行く予定です。事前にどこに行きたいか、ミーティングをして計画を立てていきます。
春会期を開催中だった5月のGWに、初めて瀬戸芸カフェで小豆島に行きました。事前に井上先生の方から「ここを見に行きたい」という提案があって、みんなと「ここなら行けるかな」とか、「この場所のここがいいかな」とか、それぞれ自分の見たい場所や意見を言い合って、決めました。小豆島は自然豊かな場所なので、その自然と融合したような作品を主に見ました。作品を見て感想を話したり、意見交換することで、視野を広げることができています。
実際に瀬戸内国際芸術祭に行ってみてどうでしたか?
――やっぱりすごかったですね。なかなかいろんな国の方の作品を一か所で見れる機会はないですし、島だからこそできることなのかなと思いました。中でも印象に残っている作品は、巨人が海の方を向いて座っている作品「ダイダラウルトラボウ」です。鉄と木と石という、古代からある材料だけでここまで大きな作品ができるのはすごいなと思いました。あと、民家をヤドカリの宿にしている作品もインパクトがあって印象に残っています。
メンバーの中に、前回の瀬戸芸に参加した人がいたんですけど、やっぱり一度行っているからこそ分かるものもあるようです。例えば、前回からアレンジが加えられていたりして、同じ作品でも二回目では印象が違っていたり。私もまた行けば違った発見があるのかなと思って、よく見ておこうと思いました。
今回行ったのは小豆島だけだったので、他の作品ももっと見てみたいなと思いました。次は男木島や直島に行けたらいいなと計画を立てています。
小豆島や作品の写真もたくさん撮れましたか?
――はい。私は、写真を撮るのが好きなので、フェリーに乗っている時からずっと写真を撮っていました。自然を撮っていく中で、そこにしかない魅力を写真で残せるってすごく素敵なことだなと改めて思いました。ちょうど今写真部でも行こうかという話も出ているので、今年入ってくれた新入部員にも写真を撮る楽しさや芸術作品を見る楽しさを知ってもらえるといいなと思います。次に瀬戸芸に行く時は、もっと写真の構図も練っていきたいです。
マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」に入ってよかったと思うことを教えてください。
――瀬戸内国際芸術祭になかなか自分から行こうとはならなかったと思うので、入ってよかったです。
みんなで集まるミーティングもお茶会のような感じで楽しいですし、井上先生が博識で色々な視点で物事をみているので、新しい気づきがあって面白いです。そのおかげで、今までにない視点で物事を見られるようになったと思います。芸術作品に対しても、今までだったら見て「すごいな」と単純に思うだけだったんですけど、こういう構図で素材も考えて作っているんだなとか、目で見て全部が伝わってくる芸術作品を作ることはすごいなとか、どこがどうすごいのかを感じることができるようになったと思います。それに、改めて芸術作品が人に訴えかける力はすごいことを実感しました。
実際に現地に行ってみて、マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」が掲げる”問い”について、どのような考えを持ちましたか?
――瀬戸内国際芸術祭の魅力は、都市には無い地方の個性と魅力ある文化が残っている瀬戸内海で、閉鎖性海域の特徴である気候が穏やかで自然に恵まれた島々と、そこで暮らす人々と現代アートの融合であると考えています。今回初めて現地に足を運び、作品と出会い作品に直接触れたことで、それまで作品に抱いていたイメージとは違った感情や思いが込み上げてきました。映像で見る現代アートと、物理的に目の前に存在するリアルな世界との違いを肌で感じることができたと思います。
マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」に興味がある方へメッセージがあればお願いします。
――瀬戸内国際芸術祭に行ける機会が3年に1回しかないということもあって、普段体験できないことを体験したり、学生の今しかできないこともあると思うので、ぜひ興味がある方は瀬戸芸カフェに入ってもらえればいいかなと思います。瀬戸内の素敵な景色をたくさん写真に収めることもできますよ!
本学への入学の経緯を教えてください。
――歴史学・地理学を専門的に学べるのが四国で唯一ということもあって、四国学院大学を選びました。メジャー制度で専門分野以外からも学ぶことができるので、学部の垣根を越えていろんな分野からいろんな視点を学べたのは大きいと思います。
「瀬戸芸カフェ」での経験と歴史学・地理学メジャーで学んだこととの繋がりは感じましたか。
――歴史的な建造物や島の歴史や特性を活かした美術品もあって、歴史と美術は切り離せないものだなと感じました。作品によっては現地に行って知るものもあったんですけど、事前に調べていた作品で現地に行って「なるほど」と納得することもありました。
印象に残っている授業はありますか?
――歴史学・地理学メジャーの「地図・地理資料を読む」という授業では、地形図から町の変化などを読み取っていくのですが、地図だけでこれだけの情報が読み取れるんだという驚きがあって、とても面白かったです。今、卒業研究でも授業で学んだ地図や地理資料から読み取れる情報を活用しています。
他メジャーの授業の中で印象に残っているのは、田尾先生の「マーケティング論」です。情報を伝える側の立場で、社会人になって必要とされてくる知識や考え方を先に学ぶことができたので、今から役立てて活かせれたらいいなと思っています。
博物館関係の授業で、図書館で手ぬぐいの展覧会を開いたことがあります。その時、Wordで写真を配置するなどしてポスターを作成したのですが、それがすごく楽しかったので、私は何かを作ったりすることが好きなんだなと改めて感じました。写真部でも、写真を撮ることも好きなのですが、撮った写真をどのように展示するのかを考えるのも楽しいです。今までは小さいサイズの写真を飾っていたのですが、やっぱり写真は大きい方が迫力があると思って、私が部長になってA4サイズでの展示に変えてみたら、けっこう評判が良かったので嬉しかったです。
そういった経験もあって、私は将来、何かを企画する仕事をしたいと思っています。
◆マグノリア・カフェとは
正規のカリキュラムを補強しながら行う、自主講座、自主セミナー、自主ワークショップ等の課外活動です。教員と学生が会食をし、交流を行いながら学んでいきます。