観光を学ぶためには、まず関連する幅広い分野を知ることから始めましょう。旅のスタイルは大きく変化し、旅の対象の多様化やIT技術進歩などで旅の仕方も大きく変わってきました。“百聞は一見に如かず”とはまさに観光そのものをさす言葉で、実践を通じて訪れる側・受け入れる側双方のあるべき姿を学びましょう。皆さんの旅への興味・関心を出発点に、育てたいのは新しい発想と企画力あふれる人材。新しい観光のためのマネジメント力・情報発信力もどんどん磨きます。
観光は、昔から人間の営みの中でとても大切なものでしたが、人間の欲求が多岐多様となった現代では、なくてはならない、必要不可欠な行動であるとも言える気がします。しかし、急激に移り変わる国際情勢の下にあっては「観光どころではない」危険な時期や場所もしばしば。メジャーコーディネーターの橋本教授も、そのあたりから口を開いてくれました。
「『観光に出かける』あるいは『観光客を受け入れる』ためには、今日の世界状況を的確に把握できていないとマズい。テロや紛争や伝染病禍などがある地に“観光行動”は成り立ちにくい。『そこはそんなあぶない所ではない、大丈夫』という確認があって人々の往来はできる。つまり、世界が平和であること、これこそが観光行動を成立させる重要な条件。そうでなければ、『まずどうやって平和を生みだすか』から考えないといけないということでしょう。そうじゃありませんか?」
平和なればこその観光。はじまりは、まずそこからです。
平和を求め、多彩な“人の営み”を広々と理解すること、それが観光学のベース。それをクリアすれば、周辺状況にも次第に明るくなれます。「学んでほしい」と教授が強調するのは、さらにそこから先の話。
「学びの方法は、頭(デスクワ-ク)と身体(フィ-ルドワ-ク)の併用。様々な観光分野の課題を、調査・企画・運営・評価の方法で繰り返し学ぶことによってマネジメント力を限りなく高めてほしい。そこで培ったものは将来、観光の分野だけでなく、他の業界業種においても最前線で活躍できる能力へとつながっていくはずだと思いますし、何より必ずや『自らの関心がどこにあるのか』がわかるようになるはずです」。
このメジャ-では、関連科目を履修して国内旅行業務や総合旅行業務管理者などの資格試験に挑戦することができます。そのために、フィ-ルド・プラクティカム(現場実習科目)も重要になってくるのですが、そこでは各々がどういうテ-マ設定をするかが問われます。
「観光学と一口に言っても、旅行業、宿泊業、運輸業、製造業など多種多様です。例えばツ-リズム一つとってもいろいろな目的があるはずなんです。エコやフ-ド、イベント文化、スポ-ツレジャ-などなど。「何をテ-マにどこへ行くのか」あるいは「行き先は決まっているが何をテ-マとするのか」ということ、それが大事になる。そのために迅速な情報収集と発信の考え方、および応用力をいかに実践的に学ぶかですね」
資格を取ってストレ-トに業界就職を目指すのもいいが、もっと様々な分野で社会に役立つようなチャレンジをすることも選択肢のうちにありそうだ。
現場実習先は国内・海外と多岐にわたります。海外研修先としては、もちろん欧米やアフリカやオセアニアはじめ世界中となりますが、おそらく現状ではアジア圏が多くなることが考えられます。日本との関連性や成長度の急進性を考え合わせると、ここは魅力的な研修先がいっぱいの土地柄。国際文化マネジメントメジャ-でもコ-ディネ-タ-を務める教授にすれば、韓国を一番に挙げたいところでしょうが、そうでもないようで。
「う-ん、悩みますねぇ(笑)。まだ具体的に詰めきってないこともありますが、候補としてはタイやベトナム、シンガポ-ルにインドネシア、そしてもちろん中国・・・・とにかく、急速に民力がアップしてるあたりは興味深いですね。『なぜ急速に国力がついたのか』とか『それにはどのような力が働いたのか』とか・・・・実施する前に、学んでおくべきことが山ほどあります。そのためにも、まず英語をはじめとする語学力を身につけて、国際事情などを組み合わせて学ばなければならないですね」と、教授は力説していました。
さらに、教授は観光学メジャ-ならではの様々な試みを模索している様子。
「たとえば今、香川県はじめ四国各県は、地域活性化としての観光振興に大変ちからを入れていますね。未来の“地域観光リ-ダ-”を養成するメジャ-としては、これに貢献できる大きな可能性がありますから、様々な観光関連団体と連携しながら、今後の地域振興にも積極的に参画できればと考えたりしています」。
乞う、ご期待! といったところです。
こちらから観光学メジャーのカリキュラムを確認できます。
こちらから過去の研究テーマタイトルを見ることができます。
●旅行業代理店 ●宿泊業(ホテル・旅館) ●観光バス会社
●公務員(地域振興・観光政策部門) ●スポーツレジャー関連産業 ●学校教員 ●公務員(地域振興・観光政策部門)
●企画関連企業 ●NGO(スタディ・ツアー部門)●ガイドブック出版社 ●金融機関など
こちらから在学生の履修スタイル例や、このメジャーで学んだことなどを紹介しています。