社会福祉学メジャー

基本的人権と平和、人間の尊厳、文化の多様性を大切にしながら。

日本の福祉は、慈善事業に始まり、戦後は生活困窮者の救済を中心にした社会事業へと発展し、その後の産業構造の変化に伴い、全ての国民を対象とする福祉へと転換された。グローバリゼーションの現在では、民族や国籍を越えた全ての人々を視野に入れた福祉が求められている。社会福祉メジャーは、この要請に応えるために、基本的人権と平和、人間の尊厳、文化の多様性を大切にしたカリキュラムを提供し、地域・行政・企業・NGOそして国際社会で活躍できる社会福祉の知識・マインド・実践力と、多様性を受容できる感性を備えた人間を育てることを目指している。

教員紹介
●社会福祉学メジャーコーディネーター 石井洗二

■もはや福祉は民族・国籍を超えて、経済不況下では出番もひときわ。

日本の社会福祉は古くは慈善事業から始まり、敗戦後は生活困窮者の救済事業を中心とした社会事業へと発展してきた歴史があります。その後、急速な産業構造の変化に伴い、貧困者など特別なニーズのある人々のみを対象とした社会福祉から全ての国民を対象とする福祉へと転換。そしていま、ヒト・モノ・情報が国境を越えて移動するグローバリゼーションの時代に入り、もはや福祉は国民という枠にとどまらず、求められるのは民族や国籍を超えた全ての人々が対象の福祉、つまり多様な文化を尊重する福祉です。

そうした前提からまず金教授に水を向けたところ、「最近では、貧困になったのは、その人が努力をしなかったからだ、といういわゆる自己責任論が拡がっていますが、そうじゃないんだ、貧困を生みだす社会の構造に目を向けないといけないんだと学生には伝えるようにしています」と話し始めてくれました。

■世の中はどうあるべきか、正しい感覚を養うことから。

「生活保護受給者へのバッシングや生活困窮に陥った原因が個人にあるといった自己責任論が拡がっています。けれども、実際には、多くの場合、裕福な家庭に生まれた子どもは大人になっても裕福に、貧しい家庭に生まれた子どもは貧しいままという、個人の努力では如何ともしがたい階層(階級)の固定化が問題なのです。自己責任論を肯定すると、政府も個人も誰も、支援が必要な人々を助けない社会に向かっていくことになります。
また、外国人労働者(移民)が日本人とともに日本社会を支えているにもかかわらず、住民として正当な処遇を受けていない問題があります。外国にルーツのある人々ほど福祉ニーズが高いといっても過言ではないでしょう。
学生には、このような問題に敏感であってほしいと思っています。」

■理論的考察の反復練習から、時代に則した福祉のあり方を。

このような現代社会の要請に応えるため、21世紀のキーワードである“基本的人権と平和”“人間の尊厳”“文化の多様性の尊重”を踏まえた社会福祉を追求して学ぶのがこのメジャー。そのためにはまず社会や人間についての理解を深めねばならず、順を追って社会福祉の何たるかが身につくよう考えられたカリキュラムが用意されているそうです。
「ここでは、どちらかと言うと理論的なことや制度・政策的なことなどにウエイトを置いた考察を重ねます。そこには社会の仕組みをどうするかを考える側面もありますから、常に基本に立ち返ることが肝心。ベーシックな理論や思想を学べば4年間はアッという間に過ぎてしまうでしょう。」

■福祉現場以外でも、身につけた力は大いに発揮して。

では、ここで学べば将来は福祉現場にしか進路がないかと言えば、そうではありません。もちろん、そのまま福祉施設や機関などのいわゆる福祉業界に就ければそれに越したことはないでしょうが、学んだことは地域や家庭、行政、企業、NGOなど、どんな環境にあろうと活かせるはずであるとも。
「極端なことを言うと、役所に入ったとしても都市計画などでは実力発揮できるだろうし、企業であってもかつてのメセナのように社会貢献策にあたれば適材適所、様々なポストで将来評価されることを期待しますね」
とにかく、何かにつけて「ちゃんと社会提言できる人間になってほしい」と教授は語ります。道は遠くとも、まず一歩から。

■国内外を問わず学ぶ、そこで何を感じるかが分岐点。

フィンランドに出かけたり、香川のハンセン病療養所・大島青松園に行ったりするなど、ここでも実習的研修は豊富。それだけ福祉を受ける側の心理や、日本以外の取り組みを身をもって知る意味が重要だということでしょう。
「たとえば韓国は新しいものをどんどん取り入れますから、変わり様が激しい。日本にそこまでしろとは言いませんが、あの湧き上がってくるようなエネルギーや迅速さ加減は非常に参考になりますよ」
人の痛みがいかほどなのか、そこに意識を回す想像力、あるいはそれらを解消させるには何をすればいいのか考える感性……いずれにしても、根本的に備えねばならぬ素養は人間的なものばかり。やろう! と思った時、そこがスタートです。

カリキュラム
●履修できる科目●

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卒業研究
●過去の研究テーマ例●

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目指せるキャリア

●ソーシャルワーカー ●教員(中学校・高等学校・特別支援学校)
●公務員 ●NPO・NGOスタッフ ●高齢者福祉施設職員・社会福祉施設職員 ●病院事務職員
●社会福祉協議会事務職員 ●児童相談所などの相談機関スタッフ ●地域支援センター員など

学びのスタイル
●在学生ボイス●

こちらから在学生の履修スタイル例や、このメジャーで学んだことなどを紹介しています。

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