スクールソーシャルワークメジャー

子どもの問題は十人十色。いつか専門家となるために。

不登校・いじめ・非行・虐待など、教育現場では子どもたちの問題山積。これらは社会状況も深く関連、教師対応だけでは限界があり問題解決は困難な状況です。そこで求められたのが、スクールソーシャルワーカー。
子どもたちが日々の生活の中で出会ういろいろな困難を、子どもの側に立って解決するための支援体制です。
まずは子どもを取り巻く学校・家庭・地域の関係性から基礎を身につけます。その後、専門職として提言もできるような力を身につけていきましょう。

教員紹介
●スクールソーシャルワークメジャーコーディネーター 浜田知美

■学校という領域を「開拓」するスクールソーシャルワーカー。

スクールソーシャルワークとは、子どもたちが日々の生活の中で出会ういろいろな困難を、福祉の視点から子どもの側にたって解決するためのサポートシステム。子どもを支援するために大切な考え方や知識、および技術を、講義や演習や実習を通して学び、実際に現場に出た時に使えるようにしていきます。そのメジャーコーディネーターを務めるのが、浜田教授。「大事なのは、子どもたちの最善の利益を考えること」という一言からお話は始まりました。
「ただ、学校に福祉職が入り始めたのは最近のことなので、現場に入るにあたっては、まず校内でしっかり関係づくりをして、自分の役割を説明し、その存在を認知してもらう必要があります」。

■まだまだ新しい分野、だからこそ学ぶ意味がある。

スクールソーシャルワーカーが必要とされるようになったのは、時代の流れ。全国でもスクールソーシャルワーカーの実数は増加しており、2014年度には文部科学省の事業で1466人が活躍しています。立ち上げ時にリードした香川県では非常勤を含めて延べ53人ほどが活躍し、香川スクールソーシャルワーカー協会という職能団体も設立されています。それだけに注目される部分は大きいものの、「まだこれから」な世界であるのも事実です。
「ようやく2008年度から、国がスクールソーシャルワーカー活用事業を始めたところ。私たち社会福祉学部の教員も非常勤で様々な学校に行っていますし、常勤のスクールソーシャルワーカーも少しずつ増えています」。
だからこそ学ぶ意味があるということかと感じました。

■デリケートな部分なので、経験が問われるということ。

現場で直面する様々な問題の背景には、それぞれに相当デリケートな要素があることが少なくありません。
たとえば不登校やイジメなど、問題を抱えた子どもたちには、今いる世界の中で出口がないように感じ絶望的になっている子どもたちが少なからずいます。そんな時に、親身になって話を聞いて外の世界や新しい可能性を垣間見せてくれる大人の存在。これは、かなり重要でしょう。そこに、我々の存在意義の一つがあります。最近は、大学卒業と同時に資格も取得し、現場でスクールソーシャルワーカーとして働く人も出てきました。また、何かしらの福祉職で研鑽を積んだ後にスクールソーシャルワーカーとして働く人もいます。深刻になる一方の教育現場で、求められている1つの職種です。

■一人の生活者としての、子どもを支える。

大人であろうが、子どもであろうが、一人の“人間”であることに変わりありません。スクールソーシャルワーカーは、子どもを一人の生活者として尊重します。
「子どもも子どもの世界を懸命に生きていて、本来的に、自分の人生を切り開いていく力を持っています。スクールソーシャルワーカーの役割は、子どもの置かれた状況を大局的な見地から見て環境調整し、子どもの力が十分に発揮できるようサポートすること。子ども一人ひとりにとっても、社会の豊かな未来を作り出すという意味でも、極めて重要な仕事です」。

■カリキュラム改編で、より履修しやすく。

2015年度からカリキュラムが大きく改編され、以前に比べてずっと修了しやすくなったとのこと。
福祉の新しい分野にチャレンジしてみたい人、これはチャンスです。

カリキュラム
●履修できる科目●

こちらからスクールソーシャルワークメジャーのカリキュラムを確認できます。

卒業研究
●過去の研究テーマ例●

こちらから過去の研究テーマタイトルを見ることができます。

目指せるキャリア

●児童福祉司 ●精神保健福祉士
●社会福祉士(ソーシャルワーカー)
●スクールソーシャルワーカー ●公務員
●教員(中学校・高等学校・特別支援学校)など

学びのスタイル
●在学生ボイス●

こちらから在学生の履修スタイル例や、このメジャーで学んだことなどを紹介しています。