メディア&サブカルチャー研究メジャー

5つの教育課題で読み解く、現代から将来の文化状況。

ここでの目標は、多様化し錯綜する現代の文化状況を読み解く知の獲得。主な教育課題は、次の5つ。
①あらゆるメディア表現(情報)の本質を捉え想像力・批判力を涵養します。②TV・映画・雑誌・アニメ・ブログなど素材別に解釈方法を学びます。③現代の文化状況が各種メディア展開に及ぼす影響について理解を深めます。④多岐にわたるサブカルチャーの特質と現代的意義について考察します。⑤グローバリズム進展の中で人々の価値観・生活様式の多様性と変化を探究します。

教員紹介
●メディア&サブカルチャー研究メジャーコーディネーター 川又 実

■誰もが親しむ素材を通して、その深層に潜むものを探り出す。

日本が世界から注目されるものの一つに、アニメやボーカロイドといった“サブカルチャー”が挙げられます。こうした文化現象の多角的な理解を通じて現代人の特質と心性、さらには政治・経済領域を含むその意味について考察するのがメディア&サブカルチャー研究メジャー。もちろん“メディア”を名乗る限りは、オタク文化に限らず、私たちが身近に接している情報の本質に鋭く迫り、新たな視点で理解・解釈する想像力と批判力も養っていきます。
ここで素材とするのは、アニメやマンガ、音楽、ファッションなど、およそ現代人なら誰もが親しむものばかり。その解釈の方法を体得するだけでなく、現代文化の形成におけるメディアの果たす役割、および現代の文化状況が各種メディアへの展開に及ぼす影響についての理解を深めるというのが目的です。グローバリズムが進展する中、あるいは人々の価値観や生活様式が多様化する中、いかにして現代文化を批判的に検討する視点と方法を獲得するか。そのあたりが、ここに学ぶ学生に求められてくる内容となります。

■コミュニケーションの全てがメディア。気になることに興味を持つことが大切。

サブカルチャーに興味を持つ若い人が増えており、世界的にも日本のサブカルチャーは認知されています。メディアとサブカルチャーの関連性について、メジャーコーディネーターの川又実准教授に伺いました。
「新聞やテレビ、インターネットなど、現代社会において情報を入手する方法はたくさんありますが、これらの媒体は『メディア』と呼ばれています。「メディア」の本来の意味は、媒介、霊媒など、もともとつながりのないものを「つなげる」役目を果たすものに使われました。そう考えると、情報を発信するもの全てがメディアであり、人が話す言葉や手紙などもメディアの一つになります。人間関係を含めて、コミュニケーションに関連することは全てメディアと言えるでしょう。学生の多くは、サブカルチャー=オタク文化に興味を持ってこのメジャーに入ってきます。サブカルチャーも文化としてメディアと非常に密接に関わっていて、サブで語れないものもあるほど領域が広がっています。ベースは社会学になりますので、社会的な観点から分析していくことが重要になります。今、何かあるものに興味を持っていて、志の高い学生であれば、サブカルチャーに興味が無くても、可能性が広がるメジャーだと思います。

■町おこしとしても注目されるサブカルチャー。地域活性に欠かせないのは「つながり」。

オタク文化は、社会的にも評価を得てきています。例えば、丸亀市資料館に保存されている刀「ニッカリ青江」は、アニメのキャラクターにもなり注目を集め、展示公開されたときは、日本各地から多くの「刀剣女子」が訪れました。
「オタク文化が町おこしのきっかけの一つとして注目を集めており、他県でもさまざまな仕掛けを行っています。何かを仕掛けることによって、新たなものが生まれ、波及していきます。この過程でメディアや文化の力は欠かせません。メディアは年々進化を続けており、技術的にはAI(人工知能)の時代に入ろうとしています。人との触れ合いが希薄になっている今だからこそ、ネットの世界だけではない現実の社会においてのつながりが求められているのではないでしょうか。オタクと言われる人たちが現地に足を運び、お互いが情報を交換することで新たなつながりが生まれます。それが地域を活性させる一つの方法として注目されていると思います。そのようなネットワークを構築していくことが、大学の使命の一つではないかと考えています」

■情報があふれる現代社会において、メディアを使い倒せる人に。

サブカルについてここまで体系的・社会的に学べるのは全国的にみても希少なこと。インターネットやテレビのデジタル化によって、地方と都市の境目も少なくなってきたと言っていいでしょう。川又先生はどういう学生を育てたいのか?
「今の若い人たちは、インターネットやスマートフォンの普及により、知りたい情報を自分たちで引っ張ってきます。良し悪しは別にしてアナログのメディアはこれから淘汰されていくでしょう。今の私たちはメディアの中にどっぷり漬かっている状態です。より身近なものになっている今だからこそ、この流れのなかで立ち止まって考察していくことが必要だと思います。最初は主観的に『○○が好き』でいいと思いますが、好きなものを客観的にアプローチすることもしなければなりません。身近な事象を題材にするため楽しい半面、相対化させて捉える視点も必要とされる奥が深いメジャーです。人の営みが多様化していく現代において、『メディアに使われるのではなく、使い倒せる』人になってほしいと思います」

カリキュラム
●履修できる科目●

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卒業研究
●過去の研究テーマ例●

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目指せるキャリア

●新聞社 ●出版社 ●放送局 ●教員 ●公務員 ●広告・旅行代理店業
●地方自治体の政策立案部門 ●福祉施設員
●NPO・NGOスタッフ ●シンクタンク ●調査・研究機関
●一般企業の企画・広報・宣伝・営業部門など

学びのスタイル
●在学生ボイス●

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