子ども福祉メジャー

高校生まではまだ子ども、児童家庭福祉分野の深遠へ。

このメジャーでは、「おなかに小さな命が宿った時から大人になるまでの子育て子育ちを支える」ために必要な課題を学んでいきます。およそ高校生までを子どもとして位置づける福祉の世界。その定義としての子どもが、生まれて大人になるまでに必要な支援のあり方、それを子ども・家庭・地域をキーワードとして学びを深めていくのです。「子どもだから」簡単ではなく、「子どもこそ」深い世界。社会福祉分野の中でも、異彩を放つ児童家庭福祉分野の深遠を学びましょう。

教員紹介
●子ども福祉メジャーコーディネーター 野崎晃広

■子育てをする家庭への支援をどう考えるか。

子育ては、住んでいる場所によって異なります。地域の環境や風習、文化を理解したうえで子ども福祉をどうするか、子育てをしている家庭にどのような支援をするかが重要です。2005年にこのメジャーの前身である子ども福祉学科を立ち上げた当時は、子育て支援は認知されていませんでした。時が経過するにつれて、社会制度も変わり、子育て家庭を支援することは当たり前になり、若い世代をどう支えていくかが現在の課題になっています。

子育て支援は、保育や教育の制度を整備するだけでなく、子育て家庭の親たちの生活も含めて考えなければならず、支援の幅が広がっています。制度が拡充する一方で、ひとり親の家庭や生活困窮の家庭も増え、経済面を考えると、子育てが後回しになってしまっています。仕事のストレスが子どもに向かい、その結果、虐待やDVなどが増えているのが現状です。支援制度が整ってきた現在、「子どもの育ちの質」が大きな課題となっており、保育士をはじめとする子ども福祉に関わる専門職者に求められる資質が、より問われるようになっています。

■今の時代に生きる子どもへの理解を深める。

子ども福祉メジャーでは、今日の子育て環境を「チルドレン・ファースト」で考えた時に、生活しやすい場所になっているかを社会全体で考え、子どもだけでなく、親へのサポートができる保育士をはじめとする子ども福祉に関わる専門職者を育成しています。

授業は、座学だけでなく地域に出て活動するカリキュラムが充実しています。「子ども福祉入門演習」をはじめとする関連する演習講義では、例えば大型児童館や地域に出向いてに行って、学生中心によるイベントをしたり、また地域の図書館での読み聞かせの活動も行っています。学生たちがディスカッションをしながらプログラムを作りあげていきますが、これまでに学んできた子ども福祉に関するさまざまな知識を、この演習で統合して力を発揮させます。

保育士を目指す学生もいずれは親になる可能性があると思います。親になった時に、子どもの接し方や必要な支援を考えながら子育てをする家庭になってくれたら、それは子育て支援をどのように発展させていくか子育て家庭のリアルな声につながっていきます。学生が、活動の中から学び、今の時代に生きる子ども育ちの問題や生活背景など理解を広めていくことで、さまざまな状況に対応できる子ども福祉に関わる支援者になると考えています。2021年度から、新たに加わる「子育ち子育て課題演習(仮称)」は、これらを統合した授業として、各学年で行います。

社会情勢や経済状況に連動して、家庭生活は目まぐるしく変わります。経済状況が良ければゆとりのある子育てができますが、厳しくなると子育てに歪みが生じます。このメジャーでは、実際に子どもや家庭と関わるような活動を経験し、学ぶことを重要視しています。

■子どもとのふれあいを通して、相手の立場に立って物事を考える力を。

保育士をはじめ子ども福祉に関わる専門職者は、子どもや家庭から学びとる姿勢がないと上から目線になってしまいます。目の前のこどもや家庭から謙虚に学ぶためには視野を広くして、理解してくことを繰り返し行わなければなりません。親は子育てを通して親としてのあり方や子どもの生き方を学んでいきますが、例えば、保育士や子ども福祉の専門職者は、預かる子どもやその親から学ぶことで、信頼関係を築いていくと思います。また、保育者は、他者と関わる仕事です。子ども福祉の学びを通して、相手の立場に立って物事を考え、子どもや家庭、地域社会と関わっていける人材を育てていきます。

カリキュラム
●履修できる科目●

こちらから子ども福祉メジャーのカリキュラムを確認できます。

卒業研究
●過去の研究テーマ例●

こちらから過去の研究テーマタイトルを見ることができます。

目指せるキャリア

●保育士 ●幼稚園教諭 ●子育て支援団体スタッフ(NPO法人含む) ●子ども福祉施設職員
●学童保育・児童館・ファミリーサポートセンタースタッフ ●障害のある子どもの支援機関・団体職員
●行政機関での相談員 ●子育て子育ちに関わる情報産業や各種メーカー ●公務員 ●教員(中学校・高等学校・特別支援学校)など

学びのスタイル
●在学生ボイス●

こちらから在学生の履修スタイル例や、このメジャーで学んだことなどを紹介しています。