卒業生紹介(楠木 泰二朗さん)

楠木 泰二朗さん

社会学部 1999年度卒業
琴平バス株式会社 代表取締役

■四国学院大学の4年間は、どんな学生生活を送りましたか。

学生生活のほとんどが、四学祭事務局の活動でした。入学した時に話を聞き「楽しそうだな」と。事務局の活動の中心は、秋の学園祭と春の新入生のオリエンテーションで、年中そのことを考えていました。2年生の時には、事務局長に立候補しました。それまで自分から積極的に何かの役職になることはなく、なるべく避けていました。四国学院大学に入り、先輩や友人との出会いによって、ものの考え方やスタンスが変わりましたね。
 3年生から企画を担当しました。何かを企画することが楽しかったので、いつも面白いことを考えていました。私たちの時は、一年間共に頑張った四学祭事務局のメンバー、その活動を応援してくれた仲間と共に楽しめる後夜祭を企画したことが今でも強く印象に残っています。
 大学時代には、ディスカウントショップの店員や船の乗組員に食事を作るアルバイトをしていました。いろいろなアルバイトを紹介してくれる先輩がいて、時間が空いていればやっていましたね。先輩や友人とは、今でも連絡を取り合っています。

■四国学院大学では社会学部でしたが、印象に残っている授業はありますか。

 地域社会学で、祭りを通してその地域の歴史や文化、祭りが果たす役割などについて学び、その実習で沖縄本島の北にある伊平屋島に一週間行きました。島の祭りの手伝いをしながら、島の人たちと仲良くなり、夜の飲み会によく誘われました。島の人は明るくて、酒もよく飲みます。酔いがまわると方言で話し出すので、内容を理解するのに、沖縄本島の人に通訳してもらっていました。

■四国学院大学での経験で生かされていることは何ですか?

 祖父がバス会社、父が旅行会社を経営していましたが、私自身は後を継ぐ気はありませんでした。大学で四学祭の事務局として運営に携わるようになり、企画することの楽しさを知り、将来は何かを企画する仕事がしたいと考えていました。業種・職種はなんでもよかったので、選択肢としてイベントや結婚式のプランナーもひとつの候補だと思い就職活動をしていました。父から、「いずれ経営者を目指すなら、私の所で働かないか」と言われ、父の会社に入りました。最初は、全国の旅行会社に「四国八十八カ所霊場」をテーマにしたツアーの企画や手配をしていました。自分が企画したツアーで、人が集まり、喜んでもらえると、私もうれしくなります。人が楽しむことを考えることは、四学祭事務局で培ったものだと思います。
 現在は経営者として、お客様に支持されるか否かが一番重要と考えております。お客様が楽しめる企画を考え支持いただければ、収益はそれに伴って後からついてくると思っています。

■コロナ禍で、観光業界を取り巻く環境は大変厳しい中、御社では「オンラインバスツアー」が多くのメディアに取り上げられています。企画したきっかけやその思い、反響は。

 新型コロナウイルス感染症の拡大により、旅行業界は大きなダメージを受けており、観光バスに限れば、緊急事態宣言時には昨年比99.9%減となりました。9月からGo to トラベルが始まり、少しずつ客足は戻っていますが、海外路線の欠航が続いているため、インバウンドが見込めず苦しい状況が続いています。
「オンラインバスツアー」は、自宅で旅行気分を味わってもらおうと、社員が企画しました。地元向けの「コトバスツアー」に月2、3回参加してくれるお客さまがいますが、コロナの影響で全く会えなくなり、当社を心配する声もいただきました。お客さまに笑顔を届けたい思いで、オンライン上で継続的に会う機会を作ろうという思いもあります。
 ツアーのコンセプトは「リアルを感じてもらうことと」と「人とのつながり」です。無料で観光名所を流すだけのツアーでは面白くありません。少しでも「リアル」を感じてもらうため、参加者には地元の特産を事前に送り、ツアー中に同じものを同じ時間に食べて、体験を共有できるようにしました。2時間のツアーの中で、自己紹介やクイズ、歌などで盛り上げ、最後の30分は当社の担当者やお客さま同士で親睦を深める時間を設けています。お客さんからは、「終わるのがさみしい」や「帰りたくない」など、まるで現場に来たかのような感想をいただいています。オンラインバスツアーをきっかけに、「コロナが落ち着いたら現地に行ってみたい」や「あの人に会いたい」という、次の「リアル」につながること期待しています。

■会社として、地域企業や自治体との連携はどうしていますか。

 地方創生・地域活性化と観光は密接な関係にあると考えています。これまでもインバウンド事業において地域誘客・関係人口創出のために地域企業や自治体と連携して取り組んできましたが、コロナ禍で誘客戦略の見直しが迫られている自治体や企業と共に、「新しい旅の様式」の一つとして国内外に向けたオンラインバスツアーの開発に取り組んでおります。

■これから社会に出ていく後輩に、先輩としてメッセージをお願いします。

 これからは学歴が重要視される時代ではなく、自分自身何ができるかだと思います。大学の4年間は自分の可能性に触れる大事な時間です。社会も積極的に取り組み、挑戦する意欲と、この部分だけは負けないという能力のある人材を求めています。
四国学院大学はやろうと思えば何でもできる自由な学風で、自分を表現する場所があります。私の大学時代は多くの人と出会い、さまざまな経験を通して、自分自身が成長した時期だったと思います。学生の皆さんには、大学時代にいろいろなことにチャレンジして、将来につなげてほしいですね。

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