学生活動-ボランティア

『夢を叶えるための経験』(子ども福祉メジャー)

社会福祉学部 子ども福祉メジャー 三井 奈々さん
丸亀城西高等学校出身。
保育士養成コース所属。

将来の夢は保育士。
その夢を叶えるために選んだのは、子ども福祉メジャー。
子ども福祉メジャーに入り、日々成長を実感しているという三井さん。
どのようなことを学び、経験しているのでしょうか。

子ども福祉メジャーを選んだ理由を教えてください。

――保育士を目指しているからです。大学を選ぶ時、母が保育士として勤めている保育所に子ども福祉メジャーの卒業生の方がいて、「すごく学びがあって、成長できるいい環境がある」と聞いていたので、四国学院大学の子ども福祉メジャーで学びたいと思って入学しました。

保育士になりたいと思ったきっかけは何ですか。

――子どもと関わることが好きというのもありますが、母がすごく楽しそうに仕事をしているのを見ていたからです。もちろん保育士の仕事は大変だというのは分かってるんですけど、保育所で行われる夏祭りに参加した時などに「三井先生!」と子どもたちに慕われて、楽しそうにしているのを見て、私も母のような保育士になりたいと思うようになりました。

子ども福祉メジャーに入る前と後で、イメージは変わりましたか。

――入る前までは、たくさんの人がいて、大人数で授業を受けるのかなと思っていました。実際に入ってみると小人数でしっかり学べる環境でした。人数が少ないので先生に質問もしやすいし、学びやすいので、入ってよかったなと思っています。

子ども福祉メジャーでの活動で印象に残っていることを教えてください。

―― 一から自分たちで全部つくるのはあまり経験できないと思うので、「こどもひろば」が印象に残っています。去年は「えほんのくに」をテーマに実施しました。私が担当したのは、おばけの眼鏡を子どもたちと一緒に探す「おばけをさがそう」の企画で、その導入の演出にもこだわりました。ただ探すだけではなくて、森の音を流すことで耳から感じられるようにしたり、室内を少し暗くして目からも楽しんでもらえるようにしたり、色々と工夫しました。暗いところが怖い子もいたので、その時は少し明るくしたり。その場に応じた対応が身に付いたかなと思います。
 どうしたら子どもたちに喜んでもらえるか?ということを考えながら企画して、当日は実際に子どもたちの反応も見ることができるし、保護者の方からも「楽しそうだった」と直接聞くことができるので、すごく達成感がありました。こうした方がもっと楽しんでもらえるかもしれない、と当日も考えながら動くことができたので成長できる機会だったなと思います。
実習では、一対子どもたちという状況が多いですが、こどもひろばの時は保育士養成コースの仲間たちと一緒です。みんなで子どもたちを楽しませようと奮闘していたので、その雰囲気もすごく楽しかったです。

保育士養成コースの学生は毎年12月にさぬきこどもの国の「はぐくみ×カレッジ」に参加していますね。三井さんがイベントに参加した時はどうでしたか。

――私は2年生になって、「はぐくみ×カレッジ」に参加しました。どういう反応をすれば子どもたちが楽しんでくれるか、ということを考えながら声かけをしていました。「はぐくみ×カレッジ」は最後にアンケートがもらえるんですけど、いろんな遊びがある中で、私たちが担当したもぐらたたきの企画で「子どもがすごく楽しんでいた」とか「初めてこんな姿を見ることができた」という嬉しい感想がいっぱいあって、準備はとても大変だったけど、やってよかったなと思いました。直接子どもたちが喜んでいる姿を見れたり、保護者の声を聞けたので、実習に行く時もこのイベントでの経験を思い出して頑張れました。

実習での体験を教えてください。

――2年生の時に施設実習や保育実習、ボランティアなどを経験しました。授業で、「環境をよく見ていた方がいい」ということを聞いていました。例えば、子どもたちが遊べるように新聞紙が置いてあっても、年齢に合わせて、ちぎって置いている場合とそのまま置いてある場合があります。実際に保育現場に行ってみたら、私は4歳児が対象だったんですけど、4歳になるとある程度自分でできるので、保育者が全部するのではなく子どもたち自身が考えて遊びにつなげることができる準備をしていました。環境を見ることが大切だと聞いていたおかげで、自分で気づいて発見する力や学び取る力が身に付いたと思います。

実習などで、子どもたちとの関わり方で気を付けていることなどはありますか。

――私は毎日目標を持って頑張ろうと決めています。実習中に「絶対にあの子と仲良くなりたい」という目標を決めたら、そのためにはどう関わればいいのかということを考えます。話しかけられるのが苦手な子もいると思うし、その子に合った関わりをすることが必要になるからです。その子が好きなものは何なのか。どういう関わりを求めているのか。一日で知ることは難しいので、長い目で考えて、だんだん仲良くなるために日々を積み重ねていくことを大切にしています。実習という短い期間ではありますが、毎日の積み重ねを大切にすることで子どもたちとの関わり方もうまくなってきたと思いますし、成長できていると思います。
 特に印象に残ったのは、保護者の方から「先生の話をいつもしてる」とか、手紙交換をしていたんですけど「いつも手紙ありがとう」と、保育所では見えない家庭での出来事や様子を伝えてくれた時に、毎日積み重なっているなということと自分の成長も実感できました。そのおかげで、くじけそうになっても頑張れますし、やりがいも感じられます。

メジャーでの活動以外で何か子どもと関わる活動をしていますか。

――私は、ハウスメーカーの託児所でアルバイトをしています。住宅の打ち合わせや相談などに時間がかかってしまうので、その間子どもたちを託児所で預かってみています。実習では年齢が高い子どもたちと関わることが多かったんですけど、アルバイトでは1歳や2歳くらいの年齢の低い子どもたちと関わることが多いです。1・2歳の子は発達の差が大きいので、発達や年齢に合わせた関わり方が身に付いたと思います。保育所などの長期的な子どもとの関わりではなく、週に一度会うか会わないかの関わりが少ない環境でも仲良くなれるようにその子に合った対応を見つける力が身に付いたと思います。

活動をしていく中で役に立っている授業はありますか。

――野崎先生の「子育ち子育て支援実践論」です。授業を聞くだけではなく、グループワークがあるので、他の人の考えや意見を聞いて、自分の考え方や価値観が広がったと思います。保護者の人にも、いろんな人がいるので、一つの方向からではなく、いろんな方向から考えることの大切さに気付くことができました。他の人の意見を聞く力や自分の意見を伝える力が身につく授業だと思います。
「子育て」といえば母親だけを想像する人もいると思うんですけど、そうではなくて、父親も子育てをする、という話が授業の中でありました。世間一般でいう“当たり前”というものはないんだと。人それぞれ生育歴も違っていて、その人にとっては当たり前でも他の人にとっては当たり前ではないこともあるから、自分の当たり前を押し付けるのではなく、家庭やその子どもに寄り添った対応が大切だと言っていたことが印象に残っています。実習やアルバイトなどで子どもたちと関わる時にも、この考え方を大切にしています。

他メジャーの科目も履修していると思うのですが、役に立った授業はありますか。

――演劇ワークショップです。演劇ワークショップでは、普段あまり関わることの無い他メジャーや他学年の人と関わるため、コミュニケーション能力の向上を実感したり多面的に物事を見る大切さを学んだりととてもためになりました。
 自分だけでなく、他の人と協力してひとつの物を作り上げる楽しさや、周りを見る大切さなど、この演劇ワークショップでしか学べないことがたくさんありました。

子ども福祉メジャーに入ってよかったことを教えてください。

――授業も休み時間も一緒で、一番長く過ごしているのが子ども福祉メジャーの友人です。実習も一人だったらくじけそうなことがあっても、みんなも頑張っていると思うと頑張れるし、お互いに助け合える人に出会えたのはすごく大きいなと思っています。模擬保育の授業でも、他の人の良いところを盗めるし、お互いに成長し合える環境だと思うので、子ども福祉メジャーに入ってよかったなと思います。

2023年度に開催予定の「こどもひろば」に向けてどんなことを頑張っていますか。

――去年は、チームごとに遊びを考えていました。でも、今年はみんなで何をするかを考えて、全員が助っ人として行った時にも対応できるように、みんなで協力して作り上げようとしています。みんなで一つのものを作るという意識のもと、連携を大切にして頑張っています。
 「こどもひろば」という場所は、子どもたちにとって家でも保育所でもない環境です。そこで楽しんでもらえるように、子どもたちが世界観に入り込めるような工夫や保護者の方も一緒に楽しめるような工夫をしています。それに今年は、「こどもひろば」で終わりではなく、家庭に帰っても親子で楽しんでもらえるような遊びをコンセプトに企画を考えているので、ぜひ今年も楽しみにしていてください!

子ども福祉や保育士に興味がある後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。

――やっぱり小人数で学べることはすごく大きいと思っています。濃く学べるし、先生や友達との関係も深まりますし、イベントが多いので授業だけじゃなくて実践で学ぶことができます。実際に子どもたちと触れ合いながら楽しく学べる環境だと思うので、ぜひ子ども福祉メジャーで学んでほしいです。


子ども福祉メジャー
「こどもひろば2022 〜えほんのせかい〜」
さぬきこどもの国「はぐくみカレッジ×四国学院大学(2022年)」
「こどもひろば2023~もりのくに~」参加申込開始

『経験した分、成長できる』(地域災害ボランティアサークル)


社会福祉学部 心理学・カウンセリングメジャー 泉保 萌花さん

高松北高等学校出身。地域災害ボランティアサークル部長。
地域災害ボランティアサークルの活動は、大学周辺のごみ拾いや募金活動、イベントのボランティアなど多岐にわたる。インスタグラムでは依頼も受付中。

「ボランティア活動をしたいけど、何から始めればいいんだろう?」
そう感じている人も多いのではないでしょうか。
2019年に地域災害ボランティアサークルを立ち上げた泉保さんに、地域災害ボランティアサークルの活動について話を聞いてみました。

地域災害ボランティアサークルを立ち上げようと思ったきっかけは?


——高校三年生の夏、岡山県真備町の豪雨災害ボランティアに参加した時に、得るものがたくさんありました。でも、現地に若いボランティアの子が少ないなと感じました。若い世代でボランティアをする人を増やしたいと思って、サークルを立ち上げました。最初は友達に声をかけて部員集めをしていたのですが、意外と「ボランティアをしたいけど、何から始めていいか分からない」と思っている子が多かったようで、そういう子たちが入ってくれて、昨年5月に立ち上げて、部員は現在26人まで増えました。(2020年7月現在)ボランティアサークルでインスタグラムをしているんですけど、新入生の中で高校の時からインスタグラムを通じて知っていて入部してくれた子もいて、ちゃんと見てくれている人がいるんだと嬉しくなりました。

具体的にどんなボランティア活動をしていますか。


——基本的にいろんなことをするサークルです。定期的にする活動としては、犬猫の殺処分防止の募金、ごみ拾い、善通寺市子ども・家庭支援センター内にある子どもひろばでのボランティアなどがあります。あとはインスタグラムのダイレクトメールでイベントの依頼などが来たりするので、本当にいろんなことをしています。あまり活動がない時には自分たちから、何かボランティアできることはないか、と聞くこともあります。
今は、物資の活動や応援メッセージの活動が多いです。最近では、九州豪雨災害に関係するボランティアをしました。福岡県にあるみなと小学校で鉛筆やノート、消しゴムがなくて困っているということを知って、大学の教室に回収箱を設置しました。みんなの家の中に眠っていたりする物なので、鉛筆などが箱いっぱいに集まりました。けっこうみんな協力してくれて嬉しかったです。一度回収して送ったんですが、まだ持ってきてくれる子もいて、先方もいくら送ってもらっても助かると言っていたので、また集めて送ろうと思っています。

インスタグラムではどんなことを発信していますか。


——ボランティア活動中の様子などをメインに上げています。最近だと、みなと小学校のために集めた鉛筆の写真や募金活動の集計やイベントに参加した時の活動報告などを投稿しています。他にも、自分たちの活動だけでなく、みんなに知ってほしいボランティア活動があれば、インスタグラムのストーリーなどで紹介しています。
インスタグラムでフォロワーを増やすために大事なのは、ハッシュタグです。なかなか難しいんですが、「みんなは何を調べるんだろう?」ということを考えて投稿しています。
最初は私一人で担当していたインスタグラムも、今ではみんなが投稿できるようにしたので、それぞれがボランティア活動をした時に投稿するようにしています。

ボランティア活動をやっていてよかったと思うのはどんな時ですか?


——子どもたちのボランティアに友達と参加した時、その友達が「ボランティアサークルに入ってよかった」と言ってくれたんです。その理由を聞くと、これまで大人と話す機会があまりなかったけど、大人と話すことによってその経験や価値観を知ることができて、自分の価値観も変わった、ボランティアは経験するだけで全然違う、と話してくれました。私が高校三年生の時にボランティア活動を通して感じたことをみんなにも伝えたくてサークルを始めたので、それが伝わった瞬間で、すごく嬉しかったです。
あと、やっぱりボランティアをしていて感謝された時、ボランティア活動をしていてよかったなと思います。イベントなどでボランティアに参加した時、「本当に助かった」「ありがとう」と言われるとすごく嬉しくて、やりがいを感じます。
今は、豪雨災害だけでなく、これから地震もあるかもしれないし、新型コロナウイルスの影響も災害といってもいいような状況です。これだけ大変な時期だと、ボランティアはいくらあっても足りないと思うので、このサークルを作ってよかったと感じています。

ボランティアの活動を通じて自分が成長したと感じるのはどんな時ですか。

——ボランティアに行く回数分、いろんな人と話したり、いろんな分野の活動があるので、その経験だけ自分も色々なことを知ることができて成長しているなと思います。たとえば、子どもたちのボランティアでいえば、保護者の方たちと今悩んでいることを話し合う場に同席させてもらうことがあります。今だと新型コロナウイルスのことで悩んでいて、もし両親が感染してしまった場合、子どもはどこに預けたらいいのか?ということを話していました。こういう悩みを抱えているんだ、と自分だけでは考えもしなかったことを知ることができて、成長できているなと感じられます。

これからの目標を教えてください。


——今やりたいと考えていることは、二つあります。まずは、実際に現地の災害ボランティアに行くことです。次に、IPU環太平洋大学の表現教育の団体と私たち地域災害ボランティアサークルのコラボです。表現教育というのは、子どもたちにも体験してもらえるものです。最近子どもたちと遊ぶボランティア活動をしているので、私たちがIPU環太平洋大学の表現教育の団体のワークショップを経験して、一緒に子どもたちと遊べるような何か活動ができないか、と考えています。子どもたちにとっても県外の学生と関わる機会はないと思うし、新しい体験になると思います。今年は新型コロナウイルス感染症の影響もあるので、難しいとは思うのですが、実現したいです。表現教育の団体代表をしている先輩はすごく行動力があって、その人に影響されて私もボランティアサークルを作ることができました。その先輩は、やろうと思ったことをすぐに行動に移す人で、ラジオへの出演や講演もしていて、本当にすごい人だなと思っているので、是非コラボしたいです。そして、部員みんなにも会ってほしいなと思います。
私個人としては、なんでもけっこう一人でやってしまうタイプなので、みんなで手分けして協力できるようにすることが目標です。だから、昨年までは私が部長で、他は部員、という関係だったんですが、今年は変えようと思って、一年生二人を副部長にしました。ボランティア活動は全員で協力したいと思っていて、学年での壁を感じないように、あえて一年生を指名しました。まだできたばかりのサークルで、私自身も部長として立つのは初めてなので、これから三人でトップとして力を合わせてサークルを引っ張っていけたらいいなと思っています。

ボランティア活動に興味がある後輩へ

——ボランティア活動は、必ず自分自身の成長につながると思います。もしボランティア活動をしたいけど何をしたらいいか分からない、という人がいたら絶対入って損はないと思います。部員が絶対参加という訳ではなくて、自分がやりたいと思ったボランティア活動をしてほしいと思っているので、兼部もしやすいです。
魅力がたくさんあるサークルです!
上下関係なく、みんなで協力してボランティア活動を楽しめるサークルにしたいと思っているので、是非入部してみてください!


地域災害ボランティアサークル

『“今”より“将来”に活きる経験を』(ボランティア活動)

社会福祉学部 子ども福祉メジャー 2019年度卒業 稲垣美鈴さん
活動内容:ボランティア活動、子ども福祉メジャーでの活動等

ボランティア活動をはじめたきっかけは何ですか。

――最初の頃は、ボランティア活動よりアルバイトをしたいという思いを持っていました。でも、2年生の夏に学童のボランティアに行った時、自分の中で授業と日常生活が近くなったことを実感しました。学童だと学童の子どもとしか関われないので、色んなボランティア活動に参加したいと思うようになりました。色んな人と関わると、授業のことも分かるし、子どもによって対応も違うし、施設や保育所などの場所によっても違うということが分かってから、積極的にボランティア活動に参加しています。

最近では、どんなボランティア活動をしましたか。

――母子生活支援施設の七夕会のボランティアに参加しました。そこは、3年生の施設実習で行かせてもらった施設です。卒業研究は子育てをしている子連れシングルのお母さんについて書きたいと思っているので、施設の方とはずっと交流を持っていました。施設で行われる七夕会にいつもお話会で来ている方が来られないということで、今回私に声をかけていただきました。私の他に、子ども福祉メジャーの友達と、実習に行く予定の3年生と一緒に七夕会に参加しました。七夕会では、ペープサートの劇をしたり、手遊びをしたり、巨大絵本の読み聞かせをしました。老人会の方も参加していて、2、30人ぐらい集まっていました。
実習の時は、時期が8月だったので、施設に来るのは夏休み期間の小学生が多く、あまり保護者の方や保育園に通っている小さな子どもたちと関わる時間はありませんでした。でも、お話会の時に、子どもたちが実習から一年ぶりなのに覚えていてくれたことがすごく嬉しかったですし、実習では関われなかったお母さんや小学生以外の子どもたちとも関わることもできて、しっかり話をすることができました。

ボランティア活動を始めて、自分が成長したなと感じるのはどんなところですか。

――大学に入った理由は、いろんなことを経験して、心の視野を広げたかったからです。それは実現できているかなと感じます。ひとつの方法でも、「うん」という子と「したくない」という子がいた時に、「じゃあ、こっちは?」と具体的な案が出せるようになりました。人と話すのは好きな方ですけど、人前で話すことは苦手でした。でもボランティアだと、大学の方お願いします、と前に立つ機会が多くあったので、少しずつ人前でも話せるようになってきたかなと思います。
関わった人数だけ、自分の考え方や行動の選択肢が広がったので、ボランティア活動は本当にしていてよかったと思います。

子ども福祉メジャーでの活動で印象に残っているイベントは何ですか。


――それぞれのイベントごとに思うことが色々あるので、一つに絞るのはなかなか難しいんですが、「こどもひろば」ですかね。去年の「こどもひろば」は、一年お休みしての開催だったので、先輩たちに聞くということができませんでした。私たちも1年生の時に参加はしているんですが、参加している人数が少なく、具体的な想像ができないまま手探りで始めたので、すごく思い入れは大きいです。先生や同級生とも衝突が何度もありつつ、日程が近づく中で余裕がなくなっていた時もあったんですけど、なんとかお互いに相談しながら本番に近づけていきました。私は、どこのグループにも入っていなくて、お土産を作っていました。そのお土産は私から見て「まあまあ面白いかな?」ぐらいで、実際はどうなんだろうか、と気になっていました。そんな時、善通寺のボランティア先に持っていくと、すごく喜んでもらえました。いくら子ども目線で考えてみても、子どもと同い年ではないので、やっぱり直接子どもに聞いたりするのが一番だなと思いました。
また、こどもひろばの準備の中で、私自身がグループ内で密に制作に関わっている訳ではない分、それぞれのグループの様子を見たり、話を聞いたりするようにということは気にしていました。
同じ学年の子たちは、いろんな個性を持っていて、すごく優しい子たちばかりなので、この学年だからこそ「こどもひろば」が成功したのだと思いました。

子ども福祉メジャーでの学びや経験がボランティア活動にどんな時に活かされていると感じますか。

――ボランティアは、はじまったらすぐに本番で、それまでに準備していたとしても活動中にトラブルが起きることがあります。たとえば本が落ちてしまった時や、子どもたちが元気過ぎた時など、そこで起きたトラブルに対処する力は少しずつついてきたと思います。イベント事で、終わりました、となった後でも子どもたちがまだ目を輝かせていても、最初の頃は「もう終わりだよ」と言って終わらせていたんですが、経験を重ねていくうちに、手遊びやクイズなど、ちょっとした子どもとのやりとりがすぐに出てくるようになりました。それは、子ども福祉メジャーで学び、経験したことが大きいかなと思います。
また、年の離れた子どもと関わることに、はじめはすごく緊張していたんですけど、様々な経験を通して少しずつ慣れてきたと思います。普段から「駄目」とか「危ない」という言葉を使わないように意識していたのですが、部分実習の発表時、失敗もあったんですけど、とっさに出てくる言葉として「こっちにしてみようか」とか、元気な子に「静かに」と言うのではなく「元気だね」という言葉がすぐに出てきていたよ、と友人に言ってもらえたので、とっさの行動や言葉は経験を積んで変わってきました。

子どもたちと関わる上で気をつけていることはありますか。

――言葉遣いはもちろんなんですけど、大山先生の下で学んでいる影響か、「男の子だから」「女の子だから」とか「Aちゃんはこうだから」という考え方があまり好きではありません。だから、子どもたちを一人ひとりの個人としてみるように気をつけています。それに、あまり子どもに制限はしたくないと思っていて、子どもたちのしたいようにさせてあげたいし、それが危なかったら「こうしてみる?」とやり方を変えてみたりしています。遊びでも、子どもに「これして」「あれして」というのは、子どもも楽しくないと思うので、そういう言い方はしないようにも気をつけています。
また、ボランティアで小学2年生生の子に対して他の子たちと同じように接していたら、「子ども扱いしないで!」と言われたことがありました。それから、あまり子ども扱いしすぎず、年代に合わせて個人を尊重して関わっていけたらいいなと思って関わっています。

ボランティア活動で学んだことをどのように将来に活かしていきたいですか。

――子どもの数だけ個性はあると思うんですが、様々な活動を通して色んな子どもたちを見てきたことは、関わる子どもを見る1つの手段やヒントとして考えられると思います。子どももそうなんですけど、施設の方や保護者の方と話す機会がボランティアでは多かったので、大人とも関わることができました。子ども大人関わらず、人との関わりをボランティアでは学べるものがありました。今よりも将来の方が人と関わることは多いと思うので、この経験が役に立つと思います。一人ひとりと向き合って、ちゃんと関わりたいと思っています。子どもも大人もそれぞれに悩みがあると思うので、話をしたり、人と関わったり、コミュニケーションをとることで「明日も頑張ろう」と思ってもらえたり、少しでも前向きになってもらえたらいいなと思います。
それに、先生には「勉強もいいけど、現場も見てきて」と言われていました。ボランティアで現場を見たことで、人との関わり方や失敗した時の対応など、学べたことは大きいと思うので、それをそのまま将来にも活かしていきたいです。
就職しても、ボランティアに参加できるなら参加したいと思っています。やっぱりそこだけしか見えないのはもったいないし、色んなものを見たいし、学びたいと思うからです。

ボランティア活動に興味がある後輩へ、何かアドバイスやメッセージがあればお願いします。


――私が実際に施設の方から、「どれだけ勉強してどれだけ知識を頭に入れていても、経験がなかったらさっとは動けないし、勉強は基本的なことは学べるけど、応用的なことは経験からしか学べない。様々な場所や色々な人と関わることでしか学ぶことができないことがあるから、勉強も大事だけど、ボランティアなどの経験をたくさんしてきてね」ということを言われたことがあります。この言葉が、ずっと私の心に残っています。やっぱり教科書やビデオから理解するのは限度があるので、今の子どもの姿を直に感じたり、失敗した時や成功しそうな時の現場の雰囲気とか、現場でみんなの前に立たないと分からないことがたくさんあったので、現場でそれを見て、感じて欲しいと思います。失敗しても他にフォローしてくれる人もいるし、失敗して自分で立ち直る経験も必要だと思うので、怖がらずにボランティアに参加して欲しいです。
今だけを考えると、バイトをしていた方が良いと思うかもしれないんですが、後から思い返した時に後悔すると思います。私も一年生の時は、年々忙しくなる、と先生や先輩に言われていても、今が忙しいから、と参加していなかったんですが、もっと早くから色んな経験をしておけば分かることもあっただろうし、ボランティアを通じて人とつながれることがすごくたくさんあったので、もっとしておけばよかったと今になって後悔しています。
だから、興味があるなら、怖がらず、とりあえずボランティアに参加してください!


子ども福祉メジャー
こどもひろば2019「むしのせかい」

『子どもに合わせて工夫すること』(ボランティア活動)

社会福祉学部 子ども福祉メジャー 2019年度卒業 石川史織さん
活動内容:ボランティア活動、子ども福祉メジャーのイベント等

ボランティア活動はいつ頃から始めましたか。

――ボランティア自体は、実習がきっかけで2年生の時から始めました。子どもと関わる仕事がしたい、という思いから子ども福祉メジャーに入ったんですけど、なかなか子どもと関わる機会がありませんでした。実習も時期が決まっていたので、それまでに経験を積んでおきたいと思い、ボランティア活動に興味を持ちました。2年生の時に所属していたキャンプリーダー会トムソーヤ(サークル)に案内があった小学校の夕涼み会のボランティアが最初です。そこで知り会った方に紹介してもらった託児のボランティアに参加するなど、徐々に活動が広がっていったと思います。また、学部にボランティア募集などの張り紙があったり、先生のところに来た案内を見たりして、子ども福祉メジャーの仲良い子たちと一緒に応募して参加したりもしています。

最近では、どんなボランティアに参加しましたか。

――善通寺市が行っている子どもカフェのボランティアに行きました。その関係で、「子夢の家」で行っている子どもカフェにも参加しました。授業で子ども食堂のことについて聞いてはいたんですが、その中身については予想もつかなかったので、実際に経験しておきたいなと思ったからです。
子どもカフェでのボランティアは、子どもたちと遊ぶことがメインです。一緒に食事をして、食事が終わった子達と一緒に遊ぶ、という感じです。最初は絵本を持っていって読んだりしていたんですけど、それよりも一緒に遊ぶ方が楽しんでくれていたので、次からは絵本は一応持って行くようにして、基本的には子どもたちのやりたいように一緒に遊びながら関係づくりをしていました。
実際に参加してみて、すごく楽しかったです。けっこう人数も多くて、需要のある活動なんだなと感じました。

ボランティア活動の際、授業での学びは活かされていますか。

――授業は基礎知識になるので、頭に入っていたことは役に立っていると思います。聞いて学ぶより実践で学ぶ方が身につく、とは思うのですが、学んだことと照らし合わせるのが大切だなと感じます。授業で学んだ、○歳児がこんな発達で~、というのを実際に見て、「本当だ!」と実践でさらに学ぶことができます。

ボランティア活動以外にも、子どもと関わる活動はしていますか。

――2年生の時から、善通寺市の預かり保育のアルバイトをしています。預かり保育では、子どもと遊んだり、小学生の子には宿題で分からないところを教えたりしています。3年続けていると、そこで見た子どもの姿や子どもの気持ちの変化を側で見ることができて、自分の経験として力になっていると思います。
幼稚園の頃に出会った子が今は小学生になっていたりするので、成長を間近で感じられるのも面白いし、すごく楽しいです。

子どもと関わる時に気をつけていることは何ですか。

――勉強していく中で、子どもたちのことを否定しないように、否定的な言葉かけをしないように、ということは常に意識するようになりました。意識はしていても、とっさに「駄目」とか「それはやめて」とか否定的な言葉が出てくる時もあったんですけど、今は「~したかったね」「でも今はこれをする時間だよ」と言葉を置き換えるようにしています。子どもたちは自由なので、言うことをきいてくれる子もいれば、また言ってると思うだけの子もいて、時と場合によって響く時と響かない時があります。それでも、私は繰り返し言うことが大事だと思っていて、何回も言うことによって、最終的に危険なことをしなくなればいいなと思っています。まだ全然うまくはできないんですが、ちょっとずつでもうまくできるようになりたいです。

ボランティア活動などをやっていてよかったなと思うのはどんな時ですか。

――子どもたちができなかったことができるようになったり、「あれ?」という変化を見つけた時はすごく嬉しいです。ありきたりかもしれないんですが、実習やボランティア活動などで、知らない大人が来た、という状況の中で、次に会ったときに子どもたちが覚えていてくれたときは、やっていてよかったなと思います。また一緒に遊んでいて、「またね!」と言われた時もすごく嬉しいです。

ボランティア活動などを通して、自分が成長できたなと思うところはありますか。

――色んな年齢の子どもたちと関わることができたので、4年生になってからの実習では「○歳児」と聞いて、ここまでなら子どもが理解してくれるなとか、話し方とかは、その年齢の子どもたちに合わせてすぐに対応できるようになったと思います。
2年生の最初の実習では、子どもと関わることよりも、良い成績を残したい、自分の考えてきた指導計画をやる、ということばかり考えていたんですけど、4年生になってからは子どもの姿を見て、自分が考えてきたことと違うなと感じた時は、子どもの姿に合わせて臨機応変に保育ができるようになりました。それは、ボランティア活動や預かり保育のアルバイトの経験があったからこそ、自分が成長できたところだと思います。

子ども福祉メジャーでも様々な活動をしていると思いますが、一番印象に残っているものは何ですか。

――やっぱり、「こどもひろば」です。準備期間がすごく長くて、それが一日の数時間で終わってしまうんですけど、その中でやりくりしたり、みんなで協力して大きなイベントを開催するというのはなかなか経験できることではないと思うので、経験できてよかったです。それに、一緒にいる時間が長いので、学年の仲がすごく良いです。意図的に集まろうという連絡をしなくても、お互いが危機感を持っていて、自然と集まれるので、良い学年に入れたなと思います。この学年でよかったなというのは、4年生全員が思っています。みんなとできたことも、良い経験だったなと思います。この学年だったから、こどもひろばができたと思っています。

3年生の時と4年生の時、それぞれどのように「こどもひろば」に関わっていましたか。

――「こどもひろば」のメインは、3年生が担当します。私が3年生の時は、「もりのくに」をテーマに開催しました。私は、大山先生の迷路班で班長のような立場で準備をしていました。車椅子が通れるように、車椅子の方も楽しめる高さで、子どもも楽しめる高さで、という工夫や、部屋の中に決まった大きさの段ボールを並べていかに迷路にするか、ということを考えて作っていました。部屋もそんなに広くないし、段ボールも小さくないので、難しすぎず、簡単すぎず、ということを考えるのは大変でした。迷路の行き止まりも楽しめるような工夫が必要です。カラーセロハンでつくった光るきのこを作ったり、ゴール手前に屋久島のウィルソン株をイメージした大きな切り株を作って、その中に入って見上げるとハートになっていて猿がいたり、と様々な工夫をしました。大きい子も楽しめて、小さい子も楽しめるように考えるのは難しかったです。
4年生になって、メインの担当は後輩たちになりました。私たちの時は、一年こどもひろばをお休みしていた期間があったので、実際にやった先輩たちがいない中での開催でした。でも、今年は実際にやったことのある先輩がいる環境で、私たちももっと頑張りたいという思いがあったので、メインを担当する3年生に「これどうしたらいいですか?」と聞かれた時は必ず一緒に考えるようにしていました。最終的にできたものを見て、「ここ危険じゃないかな?」ということも4年生で確認したりしていました。せっかく伝えられる立場だし、記録もあまり残せていなかったので、口頭で伝えられる部分はしっかり伝えたいと思って参加していました。

これまでの経験を、どのように将来に活かしていきたいですか。

――子どもとの関わりに関しては、アルバイトや実習、ボランティア活動での経験になると思うんですが、製作に関しては、子どもが安全に遊べるものを作るために、こうあればいいとか、ここをこうした方が良い、という学部の活動で学んだことが活かせると思います。あとは、予算が決まっているので、その中でやりくりしながらより良いものを作る、ということはすごく勉強になったと思います。

子ども福祉やボランティア活動に興味がある後輩へ、何かアドバイスやメッセージがあればお願いします。


――まずは、楽しむことが大事だと思います。辛くて、「やらなければいけない」という中でするよりも、自分がやりたいことを見つけて、やっていく方が楽しみながらできるかなと思います。あとは、けっこう大変なメジャーなんですけど、自分の力になっていることがすごく実感できますし、保育の勉強では専門の先生も豊富なので、それも含めてこの大学の子ども福祉メジャーでよかったなとすごく思います。ボランティアは色んなものがあるので、積極的に何かをすれば、そこから芋づる式に色んなボランティアが出てきたり、就職活動にもつながるので、先輩や先生から紹介されるものについては積極的に参加していった方が良いと思います。


子ども福祉メジャー
こどもひろば2019「むしのせかい」

『地域での観光を考える』(地域活動)

社会学部 観光学メジャー 2017年度卒業 木内芽衣香さん
場所:綾川町、琴平町
活動内容:地域観光に関わる活動、ボランティア

綾川町シティプロモーションのためのワークショップでは、どのようなことをしましたか。

――話し合いは2回あって、1回2時間程度でした。事前に資料をもらって、「今回はこういったやり方で話し合いをするので、これで話し合いしてください」と言われました。参加者としては18~30人ぐらいで、一つの机に5人程度のグループでの話し合いでした。1回目の話し合いの時には、「綾川町を発展させるのに、今自分がほしいものって何?」というテーマで、グループのみんなで綾川町のいいところや綾川町にほしいことを集めて、机に貼った紙に書き込んでいきました。1回目の話し合いで出た意見は、役場の方が集約してくれて、次回の話し合いの時に「前回の意見をまとめた参考資料」として、それをもとに次は「綾川町で笑顔になれるイベントは何かないか」というテーマで行いました。その場で意見を出す事が多かったです。綾川町のいいところとして実際に出てきたのは、高松や丸亀にも車で40分でいける交通の便がいいところ、綾川町の山方面では田んぼなど自然がたくさんあって農業ができて、町の方へいけばイオンもあるし、住みやすい町なのではないか、などの意見が出ていました。綾川町の土地で、空いているところがあるので、そこに何があればいいかという話もありました。公園は欲しいけど不審者問題をどうにかしてほしい、というのとサイクリングなどのアウトドアを増やしてほしいという意見がありました。いいところだけではなく、悪いところについても意見がありました。元々田んぼが多いので、食物に影響を与えないために外灯が少ないんです。綾川イオンがあるので明るいと思われているんですけど、イオンの裏は外灯がひとつもなくて真っ暗になります。また、綾川イオンができたことで交通量が増えて人身事故も増えているので、歩道橋を作って欲しいという意見もありました。役場の方は、住みたいと思っている方を全面的にサポートしたいという思いがあるようでした。

木内さん自身は、どのような意見を出しましたか。

――私は、2回目の話し合いの時、1回目の時に同じグループだった役場で働いていた元観光課の方が、せっかく四国学院大学と綾川町が提携を結んでいるのだから、もっと学生を利用したいと言っていたので、2回目の話し合いの時に「学生と協力できるイベントを立ち上げたい」という意見を出しました。綾川町には農業高校があって色々と物を作っているという話を聞いたことがあったので、四国学院大学の学生や農業高校の学生を利用した、農業に関するイベントをしてもいいのではないかと思いました。
綾川町に道の駅があるんですけど、売っているものは農協と変わらない野菜メインで、トラックの運転手の方の休憩場所として使われているだけでほぼ人が来ていません。土地がもったいないので、道の駅をリノベーションして、建物をきれいにして人が集まれる場所を作ればいいのでは、という意見を出しました。道の駅を利用して、子どもが遊べる場所と親が見守れる場所が作れれば、住んでいる人が笑顔になれる町になるのではないかと思いました。綾川町はうどんを発祥した最初の土地だということを売りにしていて、うどんの建物があるんですけど、全然人が来なくて活用されていないので、そこで学生に何かしてもらえたらいいなと役場の方に言われました。野菜や米粉などを売っているので、販売促進のためにも、建物を利用してカフェなどを併設してはどうかと提案しました。カフェだと若者も、住んでいる人も集まって話ができるし、地元の新鮮な野菜も買えるので、けっこう利用できるかなと思いました。

新しい発見や学びはありましたか。

――衝撃を受けたのは、1回目の話し合い時の実際に住んでいる方の意見でした。私は、観光学を専攻しているので、「観光をメインで発展させるにはどうしたらよいか」をずっと考えていました。でも、子どもがいる奥さんの「綾川町には子どもが遊べる場所がない」という意見を聞いて、そういう場所も必要なんだと考えるようになりました。外から人を呼ぶ観光だけではなくて、住んでいる人が住みやすい場所にすることも必要だと感じました。この意見でグループ内では話をしていたので、住んでいる人が笑顔だったら、外の人も絶対に来るはずだから、住んでいる人が住みやすい町にすればいいのではないかという結論になりました。

琴平町での金比羅ボランティアはどうでしたか。

――授業で行う琴平の金比羅ボランティアでは、歌舞伎公演に屋外のスタッフとして関わります。毎年、松竹の方々が、歴史のある歌舞伎座で2週間歌舞伎公演を行います。去年は片岡愛之助さんが来ていました。観光地のスタッフの経験や、お客さんと接することでコミュニケーション能力が向上し、接客のスキルも身につけられます。それに、2週間で2単位もらえるのも大きいです。でも、単位を抜きにしても、すごくいい経験になりました。去年から参加したんですけど、歌舞伎については何も知らなかったのでたくさん勉強しました。お客さんからストーリーについてよく聞かれるので、話ができるように勉強をしているうちに歌舞伎の面白さに興味を持ちました。屋外でのボランティアなので歌舞伎自体を観ることはできないんですけど、お客さんが出た後の清掃をして解散した時に、役場の方の案内で歌舞伎座内の珍しいところまで行くことができました。その時、歌舞伎座の内部を研究している方が丁度その場にいたので、歌舞伎座についての説明を受けることができました。歌舞伎座の天井は竹でできているんですけど、そこを歩かせてもらったり、愛之助さんの楽屋前まで行かせてもらったりもして、けっこう面白かったです。観光課の方ならではの話もたくさん聞けて楽しかったです。

琴平町でのワークショップにも参加したということですが、綾川町との違いはどういうところで感じましたか。

――琴平町での話し合いに参加した時は、綾川町とはまたやり方が違っていて、すごく勉強になりました。琴平町の時は、みんなが円になって座り、「こういうイベントがやりたい」という意見をそれぞれ紙に書いて、他の人に伝えます。意見を聞いた他の人は、興味のある人のところにいき、話を聞く、というやり方でした。歌舞伎役者さんの手形をいただいて飾る、余った土地を公園にする、金比羅街道を購入した会社から、どういったものを建てるか、などの意見があげられました。こちらでも最近の若者事情について聞かれて、若者はフェイスブックやインスタグラムなどSNSでの写真映えなどを重視することを話しました。大人はお土産が第一優先になるとのことで、そこが盲点となっているようでした。琴平町はボランティアで参加していることもあって繋がりがあるため、より積極的に話し合いに参加しました。琴平町は観光をメインに話し合いをしていたので、観光学の授業と通じるものがありました。授業で学んだことを踏まえて、産地の野菜を活用したり、お土産よりも食べ物を用意した方がお客さんは来るのではないか、という話をしました。琴平町には歌舞伎座もあり、松竹の方もよく来られるため、外から人を呼ぶ素材があって、それをフルに利用しようという考えがありましたが、綾川町にはそれがなかったので、話し合いの内容が全く違いました。場所によってこんなにも違いがあるのか、と感じました。
 綾川町と琴平町では会議のやり方が全然違っていたので戸惑いもあったんですけど、新しい考えを知ることができて、どちらも楽しかったです。

地域での活動に参加して、何か変化はありましたか。

――観光学メジャーでずっと先生から言われていたのは、「外から人を呼べるようなものを作りなさい」ということでした。琴平町の歌舞伎のボランティアの際は、金比羅が観光地のため、外からという意識が強かったです。そのため、綾川町の「内側からの意識」は新しい考え方で衝撃を受けました。今までは、外からだと意識していて「中から変えていく」という発想がなかったので、新しい発想に触れて視野が広がりました。実際に参加してみないと気づけないことが多くありました。話し合いに参加して感じたのは、みんないろんな考え方があって、綾川町を発展させるための意見一つにしても、仕事柄や、住んでいる方の考え方だけでも違い、観光学だけじゃないなと感じました。色んな意見が聞けて、楽しかったです。学生でこんな経験はなかなかできないと思うので、参加できてよかったです。

今回の地域活動の経験を通して、もし四国学院大学をPRするとしたら、どういう点を宣伝しますか。

――施設でいえば、広い芝生です。4年間ずっといて思ったのは、メジャー制度なので学部学科関係なく仲良くなれるところです。色んな人と仲良くなれて、学部学科の壁が存在しないので、そこはけっこう嬉しいです。他大学の友達に聞いたら、学部によって人との関わりも隔離されてしまう部分があるようなので、それだったら四国学院大学の方が自由で広々としていてのんびりできるかなと思います。観光学メジャーとして推したいのは、金比羅ボランティアができることです!

これからの将来にどう活かしていきたいですか。

――もし公務員になって観光課で働くとか、旅行会社で働く、となれば、私はすでに地域の方の意見を知っているので、発信していけると思います。今は幅広く就職活動をしているんですが、観光が関係ない職種でも、観光に関わりたいという気持ちがあります。将来的に、自分も観光とは言わずに何かできることはないかなと考えています。もし香川に就職したとしたら、歌舞伎のボランティアは続けていきたいと思っています。

地域での活動やボランティアに興味がある後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。

木内芽衣香さん
――参加できる機会があれば、じゃんじゃんやるべきだと思います。私も、好奇心から全部やってきたんですけど、やって後悔したことはありません。それに、やったことで身になることもありますし、アルバイトとかでは経験できない、お客さんとの関わりやコミュニケーションが身につきました。観光学としてボランティアに行くので、観光としてこれはどういうことなんだろうと自分から考えるようになりますし、身近にスタッフさんがいるので話を聞かせてもらって、すぐに学ぶことができます。絶対経験すべきだと思います。それぞれの場所によってやり方や考え方は違っているので、地域で実際の現場を見ることで授業で学んだ知識だけに偏らずに広い視野を持つことができます。チャレンジが大事ですよ!

『つながる出会い、広がる視野』(地域活動)

社会福祉学部 子ども福祉メジャー 2018年度卒業 藤澤汰一くん
期間:2017年5月13日・14日
場所:金蔵寺
活動内容:金蔵寺こどもまつり他

金蔵寺こどもまつりとはどういうものですか。

――金蔵寺まつりは金蔵寺で1年に1回開催されていて、2日間行われます。高校生のスライム作りがあったり、吹奏楽部の演奏があったり、香川短期大学の学生がダンスをしたりして、他にも色々な出店やイベントがありました。僕たち子ども福祉メジャーは、2年生と3年生合わせて15、6人くらいと先生で参加しました。

事前準備は何をしましたか。

――今年の出し物は、ペットボトルの迷路でした。子どもたちがゴールしたら景品を渡す予定で、景品は2年生が授業で作っていました。前日に先生から説明を受けて、当日は3年生が中心となって進めていきました。ペットボトルはこども広場で使っていたものを再利用して、当日朝8時くらいから準備をしました。迷路の範囲はビニールシート1つ分くらいで、それに恐竜の絵を描いたり、水を入れたペットボトルを設置して迷路の道を作っていきました。

金蔵寺こどもまつりで、子どもたちはどんな様子でしたか。


――子どもたちは親子で来ていて、色んなところを回っていました。僕たちの迷路にもめっちゃ来てくれました。何回も繰り返し来てくれる子もいて、100人くらいは来てくれたんじゃないかと思います。2歳くらいから小学校高学年の子どもたちまで、幅広く遊びに来てくれました。ゴールした子には、景品を渡していました。景品は、乾くと木のようになる粘土で作った人形のようなもので、色づけしてストラップにしていました。とても喜んでくれていて、1人で5~6個持っている子もいました。1回じゃんけんで勝って達成して景品を貰える、ということが子どもたちにとって嬉しかったみたいです。自分の子どもの頃もこんな感じだったな、と振り返る機会にもなりました。
迷路の他にも、小さいですけどおもちゃで遊ぶスペースも作っていて、子どもたちと一緒に遊びました。子どもと関わることが好きなので、とても楽しかったです。

何か工夫したことはありますか。


――当日、自分たちで迷路の確認をしていた時に、大きい子たちには簡単すぎるかもしれないということが分かりました。だから、大きい子どもたちの時には僕らが数名間に入ってじゃんけんをして、勝ったら通れるように工夫しました。じゃんけんをして負けたらやり直し、とかそういうのが楽しかったみたいで、大きい子たちはけっこう本気でじゃんけんをしていました。じゃんけんは大きい子だけだったんですけど、大きい子の後ろに並んでいる小さい子も僕たちとじゃんけんをしていました。たぶんじゃんけんもよく分かっていなかったので、僕が勝ったのに先に進んでいたりして、すごく可愛かったです。
また、子どもの動きは予想ができないので、本当に臨機応変に対応していかないといけません。迷路の一部も、実際に見てみて「ここ要るか?」と話し合ってなくしたりもしました。

大学での経験は活かせましたか。

――前日までに聞いていた流れや考えていたことで完璧だなと思っていても、当日になると「これは危ない」と感じるものがありました。たとえば、迷路の幅で外側を小さくしてしまうと、子どもたちがぶつかった時にすぐに倒れてしまって危ないので、外側を大きくしたり、特に角には気をつけました。また、ダンボールにガムテープを巻くことで吸収性を上げたり、固いものはやわらかい素材に変えたりしました。僕ら大人の目線で歩いて大丈夫だろうと思っていたものが、子どもの目線で歩いてみることで危ないなと感じるようになったのは、こども広場での経験から学んだことだと思います。

金蔵寺こどもまつりで、新しい発見や学びはありましたか。

――実習で保育所に行くんですけど、親がいない状態の保育所とはまた違っていました。保育所だと先生にある程度慣れているんですけど、やっぱり一緒にいたらどうしてもお母さんから離れなかったりするので、難しさは感じました。でも、そういう時は「お母さんも一緒にどうぞ」と声をかけて二人で歩いてもらって、景品を渡しました。

他に、子ども福祉メジャーとして外部での活動をしたことはありますか。

――近隣の図書館や施設などに絵本の読み聞かせをしに行ったことがあります。絵本何冊かとペープスアートを持って行きました。布を貼ったりはがしたりすることで話を進めていって、楽しんでもらいます。ペープスアートを作るのは大変なんですけど、歴代の先輩方が作ったものにアレンジを加えたりしながら作成しています。12月と2月に行った時は、「長い長い蛇の話」という絵本でペープスアートを作りました。頭と会った時は子どもなのに、しっぽと会った時はおじいちゃんになっている、本当に長い長い蛇の話でした。最後は蛇を子どもたちの上に上げて触ってもらって、絵本にはない触れられる楽しさというのがあって、子どもたちの反応はすごくよかったです。やっている方も楽しかったです。

活動を通して、自分の中で変化はありましたか。

――最初は、絵本を読むことにめちゃくちゃ抵抗がありました。2年生の時は絵本って難しいなと思っていたんですけど、毎回先生の前で絵本を読む課題があったり、図書館での読み聞かせの経験などもあって、実習先でいきなり絵本を読んでと言われてもすぐに読めるようになりました。やっていてよかったなと思います。子どもと絵本を読んでいると、また違った印象を受けます。その子の感情や反応をみて、こんな内容だったんだとか、こんなあったかい話だったんだ、という発見がありました。それに、以前はただ絵本を見て楽しいだけだったんですけど、今は内容とか顔の表情や風景、色の使い方とかもみるようになりました。自分で絵本を読むのが楽しいな、と感じるようになったことが一番大きいです。

大学での活動が実習等で活かせているな、と感じるのはどんなことですか。

――自分でぱっと考えて動いたり、何かあったら先生に聞いたりすることが現場実習でも役に立っています。子どもとの関わりは、実践でしか分からないこともありますけど、勉強しているからこそ実際に体験して分かることがあるので、そういうことは本当に大切だなと思います。

活動をしていてよかったことは何ですか。


――僕は、学外でもけっこう活動をしています。僕はピア・リーダーをしているんですけど、学内の活動だけじゃ物足りなくなって、学外で活動をしている人に話を聞いて参加するようになりました。活動に参加している人はフットワークが軽い人が多いので、色々なことを教えてもらえます。そこで出会った人に教えてもらった活動に参加して、そこでの出会いがまた次の活動につながっていきます。この1年は本当に休みがないぐらい、イベントに参加しています。
最近は、4泊5日の香川県の「わくわくキャンプ」に参加したり、高松市の「ココカラ★ハウス」という団体の活動に参加したりしています。「ココカラ★ハウス」では、障害者や子どもとか関係なく一軒家でみんなが集まって色々な企画を考えていて、僕はそこで子どもたちと関わっています。子どもたちの対象年齢は決まっていなくて、誰が来てもいいようになっています。イベントでは、小学生が自分たちで地域の新聞記事を書いたり、名刺を作って名刺交換をしたりしています。あとは、大学生や社会人が集まって色々話をしたりしています。この団体を知った最初のきっかけが、HOPEという愛媛県にある団体に参加したことです。そこでは、大学生が2泊3日の合宿を半年間かけて作ります。自分たちで広報をして、施設に連絡して、企画も作って、2泊3日色んなところの大学生を呼んで合宿をします。この合宿がきっかけで色んな人とつながって、他の大学生と話すことで、いっきに視野が広がりました。

様々な活動を通して、学んだことは何ですか。

――やっぱり、自分から動くことですね。そこで周りから評価してくれることを自分ができること、強みとして意識していたら、周りから「変わったね」と言われるようになりました。行動力がついたかな、と思います。だから、もっと四国学院大学にもそういう活動が増えていったらいいと思います。でも、大学となると他の団体の関係とかで流せない情報もあるかな、とも思うので、僕たちが口コミで色んな活動について広めるのが一番だと思います。HOPEという団体に関しては、最初は知っている人は少なかったんですけど、僕がもう一人スタッフとしてピアの子を誘ったことで、今は10人くらい活動に参加しています。自分が大学外でもできることを増やしたら面白いと思うので、他のキャンプとかも誘ったり、その人に合ったイベントを紹介したりしています。

これからの将来にどう活かしていきたいですか。

――入学した時は、保育士になろうと思っていたんですけど、今はNPO法人にも興味があります。将来は、保育士としてではなくても、子どもと関わっていきたいと思っています。専門学校だと保育のことだけで、技術を詰め込むようなかたちになると思います。でも、四国学院大学は、社会福祉概論や心理、カウンセリング、親についてなど、福祉の面から保育する、ということを教えてくれるので、かなり視野が広がりました。大学で学んでいることは、社会に出てからも役に立つと思います。それに、子どもと関わること以外でも、問題点が見えてきたりするので、問題を解決していくNPO法人での活動にも役に立つかなと思います。

学外での活動に興味がある後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。


――4年間の自由な時間をもっと有効に、自分の楽しいことに注いでほしいなと思います。きっと知らないだけで、いろんなことがあると思います。調べて自分で行く勇気がなかったらやっている人に聞いてみたらいいですし、僕は1年生の後半にやりはじめても「もっと早くやってればよかった」と思ったので、1年生の時からやってみたいことはやってほしいなと思います。そこからびっくりするぐらいどんどん広がっていくので、是非チャレンジしてみてください!


 

金蔵寺こどもまつり
*地域の家「ココカラ★ハウス」
*わくわく交流体験キャンプ
目的:自然と触れ合う機会が少ない小中学生が、郷土の豊かな自然の中で、集団キャンプ生活を営み、自然体験をはじめ、同世代、異世代、地元等との交流を通じて、心の豊かさや、生きる力を培い、香川の次代を担うリーダーを育成すること。
主催:香川県、公益財団法人明治百年記念香川県青少年基金
特別協賛:公益財団法人松平公益会
後援:香川県教育委員会、日本ボーイスカウト香川連盟、青少年育成香川県民会議
NPO法人 四国青年NGO HOPE

『成長を求めて』(海外ボランティア)

文学部 文学メジャー 2017年度卒業 本久夕生くん
活動内容:フィリピン語学学校、学校建設のボランティア
場所:フィリピン、カンボジア

フィリピンの語学学校へ行こうと決めたきっかけは何ですか。

――僕はピア・リーダーをしていて、今はピア・リーダーの委員長をしています。2年前に清水先生のクラスターについていた時に、清水先生に「外国事情でフィリピンに行かないか?」と何度も言われていたんですけど、当時は全然興味がなかったので、ずっと断っていました。でも、自分のクラスターに車椅子の学生がいて、その子が行くから来てくれないかと言われて行ったのが始まりでした。フィリピンに行って、正直すごく異文化の中で知らないことばかりで刺激をたくさん受けました。でも英語を話せないという悔しさもあって、また行きたいなと思うようになりました。自分の性格上、また行きたいと思っても日が経つと行かなくなってしまうので早めに予約しようと思って、その後すぐにスピードラーニングを始めました。去年、金関課長にセブでも有名なQQEnglishという学校があることを聞いて、自分で新しい友達も作りたいし行こうと思ったのがきっかけです。そこから東南アジアが好きになって、今年の春もカンボジアに行ってきました。

初めて行った「外国事情(フィリピン)」では、どんな刺激がありましたか。

――初めての海外だったので、英語を話す生活をしているというのもそうですし、食べ物も全然違っていたり、ストリートチルドレンがいたり、日本では蛇口をひねると簡単にお湯が出てきたのにフィリピンでは出てこなかったり、すべてが僕にとっての当たり前が当たり前ではなかったということに衝撃を受けました。それで、もっと知りたいと思うようになりました。日本にいることも有り難いけど他の国を知ることも必要だなと思って、かなり視野が広がりました。8日間くらいの滞在だったので、あっという間に過ぎていました。それで、日本に帰ってきてすぐに英語の勉強を始めました。

フィリピンへ語学留学に行ってみてどうでしたか。


――僕が行ったのは、QQEnglishセブ島留学です。規模が大きくて、学校はセブのITフロント校と海沿いにあるシーフロント校の二つに分かれていました。セブでは有名で、最初にできた語学学校だと思います。8月末から9月末までの夏休みの期間を利用して、1ヶ月間行きました。友達もたくさんできました。四国から行っていた人が少なくて、みんな関西や関東の頭のいいところばっかりで、最初は入りずらかったんですけど、気がついたらみんな仲良くなっていました。学校には寮があって、僕は台湾人2人とブラジル人と一緒でした。一人部屋もあったんですけど、これも勉強だなと思って一緒に生活をしていました。留学していたのは日本人が一番多くて、その次に台湾人だったんですけど、ルームメイトに台湾人がいたということもあって、台湾人の男性はすごく優しいなと感じました。
すごく有意義な1ヶ月だったと思います。

具体的に授業はどんな内容でしたか。

――1コマ50分の6時間が僕の授業スケジュールでした。授業では、ひたすらコミュニケーションをとります。発音や文法、会話、リーディングやリスニングなどいろんなスキルをやったので、身になったなと思います。でも、力がつき始めた頃に期間が終わったので、もう少し居たかったなと思います。
先生とも仲良くなって、ラインやフェイスブックでもいろんな先生と今でも交流を持っています。フィリピン人はすごく優しくて、卒業した後でも連絡をとってくれます。

フィリピンへの語学留学で学んだことは何ですか。

――前回の授業では8日間で、今回の留学では1ヶ月間行ってみて、前回は先生もいるし集団行動だったので、正直英語をしゃべらなくても大丈夫でした。でも今回は留学で英語を勉強しに行くという環境におかれていたので、やっぱり自分も英語を話さなければいけない、というところで全然違っていました。英語を話さないと生活できなかったので、無理矢理自分を頑張らせたという部分では、日本ではできない経験でした。1ヶ月間英語を話す生活、他の国での生活というのはなかなか他の学生もできないことだと思うので、そういう部分では刺激になりました。週末は土日が休みだったんですけど、いろんなアクティビティに参加して、ジンベイザメと一緒に泳いだり、ワニを触ったり、観光地に行ったり、ご飯を食べたり、日本ではできないような活動をたくさんできたのですごく楽しかったです。

実際にフィリピンへ語学留学に行ってみて、自分の中に何か変化はありましたか。

――日本に帰ってきてから、もっと人に優しく接しようと思いました。感謝の気持ちもそうですけど、当たり前のことではないということもさらに思ったので、気持ちの部分で大きく変化がありました。なぜか分からないんですけど、気持ちに余裕がでてきました。フィリピンで生活していて、向こうの人は時間に縛られていなくて、日本で時間がない、忙しいと思っているのが馬鹿らしくなりました。時間は作るものだ、と思うようになりました。

カンボジアでボランティアをしようと思ったきっかけは何ですか。

――僕は毎年目標を立てるんですけど、その中に「3カ国以上旅をする」と書いていて、教育実習があったり就職活動があったりするので時期的に夏は厳しかったので、3月ぐらいにどこか行きたいなと思っていました。ボランティアをすごくしたいなという思いもあったので、海外でボランティアをしようと思い、ネットで調べて時期的にもよかったのがカンボジアのスタディツアーでした。世界遺産を知りながら、学校に行きたくても行けない子どもたちのために学校建設をしたり、遊具を作ったり、健康診断の手伝いをしたり、というツアーがあるということを知って、これに行こうと決めました。

具体的にボランティアではどんなことをしましたか。


――インターンとスタディツアーで分かれていて、僕たちの時の1週間が21人で、春だけで123人いました。最初はみんな知らない人ばかりなので、自己紹介をしたり、現地の歴史を学びました。僕も行ってから知ったんですけど、つい最近まで虐殺が行われていたそうです。そういう文化を勉強して、国を知ってから中身を知っていかなければいけないということで、実際に虐殺の場所とかに行ったり、アンコールワットとか色々な建物を見て、歴史を勉強したあとで子どもたちと関わって遊んだりしました。学校建設ということだったんですけど、行った時には学校はもう建っていたので、遊具を作ることが仕事になりました。穴を掘ってタイヤを埋めて、タイヤを渡ったりして遊べる遊具を作りました。次の学校に行った時には、運動会をしたことがないので、子どもたちのために運動会をしました。子どもたちは50人ぐらいで、チームは4つぐらいに分かれて学生がついていました。種目は風船リレーとしっぽとりと綱引きだったので、すぐ終わっちゃったんですけど楽しかったです。
子どもたちはまだ英語を話せないので、挨拶とかいくつか現地の言葉を勉強したのでコミュニケーションはとれました。そこで思ったのは、一番笑顔が大切だということです。

カンボジアでのボランティアで印象に残っていることは何ですか。


――「やるかかやらないかは、死ぬか死なないか」という言葉がすごく心に響きました。死なないならやったらいい、という女の人がいて、その人は大学卒業後に就職して何か違うなと感じて仕事を辞めてカンボジアに行った人なんですけど、その言葉を聞いて、たしかに死なないならやった方がいいかと僕も思いました。

●ボランティア活動をしていてよかったと思うことはなんですか。
――フィリピンでは子どもと関わることはほとんどなくて、大人と関わることが多かったです。行きたかった理由としては、ボランティアをしたいということもあったんですけど、教員免許のコースを取っていて、教育にはずっと興味があって、日本以外の教育現場を見たいというのもありました。実際に見てみて、カンボジアがまだまだできていないことも知れたし、自分がどういった形で支援したらいいかということも分かったし、将来のビジョンが見えてきたかなと思います。将来につながるような一週間だったなと思います。

東南アジアの魅力は何ですか。

――僕が東南アジアにはまっているのは、たぶん発展途上国が多くて、すごくいきいきしているからだと思います。日本だと店員さんとかも愛想が悪かったりするんですけど、向こうは本当に必死に物を売っていたし、どんな時でも笑顔だし、フィリピンの先生も朝5時から夕方まで疲れた顔を見せないので、そういうところが本当に素敵だなと思いました。発展途上国だからとは言い切れないと思うんですけど、もっと他の東南アジアの国を知りたいなと思いました。

海外での活動を通して、自分が成長したなと思うところはありますか。


――やっぱり視野が広がったのが一番だと思うんですけど、人の気持ちを考えて行動できるようになったかなと思います。
全部今まで自分が主体で、自分が自分がという感じがあったんですけど、常に言葉の発言とかもそうなんですけど先に相手の気持ちを考えて行動できるようになってきたかなと最近すごく思います。
学校生活にも、ピアリーダーとしても、活かせていると思います。やっぱり1年生は入学して間もなくて不安だと思うんですけど、自分たちの目線だと分からないこともあったりするんですけど、1年生の目線になって言葉をかけたり行動したりというのは、今年の1年生に対してできたかなと思います。僕を見かけたら声をかけてくれたり、連絡をくれたりして、かわいいです。

今後、何か挑戦したいことはありますか。

――まず、近くのことでいうと夏に東南アジアの他の国に行ってみたいと思います。自分自身が常に成長を求めていて、そこで終わりたくないと思うところがあって、自分が経験したことのない、普段経験できないようなことを経験したら刺激をたくさんもらって成長できるかなと思うので、どんなことでもチャンスがあればやりたいです。

今回の経験をこれからの将来にどう活かしていきたいですか。

――将来は起業したいなと思っています。やりたいことはNPO法人のようなもので、自分も日本とカンボジアなどを行き来しながら学校を建てたりとか図書館を建てたりという活動をしたいです。向こうの子どもたちは、可能性はいっぱいあるのに勉強ができないから結局やることが限られてきてしまいます。勉強したらどうにかなるのに勉強する場所がないから、そこでとどまってしまうというのは見ていて思ったので、勉強できるようなことを支援してあげたいです。もし起業しなくても、仕事をしながら長期休みをとって自分が支援していきたいなと思いました。

語学学校や海外でのボランティアに興味がある後輩へのアドバイスがあればお願いします。


――今しかできないことはたくさんあると思います。就職してからできることはあると思いますけど、こんなに時間があって自分のしたいことをできるのは今しかないと思います。きっかけができないから見つけられないこともあると思うんですけど、積極的にどんなことでも貪欲にやって欲しいかなと思います。そうすれば自然と結果とか自信はついてくると思うので、それがついてくるとまたやりたいなというサイクルになって成長できて将来に活かされるんじゃないかと思います。
とりあえず、どんなことでも「やるかやらないかは、死ぬか死なないか」です。

『全体を見ること』(地域活動)

社会学部 観光学メジャー 2017年度卒業 坂本涼太くん
期間:8月7日(日)~11日(木・祝) 4泊5日
場所:大滝山県民いこいの森キャンプ場
活動内容:平成28年度わくわく体験交流キャンプ

参加しようと思ったきっかけは何ですか。

――第一回目の時に学生支援センターの方から話をいただいて、参加するのは今回が二回目になります。子どもたちと関わって、その成長を身近で感じられたのが楽しかったです。一日目にできていなかったものが二日目にできていたりとか、頭が痛い、と冷えピタを貼っていた子どもが2~3時間したら走り回っていたりするなど、子どもたちの生命力も感じられました。一回目に一緒に行った友達が今年も行くということで、僕もまた参加してみたかったので一緒に行こうということになりました。

わくわく体験交流キャンプではどんなことをしましたか。

――うどん作り体験、キャンプファイアー、星空ウォークなどのイベントがあったり、毎日の料理を子どもたちが自分で作ったり、飯盒炊飯の焚き火だったり、災害時の非常食を作ってみたりと、子どもたちは様々な体験をしました。自分は全体統括だったので、全体の動きを見守りながら動いていました。夜間の星空ウォークの時には、一番後ろからライトを持って子どもたちを見守ったり、危険物がないかを確認しながら歩いていました。料理の時には包丁が危ないので、大丈夫かな、と色んな班を行き来していました。包丁を持つのが初めてな子が多いので、危なそうな子がいたらその班の少年リーダーに「この子を意識してみてあげてね」と声をかけたりして、全体の様子を気にしていました。全体で子どもたちが30人くらいいるので、その全体も把握しておかなければいけませんでした。全体を見ていたので、班付きの少年リーダーよりも子どもたちと接する時間は少なかったんですけど、自分から子どもたちに声をかけに行っていたので、子どもたちと仲良くはできていました。子どもたちにとって初めての体験ばかりなので、すごく戸惑うんですけど、わくわく体験交流キャンプは子どもたちが自分で活動して自分で覚える、ということが趣旨にあって少年リーダーはあまり手を出せないんです。なので、僕は子どもたちのところへ行って「一緒にやってみようよ」「ちょっとこれやってみて」と声をかけたりして、大丈夫そうなら近くにいる少年リーダーの人にお願いして、色んな班を回っていました。子どもたちが自分から動けるようにサポートするのが僕たちの役割でした。

4泊5日のわくわく体験交流キャンプですが、子どもたちの様子はどうでしたか。

坂本涼太くん
―― 一日目は子どもたちもわくわく感があったんですけど、二日目になると初めて親や友達から離れて知らない人たちと一緒なので不安になる子がいました。でも、その二日目を乗り越えてしまえば最終日になると「あと一泊したい」と言う子もいました。テントも知らない子たちと寝るようになるんですけど、そこで半日経ってしまえばもう友達になっているので、こちらが「えっ?」と驚くぐらいでした。
自分たちの班の班長さんがちょっと抜けている子だったので、他の子たちが「自分たちがちゃんとしなきゃ!」としっかりしていたのは印象的でした。班長さんをみんなで支えよう、とすごく良いチームワークで動いていました。自分から役割分担を決めて動いてくれていたので、見守る側としてもすごく楽でした。
山はシャワーとかがないので、タオルを濡らして使っていたんですけど、二日目にはボーイスカウトさんたちが善意で簡易シャワーを作ってくれました。水道水なのでお湯は出なかったんですけど、一日お風呂に入れなかったり、子どもたちはシャワーがないところにシャワーができた不思議もあって、楽しそうでした。
今回のわくわく体験交流キャンプでは、キャンプ泊とホテル泊、それぞれ二泊ずつありました。ホテルでは、アマゴのつかみ取り体験があって、子どもたちは泳いでいるアマゴを自分たちで捕まえて、食べる時には頭を叩いて調理します。捕まえる時は楽しそうにかまえていたんですけど、アマゴを自分たちでしめて食べるという段階になると、可哀想だからできない、という子がいて、他の子が「それが食べるってことなんだよ」と伝えていたので、この子たちはちゃんと分かっているんだなと思いました。

第一回目と第二回目で、何か変化はありましたか。

――一回目は、子どもたちの班付きの少年リーダーとして行ってたんですけど、二回目は全体統括として、班付きの少年リーダーにアドバイスをしたり、子どもたち全体を見ていました。全体がどう動くのか、どういう風に状況が進行していくのか、子どもたちはどう動いていくのか、などを考えながら動いていました。料理を作っている間にも、次はこういう状況だからこうしようとか、アクシデントがあったらどうするかとか、この場所に少年リーダーが何人いるから手の空いてる子はここに呼んだらいいとか、この子たちなら何分くらいで終わるだろう、と予測をつけて全体を見守りました。一回目は班付きが2人で全体統括もいなかったので、子どもたち相手に目が回るような忙しさですごく疲れたんですけど、終わってみると自分で成長できたかなという実感がすごいありました。二回目は一回目よりも班付きの人数が増えて、子どもたち8~9人の班に少年リーダーが4名付いていました。毎晩、少年リーダーで集まって、子どもたちの様子や健康状態、友達関係の問題はないか、次の日の段取りなどを話し合うんですけど、今回は看護科の人たちがいたので、健康面に関してはかなり助かりました。

新しい発見や学びはありましたか。

――最初に、「集合したら近くにいる少年リーダーさんに何人いるか、異常がないか伝えてね」ということを子どもたちに言っていました。そうすると、朝の集いなど、集合する度にちゃんと報告してくれました。大人が思っているよりも、こういう理由だからこうするんだよ、ということをちゃんと伝えれば子どもたちは納得して動いてくれる、ということを学びました。逆に、納得できるような言い方をしなければ、子どもたちは動かない、ということも分かりました。
子どもたちにとって、普段の生活とは違う山での生活というのは、環境の変化がとても大きいです。トイレにしても、洋式トイレではなく和式トイレになりますし、山のトイレは自然に囲まれているので、我慢してしまう子が多くいました。そのせいでお腹が痛くなったり、ホテルに着いてトイレに駆け込んだりする子がいたので、そういう部分でのケアがもう少し必要だったかなと思います。

今回の経験を将来どう活かしていきたいですか。

――将来、就職したらコミュニケーション力は必要だし、いつまでに何を用意しておけばいいのかとか、その間にどういう手続きが必要か、という風に効率よく仕事を進めていくために段取りは大事だと思うので、今回自分で段取りを決めて動いたことを活かしていきたいと思います。

今後、わくわく体験交流キャンプに参加しようと考えている後輩へアドバイスやメッセージなどあればお願いします。

坂本涼太くん
――一番ネックになっているのがお金の面だと思うんですけど、そこはすべて県庁の方がバックアップしてくださいます。だから、必要なのはやる気と勇気だけです。教員になりたい子とかがいたら、一度行ってみたらいいと思います。すごく良い経験になります。注意事項としては、子どもたちと近くなりすぎないことです。友達になってしまうと、言うことを聞いてくれないので、近所のお兄さん的な感覚がちょうどいいと思います。少年リーダーの数も多いし、恥ずかしがらずに聞いてしまえば教えてくれる人ばかりです。
話を聞くだけの軽い気持ちでも、参加してみたらいいと思います。


わくわく交流体験キャンプ
目的:自然と触れ合う機会が少ない小中学生が、郷土の豊かな自然の中で、集団キャンプ生活を営み、自然体験をはじめ、同世代、異世代、地元等との交流を通じて、心の豊かさや、生きる力を培い、香川の次代を担うリーダーを育成すること。

主催:香川県、公益財団法人明治百年記念香川県青少年基金
特別協賛:公益財団法人松平公益会
後援:香川県教育委員会、日本ボーイスカウト香川連盟、青少年育成香川県民会議