学生活動-その他

『夢を叶えるための経験』(子ども福祉メジャー)

社会福祉学部 子ども福祉メジャー 三井 奈々さん
丸亀城西高等学校出身。
保育士養成コース所属。

将来の夢は保育士。
その夢を叶えるために選んだのは、子ども福祉メジャー。
子ども福祉メジャーに入り、日々成長を実感しているという三井さん。
どのようなことを学び、経験しているのでしょうか。

子ども福祉メジャーを選んだ理由を教えてください。

――保育士を目指しているからです。大学を選ぶ時、母が保育士として勤めている保育所に子ども福祉メジャーの卒業生の方がいて、「すごく学びがあって、成長できるいい環境がある」と聞いていたので、四国学院大学の子ども福祉メジャーで学びたいと思って入学しました。

保育士になりたいと思ったきっかけは何ですか。

――子どもと関わることが好きというのもありますが、母がすごく楽しそうに仕事をしているのを見ていたからです。もちろん保育士の仕事は大変だというのは分かってるんですけど、保育所で行われる夏祭りに参加した時などに「三井先生!」と子どもたちに慕われて、楽しそうにしているのを見て、私も母のような保育士になりたいと思うようになりました。

子ども福祉メジャーに入る前と後で、イメージは変わりましたか。

――入る前までは、たくさんの人がいて、大人数で授業を受けるのかなと思っていました。実際に入ってみると小人数でしっかり学べる環境でした。人数が少ないので先生に質問もしやすいし、学びやすいので、入ってよかったなと思っています。

子ども福祉メジャーでの活動で印象に残っていることを教えてください。

―― 一から自分たちで全部つくるのはあまり経験できないと思うので、「こどもひろば」が印象に残っています。去年は「えほんのくに」をテーマに実施しました。私が担当したのは、おばけの眼鏡を子どもたちと一緒に探す「おばけをさがそう」の企画で、その導入の演出にもこだわりました。ただ探すだけではなくて、森の音を流すことで耳から感じられるようにしたり、室内を少し暗くして目からも楽しんでもらえるようにしたり、色々と工夫しました。暗いところが怖い子もいたので、その時は少し明るくしたり。その場に応じた対応が身に付いたかなと思います。
 どうしたら子どもたちに喜んでもらえるか?ということを考えながら企画して、当日は実際に子どもたちの反応も見ることができるし、保護者の方からも「楽しそうだった」と直接聞くことができるので、すごく達成感がありました。こうした方がもっと楽しんでもらえるかもしれない、と当日も考えながら動くことができたので成長できる機会だったなと思います。
実習では、一対子どもたちという状況が多いですが、こどもひろばの時は保育士養成コースの仲間たちと一緒です。みんなで子どもたちを楽しませようと奮闘していたので、その雰囲気もすごく楽しかったです。

保育士養成コースの学生は毎年12月にさぬきこどもの国の「はぐくみ×カレッジ」に参加していますね。三井さんがイベントに参加した時はどうでしたか。

――私は2年生になって、「はぐくみ×カレッジ」に参加しました。どういう反応をすれば子どもたちが楽しんでくれるか、ということを考えながら声かけをしていました。「はぐくみ×カレッジ」は最後にアンケートがもらえるんですけど、いろんな遊びがある中で、私たちが担当したもぐらたたきの企画で「子どもがすごく楽しんでいた」とか「初めてこんな姿を見ることができた」という嬉しい感想がいっぱいあって、準備はとても大変だったけど、やってよかったなと思いました。直接子どもたちが喜んでいる姿を見れたり、保護者の声を聞けたので、実習に行く時もこのイベントでの経験を思い出して頑張れました。

実習での体験を教えてください。

――2年生の時に施設実習や保育実習、ボランティアなどを経験しました。授業で、「環境をよく見ていた方がいい」ということを聞いていました。例えば、子どもたちが遊べるように新聞紙が置いてあっても、年齢に合わせて、ちぎって置いている場合とそのまま置いてある場合があります。実際に保育現場に行ってみたら、私は4歳児が対象だったんですけど、4歳になるとある程度自分でできるので、保育者が全部するのではなく子どもたち自身が考えて遊びにつなげることができる準備をしていました。環境を見ることが大切だと聞いていたおかげで、自分で気づいて発見する力や学び取る力が身に付いたと思います。

実習などで、子どもたちとの関わり方で気を付けていることなどはありますか。

――私は毎日目標を持って頑張ろうと決めています。実習中に「絶対にあの子と仲良くなりたい」という目標を決めたら、そのためにはどう関わればいいのかということを考えます。話しかけられるのが苦手な子もいると思うし、その子に合った関わりをすることが必要になるからです。その子が好きなものは何なのか。どういう関わりを求めているのか。一日で知ることは難しいので、長い目で考えて、だんだん仲良くなるために日々を積み重ねていくことを大切にしています。実習という短い期間ではありますが、毎日の積み重ねを大切にすることで子どもたちとの関わり方もうまくなってきたと思いますし、成長できていると思います。
 特に印象に残ったのは、保護者の方から「先生の話をいつもしてる」とか、手紙交換をしていたんですけど「いつも手紙ありがとう」と、保育所では見えない家庭での出来事や様子を伝えてくれた時に、毎日積み重なっているなということと自分の成長も実感できました。そのおかげで、くじけそうになっても頑張れますし、やりがいも感じられます。

メジャーでの活動以外で何か子どもと関わる活動をしていますか。

――私は、ハウスメーカーの託児所でアルバイトをしています。住宅の打ち合わせや相談などに時間がかかってしまうので、その間子どもたちを託児所で預かってみています。実習では年齢が高い子どもたちと関わることが多かったんですけど、アルバイトでは1歳や2歳くらいの年齢の低い子どもたちと関わることが多いです。1・2歳の子は発達の差が大きいので、発達や年齢に合わせた関わり方が身に付いたと思います。保育所などの長期的な子どもとの関わりではなく、週に一度会うか会わないかの関わりが少ない環境でも仲良くなれるようにその子に合った対応を見つける力が身に付いたと思います。

活動をしていく中で役に立っている授業はありますか。

――野崎先生の「子育ち子育て支援実践論」です。授業を聞くだけではなく、グループワークがあるので、他の人の考えや意見を聞いて、自分の考え方や価値観が広がったと思います。保護者の人にも、いろんな人がいるので、一つの方向からではなく、いろんな方向から考えることの大切さに気付くことができました。他の人の意見を聞く力や自分の意見を伝える力が身につく授業だと思います。
「子育て」といえば母親だけを想像する人もいると思うんですけど、そうではなくて、父親も子育てをする、という話が授業の中でありました。世間一般でいう“当たり前”というものはないんだと。人それぞれ生育歴も違っていて、その人にとっては当たり前でも他の人にとっては当たり前ではないこともあるから、自分の当たり前を押し付けるのではなく、家庭やその子どもに寄り添った対応が大切だと言っていたことが印象に残っています。実習やアルバイトなどで子どもたちと関わる時にも、この考え方を大切にしています。

他メジャーの科目も履修していると思うのですが、役に立った授業はありますか。

――演劇ワークショップです。演劇ワークショップでは、普段あまり関わることの無い他メジャーや他学年の人と関わるため、コミュニケーション能力の向上を実感したり多面的に物事を見る大切さを学んだりととてもためになりました。
 自分だけでなく、他の人と協力してひとつの物を作り上げる楽しさや、周りを見る大切さなど、この演劇ワークショップでしか学べないことがたくさんありました。

子ども福祉メジャーに入ってよかったことを教えてください。

――授業も休み時間も一緒で、一番長く過ごしているのが子ども福祉メジャーの友人です。実習も一人だったらくじけそうなことがあっても、みんなも頑張っていると思うと頑張れるし、お互いに助け合える人に出会えたのはすごく大きいなと思っています。模擬保育の授業でも、他の人の良いところを盗めるし、お互いに成長し合える環境だと思うので、子ども福祉メジャーに入ってよかったなと思います。

2023年度に開催予定の「こどもひろば」に向けてどんなことを頑張っていますか。

――去年は、チームごとに遊びを考えていました。でも、今年はみんなで何をするかを考えて、全員が助っ人として行った時にも対応できるように、みんなで協力して作り上げようとしています。みんなで一つのものを作るという意識のもと、連携を大切にして頑張っています。
 「こどもひろば」という場所は、子どもたちにとって家でも保育所でもない環境です。そこで楽しんでもらえるように、子どもたちが世界観に入り込めるような工夫や保護者の方も一緒に楽しめるような工夫をしています。それに今年は、「こどもひろば」で終わりではなく、家庭に帰っても親子で楽しんでもらえるような遊びをコンセプトに企画を考えているので、ぜひ今年も楽しみにしていてください!

子ども福祉や保育士に興味がある後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。

――やっぱり小人数で学べることはすごく大きいと思っています。濃く学べるし、先生や友達との関係も深まりますし、イベントが多いので授業だけじゃなくて実践で学ぶことができます。実際に子どもたちと触れ合いながら楽しく学べる環境だと思うので、ぜひ子ども福祉メジャーで学んでほしいです。


子ども福祉メジャー
「こどもひろば2022 〜えほんのせかい〜」
さぬきこどもの国「はぐくみカレッジ×四国学院大学(2022年)」
「こどもひろば2023~もりのくに~」参加申込開始

香川大学×四国学院大学×善通寺市 実践型インターンシップ企画

2022年7月から2023年3月にかけて実施された、「香川大学×四国学院大学×善通寺市 実践型インターンシップ企画」。
本学からは17名の学生が参加し、香川大学の学生と善通寺市地域おこし協力隊とともに善通寺市をPRする紙媒体の製作を行いました。
今回の企画は、自治体と大学生が一緒になって企画やイベントを行うだけではなく、紙媒体の製作を通して「企画をカタチにする」プロセスを学ぶことを目的とした実践型のインターンシップです。
参加した学生にとって、他大学の学生や善通寺市の担当者との交流は多くの学びを得る貴重な機会となりました。

この記事では、実践型インターンシップの様子をご紹介します。

第1回(2022年7月)

善通寺市の現状について善通寺市の各課担当者よりプレゼンテーションを受け、実践型インターンシップの流れやスケジュールについて確認しました。



第2回(2022年9月)

紙媒体製作のプロセスについて、善通寺市地域おこし協力隊の方より教えていただき、チーム分けを行いました。(A~Cの3チーム)



第3回(2022年11月)

各チームで考えた企画案の発表を行い、善通寺市の方より意見をもらいました。



第4回(2022年12月)

各チームの具体的な企画内容のプレゼンテーションを行い、善通寺市の方より意見をもらいました。



第5回(2023年2月)

各チームの進捗状況の発表が行われ、善通寺市の方よりアドバイスをもらい、今後のスケジュールについて検討しました。



第6回(2023年3月)

各チームの最終発表を行いました。



成果物

今回の実践型インターンシップで、善通寺市をPRする3種類の紙媒体を製作しました。
Aチーム: 「エモい」写真を切り口に、お寺や公園など既に知られている観光資源以外の視点で善通寺市を若い世代にアピールするポスター
Bチーム:名刺サイズの絵本に、「まおちゃん」という女の子が過ごす善通寺の1日を紹介
Cチーム:善通寺市民プールの存在を若い世代に知ってもらうためのフライヤー



参加した学生の声
    • 1つ1つ、作成した人の気持ちが込められていて、意味と工夫が、作品として完成しているのだと今回の経験を通して実感しました。それと同時に、社会の厳しさ、難しさも同時に経験する事が出来ました。責任ある中で、誰かと何かを創りあげることの難しさを痛感しました。ですが全て含めて、とても貴重で糧となる有難い経験をさせて頂きました。
    • 普段なかなか話す機会が少ない香川大学の皆さんと交流、協力して1つの成果物を作り上げるという貴重な体験をさせていただき、大変勉強になりました。
    • 私はこの経験から仲間と協力することによって、自分が思った何倍も良い成果物を作り出せることを実感しました。
    • 私は市規模で皆で協力し、何かをつくったことがなかったので、いい経験ができました。今後の善通寺の活性化に繋がれば嬉しいです。
    • <参加学生の感想全文はこちらから>

本学指導教員:山中雅大(社会学部教員/観光学メジャーコーディネーター)

『今を楽しく頑張ること』(ダンス部など)

社会福祉学部 心理学・カウンセリングメジャー 平崎 愛琳さん
下関商業高等学校出身。
ダンス部部長。

部員2名からスタートした、ダンス部での活動。
今では部員が15名程に増え、3年ぶりに外部でのイベントに参加するまでになりました。
ダンス部の他にも、軽音楽部、ピア・リーダー、大学祭実行委員会など様々な活動を頑張っている平崎さん。
どのような思いで活動しているのでしょうか。

ダンス部に入りたいと思ったきっかけを教えてください。

――私は、元々小学校の頃からダンスをしていたんですけど、高校の時に色々あってやめてしまったので、大学に入ったらまたダンスを始めようと決めていました。でも、入学してからダンス部は活動していないかもしれないという話を聞いて、1年生の秋頃までダンス部はないものと思っていました。そんな時、友人から人数は少ないがダンス部がまだ活動していることを聞いて、友人と一緒に入部しました。

入部当初、ダンス部の人数が少なかったとのことですが、どのように部員集めや活動をしたのですか?

――実は、4年生の先輩が卒業したり、もう一人の先輩も諸事情があってやめてしまったりで、入部してすぐに部員が私と友人の二人だけになってしまいました。私がダンス部の部長になり、友人と一緒に悩みながらも、二人で頑張って次の年で部員を集めよう!と決めて、活動を始めました。まずは部員募集のために、新入生だけでなく在校生全員に対してチラシを配ったり、ダンス部を知ってもらうためにオープンキャンパスや大学祭、コイノス・ステージなどの学内イベントに参加したりして、パフォーマンスを披露する機会があれば参加するようにしました。実際にオープンキャンパスでのパフォーマンスを見てダンス部に入部してくれた部員もいます。今では2人だった部員が15人まで増えました。
人数が増えたので、今年からよさこいにも参加しようと思っています。よさこいはやっぱり人数がいた方が華やかなので、有志を募って20人くらいで練習しています。よさこいでは、観音寺の銭形まつりと善通寺祭りに出演予定です。ダンス部として外部で踊るのが3年ぶりくらいなので、とても楽しみです。

ダンス部の活動内容を教えてください。

――水曜日と金曜日の週2日が練習日です。この練習日は全体練習がメインで、今だとよさこいの練習と大学祭に向けての練習をしています。他はダンスを踊るチームによって、空き時間に集まって練習したりしています。

ダンス部ではどんなジャンルを踊っていますか。また、それぞれの見所を教えてください。

――私は元々ジャズヒップホップをしていましたが、今は色々なジャンルに挑戦しています。
女子部員が多いので、K-POPやガールズヒップホップをやることが多いんですけど、このジャンルは女の子らしいかわいい振付や女性らしい大人な振付が多いです。
ロックは、メリハリがすごいはっきりしていてかっこいいダンスなので、大きい技にも注目してほしいです。
今練習しているよさこいは、今年は振りをつくることができなかったので、今までの先輩たちがつくってくれた振付をアレンジして踊っています。大人数で踊るときの統一感や迫力に注目してもらえたら嬉しいです。

ダンス部の活動でやりがいや楽しさを感じるのはどんな時ですか。

――すごくアットホームな雰囲気で、みんなが優しくて面白い部活なので、あまり学年の壁を感じずに活動できているところです。後輩たちが積極的に話しかけてくれるし、私より上手い子もいるので逆に私が教えてもらえる環境というのがすごくいいなと思います。一から振付を覚える時も、先輩だから私がやるという訳ではなく、後輩にも頼ることができているので、ダンス部の活動が楽しいなと思いますし、やりがいも感じています。

ダンス部での活動を通して、自分が成長したと思うことを教えてください。

――最初は部員が2人だったということもあって、「私がやらなきゃ」と思ってあまり人に頼るということができませんでした。ストレスで体調を崩すこともあったんですけど、今はたくさん頼もしい後輩ができて、何かあった時は頼ることができるようになりました。人に頼ることで、今は自分の体を壊さず、ストレスも溜めずにみんなで楽しく活動を続けられているので、そこは成長できたのかなと感じています。私が授業などで練習に行けなくても、サボることなく自主練習をしっかりしてくれる後輩なので助かっています。

四国学院大学に入学した理由を教えてください。

――高校の時に英語と心理学に興味があって、進路を考えた時にどっちを選ぼうかと迷っていた時に、四国学院大学のメジャー制度のことを知りました。どんな制度なのか気になって電話をして聞いてみると、学部が違っても他の授業を履修できるので、英語と心理学の両方を学べることを教えてもらいました。学びの面だけでなく、親からの大学進学の条件のひとつが「寮に入ること」で、ちょうど私が入学する時にマグノリア学寮ができるということで、四国学院大学への進学を決めました。

入学してよかったと思うことを教えてください。

――友達もたくさんできて、実際に心理学と英語を同時に学ぶことができたので入学してよかったと思います。2年生の時は、心理学・カウンセリングメジャーと英語マイナーを専攻していたんですが、今は心理学をメインに学びたいと思い、心理学・カウンセリングメジャーのみを専攻しています。最初に心理学のみに絞っていたら「英語もやっておけばよかった」と後悔していたと思うので、一度両方の勉強をしてみて学びたい分野を検討することができたので、すごくよかったなと感じています。

授業での学びはどんな時に活かせていますか。

――私はジュニアリーダーのボランティアをしています。中学校1年生から高校3年生までの子たちが、子ども会に派遣されて出し物を考えたりイベントの手伝いをするボランティアで、私は中学からの6年間の経験を経て、今は中学生や高校生をサポートする側にまわっています。
心理学だけではなく、子ども福祉を学べる授業もあるので、ボランティア活動がすごく充実しています。ボランティアで関わる子どもたちは色々な個性を持っていて、中には障害を持つ子もいるんですけど、授業でそういった子どもたちとの関わり方を学ぶことができているので役に立っています。例えば、自閉症の子はパニックになりやすいという特徴があり、何故パニックになるのか、パニックになる原因にはどんなことがあるか、ということを子ども福祉や心理学で学んだので、自閉症を持つ子に対して上手く接することができるようになりました。私もその子に対して嫌なことをせずにすむし、その子も必要以上に嫌なことがなくなるので、上手に付き合いながら遊ぶことができています。

他にも学内で力を入れている活動はありますか。

――私は軽音楽部にも所属しています。軽音楽部ではヴォーカルをメインに、ドラムやキーボード、ギターも担当しています。入部当初は幽霊部員だったんですけど、二年生の大学祭でバンドを組んだことをきっかけに、たくさんの人から声をかけてもらって、今年の大学祭では5バンド以上組むことになりました。
毎日忙しくて大変ですが、自分で演奏をすることも、音楽に合わせて踊ることも、両方できているので二倍楽しいです。
サークル活動以外では、ピア・リーダーの活動や大学祭実行委員会も頑張っています。
ピア・リーダーは、ずっとやっていた子どもボランティアの影響もあって、1年生をサポートすることで自分も成長させたいと思って始めました。研修では企画を考えたり、レクリエーションをしたりしています。ピア・リーダーになって友人がたくさんできたので、やっていてよかったなと思います。それに、人前に立つことや話すことがもっと得意になったので、成長できているなと感じます。
大学祭実行委員会はピア・リーダーを始めた去年からやっていて、去年は広報を担当して、ホームページやチラシなどにこだわりました。自分のアイデアをそのまま形にすることができたので、すごく達成感がありました。今年は企画を担当しています。みんなで頑張って企画を考えているので、今年の大学祭でどんな企画になるのかぜひ楽しみにしていてください!

高校生へ向けてアドバイスやメッセージがあればお願いします。

――大学に行くのは将来のために行くと思っている人が多いと思うんですけど、私は今気になることや勉強したいこと、やりたいことをするために大学に入りました。将来に迷っている人は大学でやりたいことを見つけて、それを一生懸命やっていれば、将来の夢は決まらなくても方向性は決まってくると思います。やりたいことは学生のうちにやって、最後に将来のことを決めていけばいいと思います。
今を楽しく頑張っていれば、大学生活も楽しくなるはずです!


メジャー制度
英語メジャー
心理学・カウンセリングメジャー
■ピア・リーダー制度とは・・・ピア(peer)とは、英語で“仲間”を意味する言葉。入学して右も左も分からない新入生に対し、不安を抱かずとも済むように、適切なアドバイスや話し相手役になってあげられる上級生が必要なのでは? と誕生したのが、このピア・リーダー制度です。新入生オリエンテーションをはじめとする学内イベントなどの中心的な役割を担います。またオープンキャンパスなどで訪れた高校生の案内役も行っています。

『夢に向かって挑戦し続けること』(ラジオCM出演)

社会学部 観光学メジャー 近藤文弥さん
四万十高等学校出身。

将来の夢は、ラジオのパーソナリティ。
その夢を叶えるために、近藤さんは本学で様々なことに挑戦しています。
そのうちの一つに、FM香川で放送される本学のラジオCMへの出演がありました。
今回は、ラジオCMに出演した時のことや将来の夢、学生生活についてお話を聞いてみました。

ラジオのパーソナリティになりたいと思ったきっかけを教えてください。

――中学校の時、通学で乗っていたバスのドライバーさんがラジオを流してくれる方で、朝の憂鬱な気持ちがラジオを聞いていたら「頑張ろう!」と前向きになれました。ラジオにはこんなにも力があるんだと知って、自分も同じように人を元気づけられるようになりたいと思い、中学二年生の頃から今までずっと夢が変わっていません。他の夢も面白そうだなと思うこともあったんですが、自分の長所を活かしながらできる自分にしかできない仕事といえば、やっぱりラジオかなと。今でも暇な時はAM・FM問わず色々聞いています。

FM香川でのラジオCMへの出演はどうでしたか。

――CMの録音は、大学の方にFM香川の方に来ていただいて、自分が今大学でやっていることを10秒以内で紹介しました。読み上げた原稿は、事前に自分がどんなことを言いたいかを考えて、入試課の方に添削いただいたものです。詰まらずに言えるか、ということだけではなく、ラジオなので声だけで伝えなければいけません。表情が見えればまた表現の仕方があると思うんですけど、声だけなので、どう声色を変えれば伝わりやすいのかを考えながら録るのは難しかったです。でも、3回目でOKをもらえて嬉しかったです。僕は、ラジオのパーソナリティになるという夢のために、高校の時はずっと放送部でラジオっぽい放送を自分で企画してやっていたので、今回はその経験が活かせたかなと思います。

ラジオの魅力は何だと思いますか?

――ラジオは顔が見えないので、声だけで伝える必要があります。話をどれだけ楽しそうにできるかとか、声色の強弱とか、落とすところを落として盛り上げるところは盛り上げるとか。それをパーソナリティの人は基本一人でやっています。聞く側以上に話す側はいろんなことを考えていると思うので、そこにラジオの奥深さを感じます。
 僕のイメージですけど、ラジオのパーソナリティはアナウンサーよりもラフな感じで、かつ定型文ではなくてアドリブで話せる人です。僕自身はアドリブで話すのは得意な方だと感じています。去年の大学祭でカラオケバトルの司会をした時も、出場者に対する感想とかコメントを事前に用意することもできたんですけど、それよりはその場で自分たちが聞いて感じたことを言った方がみんなに伝わりやすいんじゃないかと考えて、あえて台本やカンペは作りませんでした。それでも、同じく司会をしている先輩との阿吽の呼吸で乗り切って、その場を盛り上げることができました。司会をするのは初めてだったんですけど、アドリブでの対応に自分は向いているなと感じました。

四国学院大学に入学してよかったことを教えてください。

――夢を叶えるために幅広い知識を身に付けたいと思っていた時に、メジャー制度で様々な分野を学ぶことができる四国学院大学のことを知って、高校二年生の時から入学を決めていました。実際に入学して、選んだ観光学メジャー以外にも興味がある分野の授業を履修できているので楽しいです。
 高校では全校生徒が約60名だったんですけど、大学に入学すると、関わる人の数がいっきに増えました。元々人と話すことが好きだったので、授業で一緒になった人やサークル仲間には積極的に話しかけています。普段からできるだけたくさんの人とコミュニケーションをとるように心がけているので、コミュニケーション能力は上達できていると思います。それに、四国学院大学の人たちは、基本的に自分の考え方を肯定してくれる人や寄り添ってくれる人が多いので、自分が間違っていないんだと自信を持っていろんなことに挑戦できています。

四国学院大学に入学して、自分が成長したと思うことを教えてください。

―― 一年生の時から、人と同じ授業を履修するのは面白くないなと感じて、レベル2やレベル3の授業に挑戦するようにしていました。
 観光学メジャーの授業で、パンフレットを作成する授業がありました。僕はパンフレットなんて作ったことがなくて、とても悩んでいたんですけど、伊藤先生がアドバイスをくれて、完成させることができました。完成したパンフレットは自分で作ったとは思えないほどちゃんとできていて、すごいなと感動しました。こういうレイアウトにすればパンフレットができるんだと分かりましたし、周りは上級生ばかりだったんですけど、その中でもちゃんと評価してくれる先生がいるということにも気づけました。
 レベルが上の授業でも成績評価で「A」をとることができたことは、次のモチベーションにもつながっているし、やっぱり自分から楽しいと思って意欲的に取り組んでいる授業だからなのかなと思います。分からないところは積極的に先生に聞くようにしていて、先生も優しく丁寧に教えてくれるので楽しいです。
 高校までは決められた授業の中で苦手な教科もあったんですけど、大学では得意な分野の科目を自分で選ぶことができます。だからこそ、自分が伸ばしたいと思っていることを伸ばすことができているので成長できていると感じています。

将来の役に立ちそうだなと思った授業を教えてください。

――ラジオのパーソナリティになるのなら、放送専門の勉強だろうと思っていたこともありました。でも結局は、話すレパートリーを増やすためには語彙力と知識力が必要になってきます。
 僕は観光学メジャーではあるんですけど、歴史学や社会学、平和学に関する授業も興味関心があって履修しています。観光学メジャーでは、日本だけではなく世界の観光地についても学んでいて、歴史学の授業では韓国と日本の歴史や文化の違いを調べています。平和学メジャーの授業では、平和学とキリスト教の理念も一緒に学ぶことができています。キリスト教に触れる機会は今この大学でしかないと思うので、とても興味深いです。
 今履修しているすべての授業が、これからの自分にとって話せるレパートリーを増やすために役立っていると思います。

将来の夢を叶えるために、意識していることはありますか。

――僕は、ラジオのパーソナリティに限らず、司会業など話す仕事に就きたいと思っています。これらの仕事は、不測の事態に対応する能力が求められると感じています。大学祭のカラオケバトルで司会をした時、機材トラブルが起きてしまったんですけど、復旧するまでの間、カラオケにどれだけ行くかとか、どういう曲を歌うのか、など司会のトークでその場を繋ぎました。これは、大学生活の遊びの中で経験しているからこそ話せたことです。こういう不測の事態にも対応できるように、授業だけでなくプライベートでも今からいろんな経験をして、話の引き出しは多く持っていたいです。

将来、どんな人になりたいですか。

――僕は、信頼される人になるために、「有言実行」という言葉を自分の中に掲げています。しっかりと行動できる人になりたいです。そういう人になるためにも、大学生活の中でこれからも色々なことにチャレンジしていきたいと思います。


メジャー制度

◆FM香川にて、5月~10月の期間中、本学学生が出演しているCMが放送されています。(786「SUPERMEDIO」内)

『行動力を武器に!』(ピア・リーダー・インタレスト)

 

 

 

 

 

手銭 由貴 さん

島根県立三刀屋高等学校出身。
株式会社山陰中央新報社内定。

入学式で出会ったピア・リーダーに憧れ、2年次からはピア・リーダーとして活動した手銭さん。大学では、どのようなことを学び、どのような将来を考えているのかを話してもらいました。

 

大学ではどのようなことに取り組みましたか?

――ピア・リーダーの活動とインタレストの制作です。入学式で出会ったピア・リーダーの先輩の姿に憧れ、私もピア・リーダーをしようと決意しました。もともと、人見知りで、今みたいに誰とでも話せる性格ではなかったので、入学当初は、ひたすら下を向いていた気がします。そのような中で、ピア・リーダーの先輩が話しかけてくれたり、友達との間を取り持ってくれたすることで、友達も増え、大学生活が充実するようになりました。あのとき、ピア・リーダーに挑戦して本当に良かったと思います。ピア・リーダーとして、成長できたから、今の自分があると思います。2年次からは情報加工学メジャーを専攻し、フリーマガジン「インタレスト」の制作にも携わっています。6月と12月、年2回の発行で、企画、取材、編集、発行まですべて学生が行います。ここでは、「情報に付加価値をつける」ことを学びました。情報を整理し、付加価値をつけることで、より価値のある情報に変わることを実感しました。私自身も「どうしたら他と差別化できるか」、「この情報をカテゴリ分けすればどうなるのか」など、常に考えながら行動するようになりました。

四国学院大学へ進学した理由を教えてください。

――高校で始めた演劇を大学でも続けようと思っていたからです。幼い頃から、テレビっ子で、テレビをよく見ていました。将来は、テレビ局の裏方の仕事に就き、出演者を自分の手でもっと輝かせたいという気持ちがありました。似たようなものだと思って、演劇の強い高校へ入学しました。入学当初は、スタッフに興味がありましたが、支えられる側(キャスト)がどのようなものかを知ったほうがいいと思い、裏方の仕事もこなしながら、キャストとして3年間活動しました。脚本を自分たちで選び、演出も自ら行う、時代劇に取り組むときには、地元の人に殺陣を教えてもらったり、衣装にもアドバイスをもらったり、とても充実していました。大学でも、演劇を続けようと思っていましたが、授業を受けていく中で、抽象的な演劇よりも、高校のときに経験した、笑いあり、涙ありの大衆演劇をしたいという気持ちが強くなりました。そして、大学では演劇以外のことに挑戦しようと決めました。四国学院大学では、様々な学びの分野があるので、私のように目標が変わった人でも、何か興味のあることを見つけることができると思います。

将来の目標を教えてください。

――卒業後は地元島根県の新聞社で働く予定です。地元の人口が減っていくことに寂しさを感じ、地域を活性化したいという気持ちから、島根県での就職を考えていました。その中で、新聞社やテレビ局など、演劇の経験、インタレスト制作で学んだことを活かせる会社を探していました。ただの営業に来た人ではなく、手銭由貴として、地域の方々と深く関わっていきたいと思います。

インタレストの制作では、香川県内にあるダムの特集を組み、各ダムの特徴を調べました。

インタレスト紹介ページ

『困難の先で得たもの』(全国障害者スポーツ大会)

社会学部 健康・スポーツ科学メジャー/科学教育マイナー 菰渕大城さん

香川県立盲学校出身。

香川県での予選会を経て、第22回全国障害者スポーツ大会に香川県代表選手として出場し、水泳男子(視覚)50m平泳ぎで優勝を飾った菰渕さん。
中学・高校での大会出場経験のおかげで大会慣れしていたため、当日は落ち着いて競技に臨めたといいます。
しかし、今回の全国大会出場までの道のりは平坦ではありませんでした。
高校一年の冬、中心部分の視野が欠ける(中心暗点)視覚障害を発症し、パラ水泳を始めて3年。
コロナ禍での大会中止やパニック障害などの困難を乗り越え、前を向いて努力を続けている菰渕さんにお話を聞いてみました。

パラ水泳をはじめたきっかけを教えてください。

――元々、地元のスイミングスクールで5~12歳まで競泳をやっていましたが、中学進学を機に一度水泳からは離れました。中学ではフェンシング、高校ではラグビーをやって、どちらのスポーツでも全国大会などの大きな大会に出場していました。しかし、高校一年の冬から視力が落ち始め、主治医の先生に難病指定されてラグビーを辞めざるを得なくなりました。そんな時、高校の先生から僕と同じように難病指定を受けてパラ陸上のやり投げで活躍している先輩を紹介していただき、パラ水泳の話を聞くことができました。タッピングバーなど視覚障害のための器具があるということを聞いて、パラ水泳であれば大きなハンデを考えずに始められるかもしれないと思い、始めました。

実際にパラ水泳をはじめてみてどうですか?

――視覚障害者になって、久しぶりに飛び込み台からスタートするクラウチングスタートで構えた時、水面との距離がまったく分からないことにすごくハンデを感じました。体がこわばって腰が引けてしまい、飛距離が出ず、なかなかクラウチングスタートから入水までのフォームを改善するのに時間がかかりました。今でも改善する点が多くあるのですが、パラ水泳を始めて3年経ってようやく膝が曲がってしまうのはなくなって、飛び込めるようになりました。僕は短距離をメインでやっているのですが、スタートで勝負が決まるといっても過言ではないので、これからもどんどん極めていきたいです。今は、オリンピックの日本記録保持者の選手の動画と見比べて、できるだけフォームを近づけられるようにコーチからアドバイスをもらいながら練習に取り組んでいます。

 

大会に参加してみてどうでしたか?

――僕は日本選手権や国際大会などの大きな大会を目指しているので、正直に言うと全国障害者スポーツ大会は登竜門だと思っていました。でも、いざ会場に入ってみると、すごく大きな電光掲示板があったり、アドレナリンが出るような音楽が大音量で流れていたり、招集所や会場の雰囲気なども活気があって、テレビで見ていた日本選手権や国際大会などに近いものを感じました。出場する選手たちも予選を勝ち抜いた猛者が集まっているし、同じ障害を持つ選手と「頑張ろう」と声をかけあって、気持ちを高めることができました。それに、2019年から大会が中止になり、今回が4年越しの開催だったのでみんな熱が入っていました。

優勝した時はどんな気持ちでしたか?

――自己ベストを2秒近く更新していたので、最初は喜びよりも驚きの方が勝っていました。僕は自分で電光掲示板のタイムを見ることができません。審判の方から記録が38秒26だと聞いた時は、すぐには信じられませんでした。表彰式でメダルやヴィクトリーブーケをもらった時、コロナで様々な大会が中止になり、去年はコンディションが良かったのに大会が中止になって精神的に落ち込んでパニック障害になり、一度は水泳から離れていたことなど、この大会に出場するまでの順風満帆ではなかった過去を思い出しました。表彰台では泣きませんでしたが、更衣室に戻った時に感極まって泣いてしまいました。やっぱりとんとん拍子にここまできたわけではないので、スランプがあって勝ち取った今回の優勝には重みを感じています。

 

出場までに様々な困難があったと思いますが、どうやって乗り越えてきましたか?

――去年は週8で練習をしていて、コンディションも良かったのにコロナで大会がどんどん中止になっていき、大会で記録を残すために肉体的にも精神的にも自分を追い込んでいた分、「何のためにこんな厳しい練習しているのか」という思いが強くなり、パニック障害になりました。その時は、乗り越えたというよりも、一度忘れたくて離れました。それでもし水泳に対する未練がなければ別のことを始めようと思っていました。中学の時のフェンシングや高校の時のラグビーでは大きな大会に出場したことがありますが、水泳では特に何の実績を残せていなかったこともあり、しばらく水泳を離れているうちにだんだんともう一度水泳をやりたいという思いが湧いてきました。一旦水泳から離れて、落ち着いて考える時間ができたことがよかったのだと思います。
約半年のブランクがあったので、今回はようやく大会に出場して公式記録を残せるということだけでも感激でした。それだけでなく、自己ベストを更新して優勝することができたので、今後のパラ水泳に対するモチベーションも上がりましたし、また頑張ろうと思えました。

  

大学の授業はどのように受けていますか?

――僕の視覚障害は中心暗点で、真ん中が全く見えず、端にいくにつれて少しずつ見えてくる病気です。だから、文字を見るというのがけっこうしんどいです。最前列に行っても黒板やスクリーンが全く見えないので、タブレット端末を使って写真を撮り、ピンチアップして大きくして見るようにしています。また、先生の言葉をパソコンに入力して授業を受けるようにしています。一年生の頃はアテンダントに甘えていた部分があったので、今は自分で効率的に勉強できる方法を探しています。
授業ではアテンダントサービスを利用することもありますが、パソコンスキルを上げるためにも、分からなかったことは自分で聞きに行ったり、困ったら自分から頼みに行くようにしようと決めて、今はできるだけ自分の力でやるようにしています。

健康・スポーツ科学メジャーの授業が練習に活かされているなと思うことはありますか?

――たくさんあります。例えば、「スポーツと栄養学」の授業ではスポーツのパフォーマンスを上げるノウハウを知ることができましたし、「トレーニング論」では効率的なトレーニング方法を学ぶことができて、水泳をやる上でとても役に立っています。
運動の前後に筋分解を抑えるために必須アミノ酸サプリを摂取したり、自分が普段食べている野菜では摂取できないビタミンをマルチビタミンなどのサプリで補うようにしたり。「スポーツと栄養学」の授業をきっかけに食事の面で気を遣うようになりました。去年はコンビニ飯ばかりで胃腸の調子を崩しがちでした。でも、食事の栄養に気を付けるようになって、体の調子だけでなく精神的にも落ち着いていると思います。家族や友人のサポートのおかげもありますが、栄養バランスの良い食事のおかげでパニック障害の症状も少し良くなってきました。練習頻度は以前よりも少ない週2なのに、前よりも体をスムーズに動かせるようになったので、そのおかげで自己ベストを更新できたのかなとも思っています。

これからの目標を教えてください。

――来年5月に日本選手権の予選があります。僕は、100mバタフライと100m平泳ぎにエントリーする予定なので、日本選手権の派遣標準記録をとって大会に出場することです。今後の大きな目標としては、パリとロサンゼルスのパラリンピックに出場することです。

同じように中途障害を持って悩む人へメッセージがあればお願いします。

――僕は元々アウトドア派で自転車に乗っていろんなところに出かけることが好きでした。視覚障害者になって、友人が運転免許を取って車に乗っているのを見て、「僕はどうして車を運転することができないのだろう」「自分はどうして障害を持ってしまったのだろう」とできないことに目を向けてしまっていました。でも、できないことに目を向けるのではなくて、パラリンピックのように、視覚障害であればタッチする時に壁にぶつからないようにタッピングバーを使うなど、その人の障害に適応した器具やサポートなどで工夫をすれば、障害を持っていてもフェアに競技に挑むことができます。パラ水泳を始めて、できないことに目を向けるのではなく、できることもたくさんあるんだということに気づくことができて、ようやく障害を“個性”だと思えるようになりました。最近は見えないことを強みにしています。視覚障害者だったからこそ、全国大会という大きな舞台で優勝することができたので、障害を負ってからもメリットはあると思います。最初はすぐにそういう風に思えなくても時間が解決してくれるし、障害が長所になることもあるので、少しずつでも自分のことを見つめ直していってほしいと思います。


【関連リンク】

第22回全国障害者スポーツ大会にて本学学生が入賞しました。

健康スポーツ・科学メジャー

障害者支援

『夢を実現するための学び』

本井 希実 さん

学校教育メジャー専攻。
香川県立高松西高等学校出身。

大学での学びは、授業だけでなく、ボランティアや大学祭、サークルなど、様々な場所にあります。小学校教諭になる夢を叶えるために、どのような学びに取り組んでいるのでしょうか?

 

大学ではどのようなことに取り組んでいますか?

――教員免許取得を目指し、授業やPMカフェの活動に取り組んでいます。入学後から、家庭教師のアルバイトも続けていて、それぞれの生徒の理解度を確認すること、学生という視点から教えることで質問しやすい雰囲気をつくることを意識しています。生徒にも恵まれていて、分からないことは「分からない」と素直に教えてくれるので、スムーズに指導することができます。あとは、ピア・リーダーとしても、活動しています!特に、大学2年生のときに携わった大学祭の運営が印象に残っています。

大学祭の運営に携わろうと思ったきっかけは?また、大学祭実行委員会の仕事とは?

――ピア・リーダーの先輩にすすめられたこと、大学では資格取得以外にも何か取り組もうと思っていたことがきっかけです。「フェスタ・プラクティカム」という授業の中で、大学祭の準備を進めていきます。実行委員会は3つの部局に分かれて活動します。屋台やイベントを運営する「企画部」、パンフレット作成やSNS等の更新を行う「広報部」、出店する団体の情報を集め、外部業者との調整を行う「管理部」の3つです。私は管理部に所属し、リース会社からの備品の搬入や、テントの設営、主に裏方の仕事を担当しました。途中からは、管理部のリーダーになり、思っていたよりも大変なことばかりでした。自分一人でできる範囲は限られているため、メンバーと協力して動くことが本当に大切だと感じました。実行委員を経験して、周りへの上手な仕事の頼み方ができるようになったと思います。どうすれば気持ちよく仕事を引き受けてもらえるか、「がんばろう」と思ってもらえるのか。リーダーになってから、そこを考えるようになりました。

四国学院大学へ進学した理由を教えてください。

――小学校教諭の免許が取得できるからです。実は他に行きたい大学があったのですが、第一志望の大学が不合格だったので、四国学院大学へ進学しました。現役の小学校の先生や親からは「四国学院大学の卒業生で教員になっている人はたくさんいるし、歴史のある大学だから」と勧められたものの、やはり気持ちは晴れずに学生生活を送っていました。そのような私の考え方を変えてくれたのは、友人との出会いでした。ピア・リーダーとしてともに活動する友人や、学校教育メジャーで同じ夢を持つ友人に恵まれ、充実した大学生活を送っています。また、私が受けている授業は、模擬授業をしたり、ディスカッションをしたりと、実践的なものが多く、学ぶことがたくさんあります。学べる環境は整っているので、あとは自分次第なんだと気付きました。

将来の夢は?

――地元である香川で小学校教員になることです。小学生の頃から、毎日学校に通うことが楽しく、学校は居心地の良い場所だと感じていました。それは先生が、一人ひとりをよく見てくれ、寄り添ってくれていたからだと思います。お世話になった先生方が目指す教師像。これからもさまざまな経験を積み、子どもの気持ちに寄り添える教員になりたいです。

 

『科学を楽しく学ぶこと』(マグノリア・カフェ)

文学部 学校教育メジャー 池田 良さん
高松東高等学校出身。

「自然科学に対する興味・関心はどの様に生ずるか?あるいは失われるか?」
「身近なものを科学の目で見る一般的な方法とは何か?」
といった自然科学に関する“問い”を追求する、マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」。
元々理科が好きで、教員を目指す上でも活用できると考え、マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」に入った池田さん。
マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」での探究活動で、どのような気づきを得たのでしょうか。

マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」ではどんなことをしていますか。


――植物やホタルの観察、天体観測、ピタゴラスイッチの作製など、主に自然科学に関する探究活動をしています。活動の際は、先生が自然科学的視点で資料やパンフレットなどを作成してくれるので、とても分かりやすいです。
野外での植物観察では、学内の4号館・5号館裏、喫煙所付近、図書館裏などに生えているスイバの雄と雌を調べる、ということをしました。雄と雌の数を調べて、スイバの雄雌や生態の環境の違いを調査したり、実際にルーペを使って観察しました。
ピタゴラについては10月中旬に実施される文化祭までに作製したいという話にはなっているのですが、今はまだ各自が構想を練っているところで、8月頃から試作する予定です。ピタゴラは簡単そうに見えてすごく難しいなと痛感しています。実際に組み立てて動くのか?ということが分からないので、自身で試行錯誤を重ねたり、先生にアドバイスをもらいながら形にしていきたいなと思います。
また今後、まんのう町にある天文台に星の観察に行こうという話も出ているので、楽しみです。

活動を通して、新しい発見や気づきはありましたか。

――小さい頃にも植物の観察をしたり、ピタゴラをテレビで見たりしていました。でもやっぱり同じことをしていても、年齢を重ねて、知識も入ってくることによって、違う見方ができるようになり、面白さは増しているように感じます。例えば、桜の見分け方とかって、何となく分かっているけど、実際どう見分けるのかは分からなかったんですよね。でも、先生が「桜の枝は全部横縞になっているから横縞桜で覚えたらいよ」とか、桜の花弁の枚数などについてもマグノリア・カフェの活動の中で教えてくれたので、よりはっきりと見分けられるようになりました。それに、今までは単なる雑草や木だと思っていたものが、実は意味があってそこに置かれているのだということもこの活動で知りました。何のためにそこに咲いていて、どういう意図で整備されているのか、という理由も教えてもらえたので、ただ植物観察するだけでなく、植物の位置や存在そのものに意味があるということを知ることができたので面白かったです。例えば、学内の正門付近に大きな木が横並びに生えているのは、正面から写真を撮る時に見栄えが良いようにしているからだそうです。学内の自動販売機売り場の近くに生えている草も、雑草だと思っていたんですが、実はあの草が太陽の光を遮ることによって雑草対策になっていた、ということを知って驚きました。あとは、目隠しのために壁の塀を植物にしている家などには、冬場になって葉が落ちてスケスケにならないように一年中葉を咲かせる常緑樹を使っているとか。学内を探索しながらそういったことを教えてくれるので、新しいことを知れたり、新たな発見があり、楽しかったです。

マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」の問いに対して、自分なりにどう考えていますか。


――身近なものを科学の目でみるとはどういうことなのかを考えた時、ピタゴラなどは特にそれが当てはまるんじゃないかなと思います。小さい頃に見るピタゴラスイッチって、ただなんかすごいなとか、面白いなという目だけで見ると思うんですけど、実際に科学を学んだ大人が見てみると、この装置の裏はこういう風な造りになっているのかなとか、こういう繋がりがあって一つの装置ができているのかなとか、どういう原理を利用して動いているのかといった視点で見ることができると思います。そういう機械の内面や仕組みまで見ることができるかどうかが、“科学の目で見る”ということではないかなと考えています。ただ玉が装置の上を転がっていくのをすごいなぁと思って見るのではなく、どうやって再現性を出して同じようにつくれるのか、ということを考えるのが科学ではないでしょうか。計算式や物理の法則などは、科学への苦手意識を持つポイントだと思うんですけど、ピタゴラはそれを楽しく学んでいく方法のひとつなのかなと思います。僕自身、物理学は苦手なんですけど、実際にピタゴラを作りながら分からないところを教えてもらうと、「あぁこういうことか」と体験しながら学べるので楽しいです。

活動を通して、科学に対する意識に変化はありましたか。

――植物をみんなで調べた時に、何故そこにあるのか、ということを学んだりしたので、景観や風景一つとっても何か意味があるのかなとか、道端に生えている草木にも意味があるのかなとか、機械を見てもどういう造りになっているのかなと物事の本質を考えるようになりました。科学は身近にあるんだ、ということを実感しているところです。

マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」に入ってよかったと思うことを教えてください。

――教育実習に行った時、実習先の小学校にちょうど桜の木があったので、早速桜の見分け方を教えたんです。そうすると、小学生たちがみんな「すごーい!」と喜んでくれて、僕も嬉しかったです。小学生は校内を探検するのが好きなので、校内を探検しながら植物がそこにある意味などを授業と結びつけて教えてあげたら、すごく楽しく授業ができるんじゃないかなと感じた瞬間でした。このマグノリア・カフェで学んだことがちゃんと身について実践できたので、入っていてよかったなと思います。
これからもマグノリア・カフェでの活動でいろんな知識や発見をしていけば、教職の現場でも使えるはずなので、どんどん身に付けていきたいですね。

マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」での経験を将来にどう活かしていきたいですか。

――教職では、理科の授業でマグノリア・カフェで学んだことを活かしていきたいです。今回制作するピタゴラの動画を授業で流すことも面白いと思うし、植物や天体の知識なども授業の中で児童に説明することができるというのは、自分にとっても大きな力や財産になりました。自分が父親になった時にも子どもに教えてあげたら楽しいなと思いますし、将来、教職だけじゃなくて、いろんな場面で使っていきたいです。

マグノリア・カフェ「科学の目でものを見る」に興味がある方へ

――科学の専門家・研究者が近くにいて、実際に体験して教えてもらいながら理科や科学を学ぶのは、小中の理科とは違って、自分の知りたいことを奥深くまで追求できる良い環境ではないでしょうか。理科が好きで入るのもいいし、ピタゴラが面白そうというだけでもいいと思うし、楽しみ方は色々あります。理科に興味があるなしに関わらず、誰でも入れる敷居の低いマグノリア・カフェだと思います。


◆マグノリア・カフェとは
正規のカリキュラムを補強しながら行う、自主講座、自主セミナー、自主ワークショップ等の課外活動です。教員と学生が会食をし、交流を行いながら学んでいきます。

『魅力を撮る楽しさ』(マグノリア・カフェ)


文学部 歴史学・地理学メジャー 髙石 紗奈さん
三島高等学校出身。
写真部部長。
瀬戸内国際芸術祭2022の作品展示を鑑賞し、ヴァーチャルな視覚表現と実在するモノとのパラドックスを「問う」マグノリア・カフェ“瀬戸芸2022カフェ”。
前回の瀬戸内国際芸術祭が開催された2019年、「次の機会があるなら3年後」だと担当の井上先生に言われていた髙石さん。
3年後の今回、瀬戸芸カフェに参加した感想などについて話を聞いてみました。

マグノリア・カフェについて
マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」ではどのようなことをしていますか。

――瀬戸内国際芸術祭は春・秋・冬の3会期あるので、瀬戸芸カフェで3回行く予定です。事前にどこに行きたいか、ミーティングをして計画を立てていきます。
春会期を開催中だった5月のGWに、初めて瀬戸芸カフェで小豆島に行きました。事前に井上先生の方から「ここを見に行きたい」という提案があって、みんなと「ここなら行けるかな」とか、「この場所のここがいいかな」とか、それぞれ自分の見たい場所や意見を言い合って、決めました。小豆島は自然豊かな場所なので、その自然と融合したような作品を主に見ました。作品を見て感想を話したり、意見交換することで、視野を広げることができています。

実際に瀬戸内国際芸術祭に行ってみてどうでしたか?

――やっぱりすごかったですね。なかなかいろんな国の方の作品を一か所で見れる機会はないですし、島だからこそできることなのかなと思いました。中でも印象に残っている作品は、巨人が海の方を向いて座っている作品「ダイダラウルトラボウ」です。鉄と木と石という、古代からある材料だけでここまで大きな作品ができるのはすごいなと思いました。あと、民家をヤドカリの宿にしている作品もインパクトがあって印象に残っています。
メンバーの中に、前回の瀬戸芸に参加した人がいたんですけど、やっぱり一度行っているからこそ分かるものもあるようです。例えば、前回からアレンジが加えられていたりして、同じ作品でも二回目では印象が違っていたり。私もまた行けば違った発見があるのかなと思って、よく見ておこうと思いました。
今回行ったのは小豆島だけだったので、他の作品ももっと見てみたいなと思いました。次は男木島や直島に行けたらいいなと計画を立てています。

小豆島や作品の写真もたくさん撮れましたか?

――はい。私は、写真を撮るのが好きなので、フェリーに乗っている時からずっと写真を撮っていました。自然を撮っていく中で、そこにしかない魅力を写真で残せるってすごく素敵なことだなと改めて思いました。ちょうど今写真部でも行こうかという話も出ているので、今年入ってくれた新入部員にも写真を撮る楽しさや芸術作品を見る楽しさを知ってもらえるといいなと思います。次に瀬戸芸に行く時は、もっと写真の構図も練っていきたいです。

マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」に入ってよかったと思うことを教えてください。

――瀬戸内国際芸術祭になかなか自分から行こうとはならなかったと思うので、入ってよかったです。
みんなで集まるミーティングもお茶会のような感じで楽しいですし、井上先生が博識で色々な視点で物事をみているので、新しい気づきがあって面白いです。そのおかげで、今までにない視点で物事を見られるようになったと思います。芸術作品に対しても、今までだったら見て「すごいな」と単純に思うだけだったんですけど、こういう構図で素材も考えて作っているんだなとか、目で見て全部が伝わってくる芸術作品を作ることはすごいなとか、どこがどうすごいのかを感じることができるようになったと思います。それに、改めて芸術作品が人に訴えかける力はすごいことを実感しました。

実際に現地に行ってみて、マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」が掲げる”問い”について、どのような考えを持ちましたか?

――瀬戸内国際芸術祭の魅力は、都市には無い地方の個性と魅力ある文化が残っている瀬戸内海で、閉鎖性海域の特徴である気候が穏やかで自然に恵まれた島々と、そこで暮らす人々と現代アートの融合であると考えています。今回初めて現地に足を運び、作品と出会い作品に直接触れたことで、それまで作品に抱いていたイメージとは違った感情や思いが込み上げてきました。映像で見る現代アートと、物理的に目の前に存在するリアルな世界との違いを肌で感じることができたと思います。

マグノリア・カフェ「瀬戸芸2022カフェ」に興味がある方へメッセージがあればお願いします。

――瀬戸内国際芸術祭に行ける機会が3年に1回しかないということもあって、普段体験できないことを体験したり、学生の今しかできないこともあると思うので、ぜひ興味がある方は瀬戸芸カフェに入ってもらえればいいかなと思います。瀬戸内の素敵な景色をたくさん写真に収めることもできますよ!

本学での学びについて
本学への入学の経緯を教えてください。

――歴史学・地理学を専門的に学べるのが四国で唯一ということもあって、四国学院大学を選びました。メジャー制度で専門分野以外からも学ぶことができるので、学部の垣根を越えていろんな分野からいろんな視点を学べたのは大きいと思います。

「瀬戸芸カフェ」での経験と歴史学・地理学メジャーで学んだこととの繋がりは感じましたか。

――歴史的な建造物や島の歴史や特性を活かした美術品もあって、歴史と美術は切り離せないものだなと感じました。作品によっては現地に行って知るものもあったんですけど、事前に調べていた作品で現地に行って「なるほど」と納得することもありました。

印象に残っている授業はありますか?

――歴史学・地理学メジャーの「地図・地理資料を読む」という授業では、地形図から町の変化などを読み取っていくのですが、地図だけでこれだけの情報が読み取れるんだという驚きがあって、とても面白かったです。今、卒業研究でも授業で学んだ地図や地理資料から読み取れる情報を活用しています。
他メジャーの授業の中で印象に残っているのは、田尾先生の「マーケティング論」です。情報を伝える側の立場で、社会人になって必要とされてくる知識や考え方を先に学ぶことができたので、今から役立てて活かせれたらいいなと思っています。
博物館関係の授業で、図書館で手ぬぐいの展覧会を開いたことがあります。その時、Wordで写真を配置するなどしてポスターを作成したのですが、それがすごく楽しかったので、私は何かを作ったりすることが好きなんだなと改めて感じました。写真部でも、写真を撮ることも好きなのですが、撮った写真をどのように展示するのかを考えるのも楽しいです。今までは小さいサイズの写真を飾っていたのですが、やっぱり写真は大きい方が迫力があると思って、私が部長になってA4サイズでの展示に変えてみたら、けっこう評判が良かったので嬉しかったです。
そういった経験もあって、私は将来、何かを企画する仕事をしたいと思っています。


◆マグノリア・カフェとは
正規のカリキュラムを補強しながら行う、自主講座、自主セミナー、自主ワークショップ等の課外活動です。教員と学生が会食をし、交流を行いながら学んでいきます。

『将来のための人生経験を』(キャンパスベンチャーグランプリ参加)


社会福祉学部 精神保健と福祉メジャー 平尾 隆人さん
丸亀高校出身
学生が新たな事業を提案するビジネスコンテスト、キャンパスベンチャーグランプリ。
”学生起業家の登竜門”ともいわれているキャンパスベンチャーグランプリは、全国8地域(北海道、東北、東京、中部、大阪、中国、四国、九州)で展開しています。
第19回キャンパスベンチャーグランプリ四国大会に参加し、『介護業界の発展 ~廃棄衣料から新たな価値を~』で特別賞四国産業人クラブ賞を受賞した平尾さんに、応募の経緯や大会の感想についてお話を聞いてみました。

キャンパスベンチャーグランプリ四国大会に応募しようと思ったきっかけは何ですか?

――いとこが数年参加していたのを見ていて、自分も応募してみようと思いました。大学に入って福祉関係のことを学びたいと思っていたので、もし起業するなら福祉関係に携われるものや福祉方面で力になれることがしたいと思って、なんとか形にしようとアイデアをたくさん考えました。
福祉といえば、精神福祉と社会福祉と介護の大きく3つの分野があると思うんですけど、応募した当時は1年生なので精神福祉や社会福祉などの現場を見る機会はありませんでした。アイデアを形にするためにも実際に働いて体験できたらいいなと思って、派遣会社を通じて介護のアルバイトを経験しました。現場の声として「スライディングシート高いんだよね」という話を聞いた時に、何かできないかと考えて、それが応募のアイデアに繋がりました。スライディングシートとは、ベッドから車いすへの移動や仰向けからの体勢変換を補助するものです。やっぱり自分で経験して自分で学べることからアイデアを出していくのは大事だなと感じました。

今回受賞した『介護業界の発展』は、どのような提案ですか?

――SDGsやエコを重要視する政治経済と実際に自分で現場を見た介護業界、その両方のためになることはないかということを考えて、「廃棄される衣服を再利用してスライディングシートを作る」ということを提案しました。衣服が大量に廃棄処分されて環境問題になっていることから、それなら廃棄される衣服をスライディングシートとして使えないか?と考えたのがきっかけでした。
思いつくまでの過程としては、実際にヒアリング調査をしてみて、介護職員さんにヘルニア持ちの方が多かったので腰をサポートできる商品を作れないか?とか、食事用の医療器具を作って施設側の経費削減と利用者さんに活用してもらえるものができないか?など考えていました。ただ、僕はまだ学生なのでなかなか難しい点もあったのですが、スライディングシートは実際に作って試すことができたので、この案でいこうと決めました。実際に自分が着なくなった服で作った時は、耐久性や安全性が商品を作る上では大事だと思ったので、友人に試してもらったりして、素材は布製品よりナイロン製が安定することが分かりました。
自分のプランの強みは、廃棄する服でナイロン製を使えば耐久性があること、元々ゴミになるはずだったものを使うのでエコだし、初期費用がかからないので経費削減につながることです。それに、安く仕入れたから安く売ることができます。インターネットで検索した時に、従来の商品は1,500円が定価でした。僕が提案したプランでは、市場の定価を下回る1,000円での提供としていたので、そこが一番の強みでもあります。弱みとしては、形にする力が必要であること、一人では生産性が少なく、必要とされた時にスムーズに商品を提供できないことです。こういった強みと弱みを考えて、プレゼンに臨みました。

大会に参加してみてどうでしたか?

――大会では、自分の提案をプレゼンした後に、四国県内で起業している社長さんとの質疑応答があります。提案したことについて、細かく質問されて、勉強不足で答えられない面もあったのですが、プロの方はこういう視点で物事をみるのか、とか他にもすごい提案をしている方がいたので、とてもいい社会勉強になりました。
他の応募者はチームで参加している方も多くて、助け合いながら意見をしっかり発表していたのを見てすごいなと感じました。パワーポイントでのプレゼンの仕方も、プラン内容がすべて頭に入った上で発表しているので原稿をじっと見ることもなく、重要な点はポインターを使ってしっかり前を見て伝えていて、やはりそういった参加者はプレゼン力が高得点でした。自分の場合は初めてで緊張したし、原稿も真面目に読もうとしてガチガチだったので、プレゼン力の面では力不足だったかもしれないんですけど、特別賞を受賞することができて嬉しかったです。
なので、またいいアイデアが浮かんだら今年も大会に応募してみたいなと思っています。今度は僕も友人を誘ってチームで参加してみたいですね。

大会に参加してよかったことを教えてください。

――すごくいい経験や社会勉強になりましたし、特別賞四国産業人クラブ賞という名誉ある賞をいただけてすごくありがたいです。将来就職する時に自分の実績にもなりますし、他とは違ったアピールポイントになるのではないかと思います。今回のことで本当に周りに恵まれているなと感じていて、僕を支えてくれた家族や友人たちにはすごく感謝しています。

自分が成長できたと思うことを教えてください。

――僕は元々あがり症で、人前で発表したり、人と話す時に自分の言いたいことをうまく伝えられなかったんですけど、この大会を機にプレゼンの力やコミュニケーション能力が少し上がったなと感じています。文章を作って人に発表する中で、こういう伝え方よりはこういう伝え方がいいなということを考えたり、家族や友人たち相手に練習をしてみたりして、本番のプレゼンを終えた後には自分に自信がついたと思います。
それに、この大会を機に、もし将来自分が医療業界とかで何か助けたいと思った時に自分の持つアイデアが役に立てるかなとか、NPO法人でサービス提供者とうまく連携できたら商品開発にも繋がるかなとか、色々な可能性を感じています。1人ではできなくても、これから色々なことに携わって、自分が本気になれば商品開発も形になるかもしれないと思うようになりました。

本学へ入学した経緯や入ってよかったことを教えてください。

――元々高校を卒業したら就職しようと思っていたんですけど、先生から四国学院大学を紹介してもらって、自分でも色々インターネットで調べていく中で、高校3年生の頃には大学に進学したいと思うようになりました。はじめは他の大学も考えていたんですけど、祖父祖母の介護やコロナの感染状況の中で、先生や先輩から四国学院大学の話を聞いて素晴らしい大学だなと感じました。何を学びたいか?ということを考えた時に、祖父祖母の介護のことや自分自身が心を病んだことがあってカウンセラーやソーシャルワーカーの方に助けられた経験があったので、自分も誰かを助けられる人になりたいと思いました。大学の4年間で取得できる資格がないかと考えた時に、精神保健福祉士という資格を知り、進学を決めました。精神保健福祉士の取得を目指して入ったんですけど、実際に入学して学んでいく中で、カウンセリングを学んで医療の面で患者さんを支えていきたいという気持ちが強くなり、3年生からは心理学・カウンセリングメジャーに変更してより深くカウンセリングを学んでいきたいと思っています。自分の学びたいことが変わった場合でも、メジャー変更で学びたいことが学べるのは魅力的だと思います。それに、授業を担当する先生も、実際に現場を経験している方が多く、授業内容も現場の体験をもとに伝えてくれるので、味の濃い授業が受けられているように感じます。そういう面でも、四国学院大学に入ってよかったと思います。

これからの目標を教えてください。

――大学内の授業を通して国家資格を取得して就職することも、一つの目標としてあります。今回の大会に参加して、大学生活で努力している人は上には上がいると知りました。そういう人たちと同じ土俵で社会に出て競争していく時には、個々の力が重要になってくると感じたので、もっと自分磨きを頑張りたいと思います。大学の勉強に加えて通信講座などで民間の資格を取得したり、例えば自分を見込んで何か企画や大会などに誘われたら、悩む暇があったら行動に移して、積極的に参加して経験を積みたいです。