ディプロマ・ポリシー(学位授与に関する方針)【大学院】
四国学院は、キリスト教信仰による人格の尊厳と自由を基盤として、人が生涯にわたって必要とする、豊かな人間性の醸成に寄与する教育を行うことを使命としています。従って、四国学院大学院においては、以下の資質を修得したものに学位を授与します。
Ⅰ 社会学研究科社会学専攻
ⅰ 現代社会の複雑な現実を科学的に調査分析する諸理論を確実に修得した上で、批判的視点から独立不羈の社会学的考察を行える資質。
ⅱ 社会学的分析を自己目的化することなく、分析作業を現実社会との相互連関に位置づけながら学問ができる資質。
ⅲ 専門研究の視点から、社会学を現代社会の課題解決に向けて適用することができる資質。
Ⅱ 文学研究科比較言語文化専攻
ⅰ 歴史および社会的パラダイムを踏まえた上で、高度な言語運用能力を錬磨して異文化間のコミュニケーションを推進する資質。
ⅱ 自らの文化と他者の文化、両者に関して認識論的批判を伴いながら対等な位相で深く考察できる資質。
ⅲ グローバリゼーションがもたらしている多文化状況において発生する種々の課題に学問的批判を加えて課題解決ができる資質。
Ⅲ 社会福祉学研究科社会福祉学専攻
ⅰ 現代社会が抱える人間の苦悩に俊敏に接近できる感性と幅広い視野でそれらを学問的に深く理解できる知性をそなえた資質。
ⅱ 社会福祉の現実と理想の乖離を熟知して、社会福祉学が果たすべき本質を理解できる資質。
ⅲ 他者の苦悩を研究材料とする衒学的行為を排除すると同時に、社会福祉の現場で批判的学問作業と創造的実践を並行して行える資質。
カリキュラム・ポリシー(教育課程の編成方針)【大学院】
Ⅰ 社会学研究科社会学専攻
政治的・経済的・文化的・社会的な側面において変動著しい今日、高度の専門的能力を身につけ個々の社会問題に対応可能な人材の養成が急務となっています。一方ではおびただしい数の社会調査もなされていますが、方法上も倫理上も信頼できる社会調査とそうした社会調査のスキルを有した人材に対する社会的ニーズがますます高まっているともいえます。
こうした情況に鑑み本研究科では、社会調査に重点をおく社会学関連の科目のみならず、高い倫理性と社会的実践性習得に重点をおく課題科目群をも配置することにより、種々の社会問題に対して実証的にアプローチしうる職業人の育成を図っています。また四国地域で唯一、専門社会調査士資格が取得可能なカリキュラムも開設しています。
なお、詳細は別に履修規程において定めます。
Ⅱ 文学研究科比較言語文化専攻
今日、経済はもとより教育、環境、国際協力、文化活動等、あらゆる分野において「グローバル化」が急速に進んでいる現代において、異文化を背景とする人間同士の共生的な交流の構築を図ることのできる言語運用と文化理解を兼ね備えた人材の育成が必至です。
本文学研究科比較言語文化専攻課程は、英語の実践的運用能力はもとより、異文化間理解と国際理解教育という創立当初の理念とそれに従って歩んできたこれらの歴史を、より一層充実させ推進していくものです。
あらゆる人々の集団が、お互いの持つ異なった文化を認め合うことが、「グローバル化」している現代社会における異文化間理解と国際理解の出発点であるとの認識を原点として学び、人間相互の知的刺激と研究・教育の活性化を図ります。また、異文化間の交流の広い意味のコーディネーターとして異文化の共存と交流を支え推進していくために必要な様々な高度の専門性と実践性を兼ね備えた調和のとれた教育と研究カリキュラムを設計しています。
なお、詳細は別に履修規程において定めます。
Ⅲ 社会福祉学研究科社会福祉学専攻
日本の社会福祉を取り巻く現状は近年において大きな変化を遂げています。従来の施設処遇中心が見直され、ノーマライゼーションの理念を基調とした考えや処遇が浸透しつつある中で、地域福祉が重要視されるようになっています。そして、2000年に介護保険制度が導入され利用者へのサービス提供においてソーシャルワークの関連技術であるケアマネジメントが実施されることになり多種専門職連携によるチームワーク実践や学際的なアプローチが必須になってきています。さらに、ヒト、モノ、カネの、国境を超えた移動に象徴されるグローバリゼーションの進展に伴い、社会福祉領域においてもNGOなど国境を越えた活動の必要性と日本国内における社会福祉ニーズの多様化に対応する必要性に迫られています。大学院においてもグローバリゼーションの進行、少子・高齢化の急激な進展、地域福祉の重視、「措置から契約へ」の制度の変更等の社会福祉をめぐる急激な変化に対応できうる人材の養成が急務になってきているといえます。このような認識から、豊かな福祉コミュニティの創造と国際社会福祉の深化に寄与できる、より深い専門性と人間愛・隣人愛の精神に富んだ人材の育成を目標としたカリキュラム編成を行っています。
なお、詳細は別に履修規程において定めます。
アドミッション・ポリシー(入学者受入れ方針)【大学院】
学校法人四国学院は、Vos estis sal terrae. (汝らは地の塩である。マタイによる福音書 5 章13 節)をユニバーシティ・モットーとしてかかげ、「良き隣人として働く人間」の育成を目指しています。中四国地域において、最初の社会福祉学専攻の大学院を出発させたことも建学の精神に由来しています。また、比較言語文化専攻および社会学専攻も、それぞれ、他者との交流と現代社会が抱える課題への学問的理解を通して、「良き隣人」として生きる研究者あるいは専門家を育成することが目標です。従って、大学院にて専門研究にたずさわるに相応しい学問的資質に加えて、さらに以下の事項をかねそなえた学徒を本学大学院に受け入れることとします。
Ⅰ 社会学研究科社会学専攻
ⅰ 現代社会が抱える多数の課題を感知し理解しようとする深い動機を持つ者。
ⅱ 社会を理解することと社会学を学ぶことの間にしばしば乖離がある。この事実を知悉して、自らの学問姿勢を検証している者。
ⅲ 学問的作業を社会課題の解決にリンクさせる必要性を誠実に追究する者。
Ⅱ 文学研究科比較言語文化専攻
ⅰ 異者を異者として、そのまま受容する感性を保持し、さらにその感性を深化させる用意がある者。
ⅱ 言語と文化を共時的に認識する視野と通時的すなわち歴史において捉える視点がある者。
ⅲ 自文化を検討吟味して、自文化を相対化すると同時に他の文化理解を通して自らの文化理解を深めることができる者。
Ⅲ 社会福祉学研究科社会福祉学専攻
ⅰ 現代社会に起こっている問題に対する感心や、その問題解決への熱意を持つ者。
ⅱ 他者と社会の苦悩を客観的に観察するのではなく、自らの存在との関係で常に把握しようと努める者。
ⅲ 社会福祉学を業績や資格の獲得といった承認欲求ではなく、社会貢献へ生かそうという決意が堅固な者。