『大人になるために』

文学部 人文学科 英語メジャー 2019年度卒業 松本教生 さん
活動内容:ピア・リーダー

ピア・リーダーをはじめたきっかけは何ですか。

――入学してすぐの新入生オリエンテーション期間で、「赤いジャケットを着たすごい人がいる!」というのがピア・リーダーの先輩に対する最初の印象でした。十八歳の自分もあと二年すれば成人で、どうすれば大人になれるだろうか、と考えた時に、一週間支えてくださったピア・リーダーの先輩方の姿を見て、ピア・リーダーになれば自分も大人になれるかもしれない、と思ったことがピア・リーダーをはじめたきっかけです。

ピア・リーダー活動をするにあたって、目標などはありましたか。

――正直、目標という目標はありませんでした。ピア・リーダーになるための養成講座の時も、自分は周囲に比べて特筆する能力もありませんでしたし、人見知りな方だったのですが、ピア・リーダーになりたいと努力をして、何とか受かることができました。そういった経緯もあったので、具体的な目標を持って、というよりは、とにかく目の前の与えられる仕事をがむしゃらに頑張っていこうと思って取り組んでいました。

ピア・リーダーになったことで、自分が成長できたと思うところはどこですか。

―― 一番は、リーダーシップ能力と人前で話す力が付きました。十八歳で大学に入学した時は、二十歳になったら自動的に大人になれるかなと思っていたんですが、全然そんなことなくて。でもそんな中で、ピア・リーダー活動の様々な経験を通して少しは大人になれたかなと感じられるようになりました。今、ピア・リーダーとしての代表をやらせてもらっているんですが、ピア・リーダーという組織は他の組織以上に様々な意見がぶつかり合う組織だと思います。一から百まで言われますし、自分の言動がみんなにどう思われているのか、ということも直接的に分かります。でもそういう経験を何度も繰り返していくと、自動的に大勢と話す機会も多くなりますし、みんなをまとめていくというか、こうすればみんなが納得してくれる、ということもどんどん分かってきます。だから、リーダーシップ能力や人前で話す力というのは、ピア・リーダーを経験したからこそ磨くことができた力だと思います。

ピア・リーダー活動で印象に残っていることはありますか。

――印象に残っているのは、ピア・リーダーとしての活動というよりも、日々の伝達事項という小さなことから、新入生やピア同士の人間関係のサポートなどです。他のピア・リーダーは新入生をサポートしますが、自分は代表としてピア・リーダーをサポートしなければならないので、毎日楽しいんですが、大変なことも多いです。たとえば、何かいざこざが起きた時はその子と直接話したりだとか、入学式の時に気になった新入生がいたらその子のクラスター担当のピアの子に「あの子どんな感じかな?」と気にしたり、入学式が終わっても残っている保護者の方がいたら「何かお困りごとはないですか?」と声をかけたり。だから何か大きな一つのこと、というよりかは日々の小さなことを代表としてやっていくことで、リーダーシップ能力や人前で話す力が身についてきたんだと思います。

活動をしている中で、気をつけていることはありますか。

――入学した時は人見知りで、最初は授業も全然楽しくありませんでした。でも、だからこそ、クラスに入って新入生が最初どんな気持ちになるのかを誰よりも分かっていると思います。
だから、クラスが盛り上がってるか、というクラスター単位で見るのではなくて、その中で充実した学生生活を送っている子送っていない子、楽しんでいる子楽しんでいない子、一人ひとりをみるようにしています。それに、やっぱり大学生なので、勉学に励める環境を提供できるよう、人間関係などを自分がサポートできたらなと思っています。また、ピア・リーダーだからここまでしかしない、ということではなく、困っている人がいたら声をかけるし、「大学生のお手本だから」ではなく「大学生のお手本だね」と言われるように心がけています。職員さんや地域の方々と会ったら挨拶するように、ということは全員に徹底しています。

ピア・リーダーの代表になる前となった後では、自分はどう変わったと思いますか。

――最初ピア・リーダーになったばかりの二年生の時は、仕事も何も分かりませんでした。でも新入生は僕のことを“二年生”ではなく“ピア・リーダー”という目で見てきます。だけど全然話すことも話しかけることもできなくて、話しかけられたら話す感じでした。でも今は、自分から話しかけるだけではなく、注意もできるようになりました。そこは大きく変わったところだと思います。それに、今は自分が代表として仕切れる部分もあるので、大変さもあるんですけど楽しみの方が大きくて、やりがいがあります。

ピア・リーダー活動をしていることで、普段の学生生活が豊かになったと思うことはありますか。

――大学は高校とは違ってクラスというものがありません。一年生の時はクラスターがありますけど、もちろん取る授業は違います。でも、ピア・リーダー活動の中で仲間ができるし、本気でぶつかり合うので、喧嘩をしながらも、かけがえのない存在ができます。ピア・リーダーをしていたからこそ、信頼できる仲間に出会えました。ピア・リーダーになって、100%学生生活は豊かになっていると思います。

ピア・リーダー活動をしていてよかったことは何ですか。

―― 一言で言うと、大人になれたことですかね。大学生はあくまでも学生なんですけど、その中で成人を迎えます。もちろん高校を卒業して社会人になった人とはまた違っていて、でもその何かって何だろう? と考えて、もっと上を目指していきたいと思うようになったのもピア・リーダーを始めてからです。学力は自分で勉強すればどうにでもなると思うんですけど、話す力というのを大学生活の中で身につけなければならないものです。だから正直、最初はこの大学に入ったのは間違いかなと思ったこともありました。でも、ピア・リーダーとしての活動で様々な経験をつんだことで、この大学でなければ今の自分はなかったと今なら思えます。それに、大学に入る前は将来の夢もなかったんですけど、大学に入って、ピア・リーダーになって、将来のことを真剣に考えるようになりました。そして今は、自分の飲食店を起業するという大きな夢を持っています。そのための第一歩として、卒業後は飲食店で働きたいと考えています。

これからの将来にどう活かしていきたいですか。

――社会人に求められるスキルとして、人前で喋るとか、コミュニケーション能力やリーダーシップ能力というのは、別に社長にならなくてもとても重要なことだと思っています。その中で、ピア・リーダーとして得たスキルというのは、普通に座って講義を受けるだけでは身につかないし、簡単なプレゼンテーションやグループワークでは身につかないと思います。
卒業後、就職されたピア・リーダーの先輩方が、「ピア・リーダーでの活動がためになった」と口を揃えて言っていたので、このピア・リーダーとしての経験は絶対に活きてくると思います。

ピア・リーダーを目指す後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。


――自分が言える立場ではないんですが、ピア・リーダーに限らず、最近主体的に何かに取り組む学生が少なくなってきているなと感じています。ピア・リーダーの仕事一つにしても、仕事内容を覚えなければできないものもあるんですけど、一番大事なことはやる気で、主体的に取り組めるかどうかだと思います。何か失敗したら自分にはできないと思ってしまう人がいると思うんですが、失敗したり、怒られたりしなければ成長はできません。一旦怒られて、落ち込みながらも何で怒られたんだろうということを考えて、解決策を見つけて、切り替えて頑張って、また挫折して……ということを繰り返していくことで成長していけると思います。
ピア・リーダーにしても、その仕事ができるできないではなくて、ピア・リーダーの学生がそういう主体者集団になることができれば、ピア・リーダーだけじゃなくて大学も活気づいていくのではないかなと思います。


ピア・リーダー制度とは・・・ピア(peer)とは、英語で“仲間”を意味する言葉。入学して右も左も分からない新入生に対し、不安を抱かずとも済むように、適切なアドバイスや話し相手役になってあげられる上級生が必要なのでは? と誕生したのが、このピア・リーダー制度です。新入生オリエンテーションをはじめとする学内イベントなどの中心的な役割を担います。またオープンキャンパスなどで訪れた高校生の案内役も行っています。