『自分の思いを伝えること』(清泉礼拝堂聖歌隊)

社会福祉学部 地域社会と福祉実践メジャー 2019年度卒業 藤井優花 さん

サークル:清泉礼拝堂聖歌隊

サークル活動をはじめたきっかけは何ですか。

――同じクラスターで聖歌隊に入りたいという学生がいて、私も歌がしてみたかったので、友達についていきました。聖歌隊の歌は、オリエンテーション期間にチャペルで聴いて「すごいな」と思ってたんですが、宗教曲ということで敷居が高いかなと思っていました。でも、友達と一緒に聖歌隊のメンバーの皆さんに会ってみると、とても優しかったので、聖歌隊に入ろうと思いました。

具体的にサークル活動はどんなことをしていますか。

――毎週水曜日に全体練習をして、歌の個人レッスンを受けて練習しています。イベントとしては、オープンキャンパスやチャペルアワーなどの学校行事に参加したり、3月にはイースターコンサート、12月にはクリスマスコンサートを開催したりしています。4年生の集大成となる3月のイースターコンサートでは、バッハの合唱曲を歌います。バッハの曲は1年生の時から少しずつ練習していて、4年生になって練習の成果を出す、という感じです。先輩方を見ていると、本当に「やりきった!」というのが伝わってくるので、私も頑張りたいなと思っています。
聖歌隊で歌う曲は、顧問の先生が持ってきてくれる時もあれば、隊長さんが選んだり、歌いたい曲を持ってきて歌ったりしています。私も歌いたい曲があれば先生に持っていって、合唱曲に編曲してもらったりして、基本みんなで楽しく選曲しています。
私は、賛美歌の中でも「この世の波風さわぎ」という曲が好きです。この曲を初めて聴いたのは、1年生のチャペルアワーの時で、この曲のリズムや厳かな雰囲気、スケールが大きいサビの抑揚がすごく印象に残っていました。今、この曲はチャペルアワーの前奏でソロで歌ったりしています。今年から、聖歌隊をもっとみんなに知ってもらいたい、と思って、先生に打診してチャペルアワーの前奏で歌うことを始めました。私以外にも、聖歌隊のみんなで順番にソロを日替わりで歌うようになって、今ではみんながいつ歌うか取り合いになるぐらい、意欲的に参加しています。

サークル活動をしていて、どんな時が楽しいですか。

――チャペルアワーで歌う時です。それまで練習したものをみんなの前で歌い、聖歌隊に一体感が生まれる時が楽しいです。きれいにハモれた時にはすごく感動しますし、練習で失敗が多かったところが本番で上手くいくと嬉しいですし、達成感があります。人前に出させていただく機会があるからこそ、本番に向けて練習を頑張ろうと思えるし、やりがいもあります。今は卒論もあるので、歌うことがストレス発散にもなっています。

サークル活動を通じて自分が成長したと思うところはどんなところですか。

――聖歌隊に入って、私が「やりたい」と思ったことを、ちゃんと伝えることがすごく大事なんだなということを学びました。私は視覚障害があって、みんなと一緒に楽譜を読めなくて、舞台に上がるための移動も手を引いてもらわないといけないし、障害物があると避けていかないといけません。歌いたいし前に出たいけど、みんなに迷惑をかけてしまう、というのが一番のネックで、オープンキャンパスなどに参加することに、最初はためらいもありました。でも、私は出たいけどこういうところが不安だ、ということを伝えると、「私が手を引くよ」「僕がパイプ椅子を避けるよ」と、みんなが言ってくれて、それがすごく嬉しかったです。その時、周りから言われたのは、「やりたいことがあるなら言って欲しい」ということでした。自分がやりたいことを言うのは、自分にとっても周りにとっても大事なことなんだと、すごく学びました。私は楽譜が見えないけれど、じゃあどうしたら楽譜を読みながら歌えるようになるのか、周りのみんなと相談しながら試行錯誤していく、ということは聖歌隊活動を通して成長した部分だと思います。“出来ない”で終わるのではなく、どうすれば“出来る”ようになるのか、ということを考えて、失敗も重ねながらひとつずつ課題をクリアしていく課程は自分をすごく成長させてくれたなと思います。

サークル活動を通して、大学生活が豊かになったと思うのはどんな時ですか。


――ちょっとだけ、前に出れるようになりました。前に出ることの前提として、集団の中に入る、ということがやりやすくなりました。視覚障害の自分が聖歌隊に入る、というところから始まって、授業のグループワークでも積極的に意見を言ったり、話に参加することが少しずつできるようになったし、発表の時も前に出てやってみようかなと思えるようにもなりました。聖歌隊の人間関係を通して、大学生活の授業に積極的になれたなと思います。視覚障害の自分だから駄目かな、というところから、やってみよう、とマイナス思考からプラス思考に変わることができました。聖歌隊では、みんなと息を合わせないといけないし、先生との個人レッスンの時に自分が分からなかったところを伝えたり、何故できなかったのかを考えたりするので、自分なりに自分のことを分析して相手に伝えるという経験は、サークル活動以外でも役に立っていると思います。

聖歌隊の魅力はどんなところだと思いますか。

――いっぱいあるんですけど、まずはすごく和気あいあいとしていて、上下関係があまりないところです。先輩後輩の壁があまりなくて、ニックネームで呼び合っています。練習中も、ピシっとするときはピシッとするし、休憩中にはみんなでその日あったことを話したりして、すごく仲が良いです。だからこそ、合唱や歌自体も、やわらかい音が出ていると思います。ギクシャクしながらつくり上げたものじゃなく、和気あいあいとした空気の中で合わせることで、歌にもあらわれているのかな、と。個性豊かなメンバーが集まっているので、本当に楽しいです。
次に、イベント時には聖歌隊の制服であるケープを着ることです。初めてケープを見た時はすごくかっこいいなと思いましたし、実際に自分がケープを着ると“聖歌隊の一人”という意識で前に出ることができました。
あと、やっぱりパイプオルガンの演奏で歌えるというのは大きな魅力だと思います。パイプオルガンの音色は包み込んでくれる優しさがあって安心して歌えますし、自分の声とパイプオルガンの音がピタッと合った時はすごく嬉しいし、自分が上手くなったのかなと感じられます。なかなかパイプオルガンがある大学は珍しいなと思うので、是非聖歌隊に入ってもらえたらいいなと思います。

聖歌隊での活動は、クリスチャンになったきっかけとしてありますか。

――クリスチャンになろうと思った直接のきっかけではないんですが、聖歌隊に入ってチャペルの雰囲気には慣れていたので、教会への苦手意識はありませんでした。
先輩や先生に誘われて聖書勉強会(KGK)に入って、近くの教会で賛美集会があるから行かないか、と誘われて初めて教会に行きました。その時から、教会に行く機会が多くなりましたが、私は神様を信じてはいませんでした。でも、友人との関係が悪くなった時に神様に祈ったら、自分の気持ちが落ち着いて友人と話ができたので、神様が助けてくれたのかもしれない、と感じました。それに、私が初めてソロを歌う聖歌隊のコンサートでも、緊張のあまり音を外してしまいそうな時に神様に祈ると、暴れていた心が不思議とふっと落ち着きました。自分でも何で落ち着いたのか分からないけれど、「もう大丈夫だ」と思えて、自分で納得できる歌が歌えました。そういったことがきっかけで、神様はいるのかもしれないと思い、通っていた教会で洗礼を受けました。それから、聖歌隊で本番がある時はいつも祈っています。

クリスチャンになって変わったことはありますか。

――自分が落ち着いたかな、と思います。元々感情的なところがあって、クリスチャンになる前は、自分の思いが伝わらない時は何で分かってくれないのか、というのを態度に出していたんですが、クリスチャンになってからはそこをストップして、その感情を外に出さないように抑えることができるようになってきたと思います。
今は教会でも聖歌隊に入っていて、すごく楽しいです。教会の方はアカペラなので、大学以上にみんなと息を合わせないといけなくて、本当に神経を使うんですけど、それも楽しいです。大学でチームワークや音の正確さを学んだので、それを教会でも活かすことができて、聖歌隊に入っていて良かったなと思います。

サークル活動で、これからの目標はありますか。

――聖歌隊としては、4年生として、歌を引っ張っていくことが目標です。苦手な曲は後輩に任せて逃げた時もあったので、これからは高音をしっかり出せるように、リズムを正確にしていきたいと思います。最上級生の自覚を持って、頑張りたいです。

聖歌隊に興味がある後輩へアドバイスやメッセージがあればお願いします。


――やりたいこと、やってみたいことは、下級生だからと抑えるのではなく、言って欲しいと思います。それで私も頑張らなきゃ、と思うので、やっぱりどんどん積極的に前に出てきて欲しいです。前に出るからにはレベルも伴わないといけないので、モチベーションにもなると思います。上級生や他の子に譲ることも大事だとは思うんですけど、とりあえずやりたいことを伝えてみてください。きっと周りのモチベーションも上がると思うので、遠慮せずに発言して欲しいなと思います。
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清泉礼拝堂聖歌隊