『子どもに合わせて工夫すること』(ボランティア活動)

社会福祉学部 子ども福祉メジャー 2019年度卒業 石川史織さん
活動内容:ボランティア活動、子ども福祉メジャーのイベント等

ボランティア活動はいつ頃から始めましたか。

――ボランティア自体は、実習がきっかけで2年生の時から始めました。子どもと関わる仕事がしたい、という思いから子ども福祉メジャーに入ったんですけど、なかなか子どもと関わる機会がありませんでした。実習も時期が決まっていたので、それまでに経験を積んでおきたいと思い、ボランティア活動に興味を持ちました。2年生の時に所属していたキャンプリーダー会トムソーヤ(サークル)に案内があった小学校の夕涼み会のボランティアが最初です。そこで知り会った方に紹介してもらった託児のボランティアに参加するなど、徐々に活動が広がっていったと思います。また、学部にボランティア募集などの張り紙があったり、先生のところに来た案内を見たりして、子ども福祉メジャーの仲良い子たちと一緒に応募して参加したりもしています。

最近では、どんなボランティアに参加しましたか。

――善通寺市が行っている子どもカフェのボランティアに行きました。その関係で、「子夢の家」で行っている子どもカフェにも参加しました。授業で子ども食堂のことについて聞いてはいたんですが、その中身については予想もつかなかったので、実際に経験しておきたいなと思ったからです。
子どもカフェでのボランティアは、子どもたちと遊ぶことがメインです。一緒に食事をして、食事が終わった子達と一緒に遊ぶ、という感じです。最初は絵本を持っていって読んだりしていたんですけど、それよりも一緒に遊ぶ方が楽しんでくれていたので、次からは絵本は一応持って行くようにして、基本的には子どもたちのやりたいように一緒に遊びながら関係づくりをしていました。
実際に参加してみて、すごく楽しかったです。けっこう人数も多くて、需要のある活動なんだなと感じました。

ボランティア活動の際、授業での学びは活かされていますか。

――授業は基礎知識になるので、頭に入っていたことは役に立っていると思います。聞いて学ぶより実践で学ぶ方が身につく、とは思うのですが、学んだことと照らし合わせるのが大切だなと感じます。授業で学んだ、○歳児がこんな発達で~、というのを実際に見て、「本当だ!」と実践でさらに学ぶことができます。

ボランティア活動以外にも、子どもと関わる活動はしていますか。

――2年生の時から、善通寺市の預かり保育のアルバイトをしています。預かり保育では、子どもと遊んだり、小学生の子には宿題で分からないところを教えたりしています。3年続けていると、そこで見た子どもの姿や子どもの気持ちの変化を側で見ることができて、自分の経験として力になっていると思います。
幼稚園の頃に出会った子が今は小学生になっていたりするので、成長を間近で感じられるのも面白いし、すごく楽しいです。

子どもと関わる時に気をつけていることは何ですか。

――勉強していく中で、子どもたちのことを否定しないように、否定的な言葉かけをしないように、ということは常に意識するようになりました。意識はしていても、とっさに「駄目」とか「それはやめて」とか否定的な言葉が出てくる時もあったんですけど、今は「~したかったね」「でも今はこれをする時間だよ」と言葉を置き換えるようにしています。子どもたちは自由なので、言うことをきいてくれる子もいれば、また言ってると思うだけの子もいて、時と場合によって響く時と響かない時があります。それでも、私は繰り返し言うことが大事だと思っていて、何回も言うことによって、最終的に危険なことをしなくなればいいなと思っています。まだ全然うまくはできないんですが、ちょっとずつでもうまくできるようになりたいです。

ボランティア活動などをやっていてよかったなと思うのはどんな時ですか。

――子どもたちができなかったことができるようになったり、「あれ?」という変化を見つけた時はすごく嬉しいです。ありきたりかもしれないんですが、実習やボランティア活動などで、知らない大人が来た、という状況の中で、次に会ったときに子どもたちが覚えていてくれたときは、やっていてよかったなと思います。また一緒に遊んでいて、「またね!」と言われた時もすごく嬉しいです。

ボランティア活動などを通して、自分が成長できたなと思うところはありますか。

――色んな年齢の子どもたちと関わることができたので、4年生になってからの実習では「○歳児」と聞いて、ここまでなら子どもが理解してくれるなとか、話し方とかは、その年齢の子どもたちに合わせてすぐに対応できるようになったと思います。
2年生の最初の実習では、子どもと関わることよりも、良い成績を残したい、自分の考えてきた指導計画をやる、ということばかり考えていたんですけど、4年生になってからは子どもの姿を見て、自分が考えてきたことと違うなと感じた時は、子どもの姿に合わせて臨機応変に保育ができるようになりました。それは、ボランティア活動や預かり保育のアルバイトの経験があったからこそ、自分が成長できたところだと思います。

子ども福祉メジャーでも様々な活動をしていると思いますが、一番印象に残っているものは何ですか。

――やっぱり、「こどもひろば」です。準備期間がすごく長くて、それが一日の数時間で終わってしまうんですけど、その中でやりくりしたり、みんなで協力して大きなイベントを開催するというのはなかなか経験できることではないと思うので、経験できてよかったです。それに、一緒にいる時間が長いので、学年の仲がすごく良いです。意図的に集まろうという連絡をしなくても、お互いが危機感を持っていて、自然と集まれるので、良い学年に入れたなと思います。この学年でよかったなというのは、4年生全員が思っています。みんなとできたことも、良い経験だったなと思います。この学年だったから、こどもひろばができたと思っています。

3年生の時と4年生の時、それぞれどのように「こどもひろば」に関わっていましたか。

――「こどもひろば」のメインは、3年生が担当します。私が3年生の時は、「もりのくに」をテーマに開催しました。私は、大山先生の迷路班で班長のような立場で準備をしていました。車椅子が通れるように、車椅子の方も楽しめる高さで、子どもも楽しめる高さで、という工夫や、部屋の中に決まった大きさの段ボールを並べていかに迷路にするか、ということを考えて作っていました。部屋もそんなに広くないし、段ボールも小さくないので、難しすぎず、簡単すぎず、ということを考えるのは大変でした。迷路の行き止まりも楽しめるような工夫が必要です。カラーセロハンでつくった光るきのこを作ったり、ゴール手前に屋久島のウィルソン株をイメージした大きな切り株を作って、その中に入って見上げるとハートになっていて猿がいたり、と様々な工夫をしました。大きい子も楽しめて、小さい子も楽しめるように考えるのは難しかったです。
4年生になって、メインの担当は後輩たちになりました。私たちの時は、一年こどもひろばをお休みしていた期間があったので、実際にやった先輩たちがいない中での開催でした。でも、今年は実際にやったことのある先輩がいる環境で、私たちももっと頑張りたいという思いがあったので、メインを担当する3年生に「これどうしたらいいですか?」と聞かれた時は必ず一緒に考えるようにしていました。最終的にできたものを見て、「ここ危険じゃないかな?」ということも4年生で確認したりしていました。せっかく伝えられる立場だし、記録もあまり残せていなかったので、口頭で伝えられる部分はしっかり伝えたいと思って参加していました。

これまでの経験を、どのように将来に活かしていきたいですか。

――子どもとの関わりに関しては、アルバイトや実習、ボランティア活動での経験になると思うんですが、製作に関しては、子どもが安全に遊べるものを作るために、こうあればいいとか、ここをこうした方が良い、という学部の活動で学んだことが活かせると思います。あとは、予算が決まっているので、その中でやりくりしながらより良いものを作る、ということはすごく勉強になったと思います。

子ども福祉やボランティア活動に興味がある後輩へ、何かアドバイスやメッセージがあればお願いします。


――まずは、楽しむことが大事だと思います。辛くて、「やらなければいけない」という中でするよりも、自分がやりたいことを見つけて、やっていく方が楽しみながらできるかなと思います。あとは、けっこう大変なメジャーなんですけど、自分の力になっていることがすごく実感できますし、保育の勉強では専門の先生も豊富なので、それも含めてこの大学の子ども福祉メジャーでよかったなとすごく思います。ボランティアは色んなものがあるので、積極的に何かをすれば、そこから芋づる式に色んなボランティアが出てきたり、就職活動にもつながるので、先輩や先生から紹介されるものについては積極的に参加していった方が良いと思います。


子ども福祉メジャー
こどもひろば2019「むしのせかい」