『深まった日本への興味』(留学)

社会学部 2016年度卒業 鄭 址元(ジョン ジウォン)くん
出身校:韓南大学校
留学期間:2016年4月1日~2017年3月31日(1年間)
授業名:日本事情Ⅰ

日本に留学しようと思ったきっかけは何ですか。

――日本に住んでみたくて、日本語を上手になりたいと思ったからです。僕は、日本の音楽や映画、マンガなどが好きです。高校時代に友達にyuiさんの音楽を教えてもらったのがきっかけで、日本の音楽を聴くようになり、日本のドラマなども観るようになって、日本に興味を持つようになりました。修学旅行で日本の大阪と神戸に行ったことがあるんですけど、空港で困った時に韓国人のガイドさんが日本語で空港のスタッフさんと話して解決していたのがすごくかっこよかったです。僕もあんな風に話せるようになりたいと思い、韓南大学校の日本語学科で日本語の勉強はしていましたが、韓国で日本語を勉強するのと日本で日本語の勉強をするのとではやはり違うと思ったので、留学を決めました。

四国学院大学の印象はどうですか。

――他の姉妹校よりも留学生の面倒をよくみてくれると思います。他の大学に留学している後輩から、留学生に対するプログラムがない大学もあると聞いたことがあります。留学生が100人200人くらいいて、四国学院大学みたいに留学生みんなでどこかへ行ったり、ご飯を食べたりというのはなかなかないようです。
四国学院大学に来て驚いたのは、メジャー制度で自分の学部以外の授業も自由に受けることができたことです。韓国の大学では日本語学科だったら日本語学科の授業しか取ることができないですし、教養科目も決まったものしか取ることができません。メジャーは決まっていても、「あ、聞きたいな」と思った授業を受けられるのでいいなと思いました。

「日本事情Ⅰ」の授業について教えて下さい。

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――日本の色々な場所に先生が連れて行ってくれる授業です。夕食は先生と留学生みんなで食べて、その日の授業で訪れた場所についての話をしたりします。僕は旅行が好きなので色々な場所に行きますが、自分で行った時には知ることのないその場所の歴史や背景などを「日本事情」の授業では教えてくれるので、一人で行くよりも理解しやすいです。
前期の授業では、琴平のこんぴらさん(金刀比羅宮)、直島、女木島、栗林公園、演劇、善通寺祭りなどに行きました。様々な場所を訪れて、知らなかった日本の文化や歴史について学ぶことができました。図書館で、子どもたちを相手に絵本の読み聞かせをしたこともあります。韓国語での読み聞かせだったので、子どもたちははじめ不思議そうな顔をしていましたが、最後には笑顔を向けてくれました。韓国語の挨拶を教えた時の子どもたちの反応がすごくよかったです。帰りに「ばいばい」と子どもたちが手を振ってくれて、とても嬉しかったです。授業で参加したもので一番楽しかったのは、先生と留学生たちで善通寺祭りに行ったことです。屋台でたこ判など美味しいものを食べたり、踊りを見たりして、祭りを楽しみました。韓国でも祭りはあるんですが、どこか観光客を呼び込むための国家的なものを感じてしまいます。でも、日本の祭りは何ヶ月も前から地元の人たちで準備していて、みんなで楽しむ祭りっていいなぁと思いました。

学びたいと思ったことは学べていますか。

%e9%bb%84%e3%81%8f%e3%82%93img_3165――僕は将来、観光の仕事に興味があって観光学メジャーにしました。韓国でも日本語の勉強をしていたし、日本語の授業も問題なく受けられるだろうと少し自信があったんですけど、観光学の授業では地名などを説明する時に難しい単語や知らない単語が出てきたりして、理解が難しかったです。日本語学概論では、日本語の発音では舌がどのように動くのか、などの議論を学びました。日本語についての理解が韓国にいた時よりも深まったと思います。
夏休みに広島や鳥取、岡山などに旅行に行ったんですが、広島の宮島に観光に行った時、ゲストハウスで日本、インド、香港、ドイツの人たちと仲良くなりました。ドイツの人が日本語を話せなかったので、英語と日本語を混ぜながらコミュニケーションをとる、という面白い体験ができました。

これからの将来にどう活かしていきたいですか。

――僕は、日本でも住んでみたいと思っています。まずは韓国で就職活動をするつもりですが、日本での就職も考えています。今回留学生として日本に来た経験もあり、将来は国際交流に関わるような、例えば留学生担当の仕事がしてみたいです。それが駄目でも、将来は日本語を使うことができる職場に行きたいと思っています。せっかく日本語を覚えたのに、日本語を使う会社に入らなかったらもったいないと感じるからです。

留学を考えている後輩へアドバイスやメッセージなどあればお願いします。

――僕は日本の四国に来て、本当によかったと思っています。四国学院大学は、韓南大学校と交流が深く、奨学金制度があるところがとても良いです。アルバイトができないので、生活費等は両親からの仕送りだけです。奨学金があるおかげで両親の負担も減らせますし、助かっています。%e9%87%91%e5%9f%8e%e4%b8%83%e3%80%85%e6%b5%b7%e3%81%95%e3%82%93もし留学するかどうか悩んでいる人がいたら、迷わずにしてみるといいと伝えたいです。そして、たくさん自分から行動することが大切だと思います。僕は夏休みに暇だなぁと思ったので、高松の国際交流センターに行ったり、友達に会いに行ったりと自分でやることを探していました。そうやって自分でやること探しをして、行動しているからか、毎日楽しく過ごせています。
やりたいことを自分で探して、自分からたくさん行動してみてください。

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日本事情Ⅰ:外国人留学生が日本で生活をしていく上で必要な日本の生活・文化・社会などに関する知識と方法について日本語で講義する。また季節ごとに行われている地域の行事を実際に体験したり、住民との交流を通してより深く日本を理解できるように様々な体験プログラムもあわせて実施する。日本事情Iでは主に、香川県内地域を体験プログラムの範囲とする。