教育研究上の目的(大学院)

社会学研究科社会学専攻

政治的・経済的・文化的・社会的な側面において変動著しい今日、高度の専門的能力を身につけ個々の社会問題に対応可能な人材の養成が急務となっている。一方ではおびただしい数の社会調査もなされているが、方法上も倫理上も信頼できる社会調査とそうした社会調査のスキルを有した人材に対する社会的ニーズがますます高まっているともいえる。
こうした情況に鑑み本研究科では、社会調査に重点をおく社会学関連の科目のみならず、高い倫理性と社会的実践性習得に重点をおく課題科目群をも配置することにより、種々の社会問題に対して実証的にアプローチしうる職業人の育成を図っている。また四国地域で唯一、専門社会調査士資格が取得可能なカリキュラムも開設している。

文学研究科比較言語文化専攻

今日、経済はもとより教育、環境、国際協力、文化活動等、あらゆる分野において「グローバル化」が急速に進んでいる。それによって人々の行動範囲は著しく広がり、価値観・行動様式も大きな変化のうねりの真只中にある。これまで、ごく一部の研究者の業績や専門家の経験を通して、知識としてしか知り得なかった地球上の様々な地域に暮らしている人々の生活、価値意識、習俗、伝統文化等を文字通り肌で感じる機会が日常化しつつある。様々な文化諸相に光を当て、理解を深め、自ら「地球社会」の一員として行動することは、21世紀をになう我々にとって必須の課題といえる。この意味で、相手に分かる発想で自分の意見を組み立て、それを自己表現する交渉能力、調整能力、総合能力を有することは社会的な要請でもある。異文化を持つ者同士の共生的な交流の構築を図ることのできる言語運用と文化理解を兼ね備えた人材の育成が必死である。本学の比較言語文化専攻はまさにそのために設立された大学院である。
本大学院の『文学研究科(比較言語文化専攻)修士課程』は、英語の実践的運用能力はもとより、異文化間理解と国際理解教育という創立当初の理念とそれに従って歩んできたこれらの歴史を、より一層充実させ推進していくものである。
あらゆる人々の集団が、お互いの持つ異なった文化を認め合うことが、「グローバル化」している現代社会における異文化間理解と国際理解の出発点である。『文学研究科比較言語文化専攻』は、こうした認識を原点として学び、相互の知的刺激と研究・教育の活性化を図る。また、異文化間の交流の広い意味のコーディネーターとして異文化の共存と交流を支え推進していくために必要な様々な高度の専門性と実践性を兼ね備えた調和のとれた教育、研究指導を行う。

社会福祉学研究科社会福祉学専攻

日本の社会福祉を取り巻く現状は近年において大きな変化を遂げている。従来の施設処遇中心が見直され、ノーマライゼーションの理念を基調とした考えや処遇が浸透しつつある中で、地域福祉が重要視されるようになった。そして、2000年に介護保険制度が導入され利用者へのサービス提供においてソーシャルワークの関連技術であるケアマネジメントが実施されることになり多種専門職連携によるチームワーク実践や学際的なアプローチが必須になってきている。さらに、ヒト、モノ、カネの、国境を超えた移動に象徴されるグローバリゼーションの進展に伴い、社会福祉領域においてもNGOなど国境を越えた活動の必要性と日本国内における社会福祉ニーズの多様化に対応する必要性に迫られている。大学院においてもグローバリゼーションの進行、少子・高齢化の急激な進展、地域福祉の重視、「措置から契約へ」の制度の変更等の社会福祉をめぐる急激な変化に対応できうる人材の養成が急務になってきているといえる。このような認識から、豊かな福祉コミュニティの創造と国際社会福祉の深化に寄与できる、より深い専門性と人間愛・隣人愛の精神に富んだ人材の育成が本大学院社会福祉学研究科社会福祉学専攻の主たる目的である。