『現場に入って見えたもの』(地域活動)

文学部 学校教育メジャー 2017年度卒業 松岡恭平くん
活動内容:土曜授業応援隊
活動場所:市内小学校

土曜授業応援隊を始めたきっかけは何ですか。

――元々、大学側から教師を目指しているならやった方がいいということもあり、2年生の時に放課後授業応援隊をやっていました。放課後授業応援隊では、平日の学校が終わった後にその日の復習を毎週行っていたんですが、今年に入って予定が合わなくなったので、月1回の活動で良い土曜授業応援隊を始めました。

具体的にどこでどんなことをしていますか。

――土曜授業応援隊では善通寺市立南部小学校に、県のボランティアでは善通寺市立東部小学校に行かせてもらっています。今は担任の先生だけでは対応が難しい子どもたちもいて、学校側も人を求めています。そういう中で、僕たちが困っている子たちに声をかけたりして、クラスの中に入っていきます。喧嘩をする子どもたちもいるので、仲裁に入ったこともあります。やっぱり、子どもたちと関わる、というのが一番大きいです。土曜授業は、土曜日で習い事とかがあって来れない子も多いので、授業というより一週間の振り返りなどの復習をしています。そういうこともあって、今年から、土曜授業ではなく、土曜学習に名前が変わったようです。県のボランティアの方は復習ではなく普通に授業があって、そこに僕が入っていくかたちになります。集中しない子やつまずいたりしている子もいるので、そういう子たちに声をかけたりして、授業のサポートをしています。クラスごとに知的な遅れはなくても、発達障害や注意欠陥がある子たちもいるので、授業は数人体制で進められています。先生方も話を聞いてくれたり、声をかけてくれたりするので、とてもやりやすいです。

実際にやってみてどうですか。

――生の現場に入って、今の子どもたちと関われるということはすごく貴重だし、僕たちが小学生の頃とは全然違うので、その現場に関われて、実際に感じることができるのも貴重な経験だと思います。僕たちの頃と違うなと感じたのは、iPadやタブレットを使った授業があることです。それに、子ども自体も時代の流れからか色々と難しい子が増えているように感じました。
やりがいを感じるのは、勉強を教えてつまずいているところが分かってくれたり、喜んでくれたり、一緒に遊んで楽しんでくれる時です。教育実習では、はじめて自分で授業をしたりもしたんですけど、準備がすごく大変でした。それでも、寝る時間を削ってでも頑張ろう、いいものを作ろうと思えたのは、子どもたちがいたからです。子どもたちに分かってもらいたい、少しでも楽しく勉強してもらいたい、いろんなことを学んでもらいたいという思いがあったので、自分が無理してでも頑張ることができました。
教育実習にしろ、土曜授業応援隊やボランティアにしろ、やっぱり現場で関わることができる、ということがやりがいを見いだす良い機会になっています。

土曜授業応援隊と教育実習で関連する部分はありましたか。

松岡恭平くん――土曜授業応援隊では4年生以上、教育実習では2年生を担当したので、学年は違うんですけど、土曜授業で子どもたちと関わってきたことは教育実習でも活かすことができました。一人ひとりのことを考えて関わり方と変えたりとか、そういうことができるようになったと思います。教育実習は一ヶ月間毎日行っていて、土曜授業応援隊は月に一回で頻度が違います。だから、教育実習を終えて土曜授業応援隊に行くと、やはり子どもとの信頼関係が大事だなと改めて感じました。信頼関係は長く関わっていくうちに芽生えていくものだと思うので、土曜授業応援隊の時はどうしても距離感が難しいところもあります。それでも、土曜授業応援隊を始めて2年目になると、行くクラスや学年はバラバラでも、子どもたちも僕のことを覚えてくれて、少しずつ話を聞いてくれるようになっています。
教育実習の前に土曜授業応援隊をやっていたというのは、僕にとってとてもプラスになっています。土曜授業応援隊では、授業の進め方とかを生で見れるし、何より子どもたちへの声かけとかそういう細かい部分を見ることができて勉強になりました。子どもたちもみんな同じではなくて色んな子がいるということも分かったし、その中でみんなのことを理解していくことが必要だと分かりました。
教育実習でも自分が一人だけで授業を進めるのではなく、子どもを活かしながら授業を進めていくことが大事だと言われていたので、その準備段階として生の現場を見れていたことは教育実習にも活かせました。

これからの将来にどう活かしていきたいですか。

――これからの土曜授業応援隊でも、月1回なのであまり関われないんですが、少しでも多く子どもたちのことを知って、それぞれの違いを知った上で関わっていきたいです。
僕は、学校は塾のように点数を上げるための勉強を教える場所ではなく、社会のルールとか対人関係とかいろんなことを学ぶ場所だと思っていて、勉強よりもそういうことが重要だと思います。だから、僕は将来、本当の意味で子どもたちに寄り添えるような教師になりたいです。

今後、土曜授業応援隊などの活動を考えている後輩へのアドバイスやメッセージなどあればお願いします。


――生の現場を見れて、中に自分が入っていけるいいチャンスだと思います。教師を目指している人、興味がある人でも、一回チャレンジしてみるのもいいかなと思います。僕は、やってよかったです。実際にやってみてやりがいを感じることができたら、大学の授業のモチベーションも上がっていきます。小学校の先生方から入ってくれてありがとう、と言われるんですが、逆にこちら側のメリットとしてそこで得たことを大学の授業で生かすことができ、意欲を高めることもできるのでそこが強みかなと思います。模擬授業をやっていて授業の進め方とかは知っているので、現場を見た時に自分だったらこうしよう、というのも見えてきます。大学での授業もすごく大事で、大学で勉強したことを今の現場と結びつかせることが重要です。大学にいるだけではイメージしにくい部分もあるし、モチベーションも上がらないと思うので、実際に自分が現場に入って見ることでモチベーションも高く保てる土曜授業応援隊の活動はおすすめしたいです。

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土曜授業応援隊とは、善通寺市教育委員会からの依頼を受け、本学学生が市内8つの小学校で、毎週第3土曜日の午前中、4年生以上の児童へ学習補助を行うものです。